実はユーロが「影の演出役」になってきたドル/円
 ドル/円の最近の高安値のタイミングは、ユーロ/ドルの高安値のタイミングとほぼ一致してきた<資料参照>。その意味では、ドル/円はユーロ/ドル次第だった。その関係がまだ変わらないなら、先週円安に戻したのは、ユーロ安に戻したからということになる。

◆円の高安値とユーロの高安値のタイミングが一致

 ユーロ/ドルのこの間の終値ベースのユーロ安値は10月3日の1.251ドル。そして、その後のユーロ戻り高値は10月15日の1.283ドルだった。これに対してドル/円の円安値はやはり10月3日の109.7円、そして円の戻り高値はやはり10月15日の105.8円だった。

 そもそも、それ以前についても、9月1日の1.31ドルから9月末は1.26ドルへユーロ一段安になった(終値ベース)。そしてドル円も9月1日の104.3円から9月末109.6円へ、やはり円一段安になったわけだ。

※<資料>はコチラ⇒http://hbol.jp/?attachment_id=11294

 これについて、ユーロも円も対ドルの結果だから当然といえばそれまでだ。ただ、少なくとも上述のユーロ/ドルの動きは、ドルの裏返しというより、むしろユーロを主語に説明されるのが基本だったようだ。

 たとえば、9月のユーロ一段安は、ECBの9月理事会における「サプライズ利下げ」がきっかけであり、ECBのデフレ回避のためのユーロ安容認政策の結果などとの解説が一般的だったのではないか。そして10月3日にユーロが底打ち反発に転じたのは、前日のECB会合後のドラギ総裁発言への失望、「ドラギ・ショック」との解説が基本だっただろう。

 以上のように見ると、ユーロの変動の結果としてのドルの変動が、円の動きも左右してきた、「ユーロ/ドル次第のドル/円」ということだ。これは、ユーロ圏の景気不安が世界景気を不安にさせているという意味では当然の結果なのだろうか、それとも実際の主語はユーロではなくやはりドルということなのか。

 いずれにしても、「ユーロ/ドル次第のドル/円」がまだ続くなら、先週ドル高・円安へ戻したのは、ユーロ安・ドル高に戻したからだ。そして、ユーロ安が続くなら、円安が続く可能性も警戒する必要があるだろうが、ユーロ安が止まり、さらにユーロ高になるようなら、円高になる可能性もあるだろう。(了)

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【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。同社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。
2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。
著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など
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