来年1月19日に開幕するテニスの4大大会・全豪オープンを中継しようと、NHKと衛星波のWOWOWがノリノリになっている。

 これまでテニス国際試合は視聴率が取れないため、地上波放送局の大半が見て見ぬふり状態をしてきたが、錦織圭選手(24)が9月に行われた全米オープン男子シングルスで決勝に進出したことで状況は一変した。
 「錦織の優勝への期待が高まった結果、WOWOWには視聴契約申し込みの問い合わせが通常の10倍以上も寄せられた。結果、9月の新規加入件数は開局以来最高の15万3273件を記録したんです。一方、決勝戦を半日遅れで放送したNHKは、独占生中継したWOWOWと比べられ批判を受けるという、やぶ蛇状態になった。このトラウマがあるNHKは、来年1月の全豪オープンでは先手を打って放送権を取りに行く」(事情通)

 しかし、NHKに対し、いま一つ元気がないのが、民放キー局だ。テニスは野球、サッカーやバレーに比べ、試合時間が読みにくい。番組編成がしづらく、スポンサー集めも困難になるためだという。
 さらにネックになるのが放送権料だ。
 「一大会約400億円〜のサッカーW杯に比べればリーズナブルですが、いまの民放には厳しい金額。恐らく無理なく捻出できるのは2014年度の受信料収入が6428億円のNHKだけです」(関係者)

 その全豪オープンの放送権料だが、「恐らく約5億円〜になる見込み」(同)だという。
 「もちろん需要と供給のバランスの上で成り立っている。ライバルが多ければ多いほど金額は跳ね上がるため、最低10億円近くに落ち着くのでは…」(スポーツ番組プロデューサー)

 WOWOWが無料放送だったら文句はないのだが…。