先端運転補助システム(ADAS)の デファクト・スタンダードを目指す モービルアイ社の株は買いか?

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【今回のまとめ】
1.先端運転補助システムはドライバーに代わって事故回避行動を起こす
2.モービルアイは独自のソフトウェア、ならびに半導体を開発した
3.既に業界のデファクト・スタンダードを狙える位置にある
4.先端運転補助システムの延長にあるのは自動運転車だ

先端運転補助システムとは?

 先端運転補助システム(ADAS)とは、クルマのフロントガラスの中央上方に取り付けたカメラで前方を監視し、ドライバーが見落としがちな歩行者、自転車、動物、その他の障害物との衝突の可能性を事前に察知し、自動的にブレーキを踏むなどの回避行動をするシステムを指します。

 このシステムは居眠り運転による車線からのはみ出しや、赤信号をうっかり見落とした場合も、ドライバーに代わって是正措置を取ります。

 イスラエルに本社のあるモービルアイは、15年も前からこの先端運転補助システムの開発に取り組んできました。そして独自のソフトウェア・アルゴリズムを完成させたのです。これに「EyeQ」と呼ばれる、リアルタイムに反応する半導体をセットにして組み合わせ、世界の自動車メーカーに提供しています。

普及率は向こう5年で40%へ

 モービルアイは、既にオペル、アウディ、BMW、フィアット、フォード、GM、ホンダ、ジャガー・ランドローバー、テスラなどに採用されています。2014年末までに18社の自動車メーカーがモービルアイを搭載した新車を売り出す予定で、2016年にはその数が20社に増える予定です。

 モービルアイを搭載したモデル数は下のグラフのように推移しています。

 既に今年の3月までに世界で330万台ものクルマがモービルアイを搭載して走行しています。

 現在の先端運転補助システムの普及率は5%に過ぎませんが、向こう5年で新車の4割がそれを搭載するだろうと言われています。

 モービルアイを搭載したクルマの人身事故は23%減少、衝突事故は8%減少したと報告されています。

米国当局の動き

 米国運輸省高速道路交通安全事業団(NHTSA)は先ごろ、2018年までに後方視界システムを全ての新車に備え付けることを義務化しました。これは将来、先端運転補助システムが義務化される前兆だとウォール街関係者は見ています。

自動車メーカーとの協業

 自動車メーカーは新車を開発する際、その設計段階でモービルアイのシステムと摺合せ作業をします。ひとたびモービルアイに基づいた設計がされてしまうと、後から他社のシステムに変更するのは難しいです。つまり、いまはなるべく多くのメーカーの、多数のモデルに採用してもらい、業界のデファクト・スタンダードを目指している最中なのです。

データの収集

 モービルアイを搭載したクルマが世界中を走り回ると、その走行データがどんどん蓄積されます。これは将来のシステム精度の向上の際、貴重な情報となります。

 将来的には全ての新車が常にインターネットと接続した状態になることが考えられるので、モービルアイのソフトウェアのバージョンアップもネットを通じて出来てしまうようになることが予想されます。

 さらに保険会社はモービルアイを搭載しているかどうかで自動車保険の割引などの判断材料にすることも想像に難くありません。そうなると実績が多い会社が有利になり、後発の参入はいよいよ難しくなるわけです。

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