Tim Cook, after Macworld Expo 2009 keynote

写真拡大 (全3枚)

成長続ける市場でタブレットの売上が落ちる。

アップルは、今まで以上にiPad製品の本格的なアップデートを必要としている。確かに、同社は形だけのアップデートを先日発表した(それにはiPad miniの本当に最小限のリフレッシュが含まれていただけだが)。しかし、7〜9月四半期におけるiPad売上の惨状を経て、それで本当に充分なのかは疑念の余地が残る。

関連記事:わざわざiPad Mini 3を買う必要なし?

四半期のiPad売上は、前年度同四半期比13%減の1,230万台を記録した。12ヶ月で見ると、2013年10月から2014年9月、アップルお得意の祝日シーズンの売上増を収めてきた期間においても、7,100万台を売り上げた前年度と比較して4.3%減の6,800万台となっている。

シリーズ最大サイズのスクリーンを備えたiPhoneと、さらに軽くなったMacBook Airノートパソコンの板挟みになったiPadが、下落の一途をたどっている印象はどうしても否めない。なぜならタブレット売上全体が、速度は落ちてきているものの未だ成長を続ける中で、iPad売上のは絶対的に落ちてきているからだ。たとえば、ガートナーの予測では、2014年のタブレット売上は11%成長すると見られているにも関わらずである。

どこをどう見ても、成長市場における売上の減少は良くない兆候と言えるだろう。

アップルには良いニュースもある

無論、アップルCEOのティム・クックにすれば、大きな売上と関連利益を生み続けるiPhone事業は言うまでもなく、今四半期552万台を売り上げた花形であるMacに皆の注意が向いている方が望ましいだろう。

同じ7〜9月四半期に、アップルは3,930万台のiPhoneを売り上げ、3,380万台だった前年度比16%増を記録した。アナリスト達の売上予想は3,800万台だった。

アップルの四半期業績には11日間のiPhone 6と6 Plusの売上を含んでいる。しかし、アップルの新しいiPadは今四半期後半まで売上に貢献する事は無いだろう。

iPhone 6と6 PlusのApple Pay

iPadの消費者売上の減少をかんがみると、アップルがもしタブレット事業を継続したいと思っているのならば、その戦略を変更する必要があるのは明らかだ。同社は既に対策を進めているかもしれない。どうやらiPadをもっとビジネスに向けたものにする、という事らしい。

アップルはすでに、よりビジネス志向のタブレットソフトウェアを提供する計画を発表している。噂されている12.9インチのiPadが日の目を見る事があれば、ビジネス・ユーザーはラップトップと変わらないサイズのディスプレイを手にする事になるだろう。

関連記事:アップルの大型iPad、来年まで延期となった模様

もしアップルがそのモンスター級iPad用に、生産性向上に必要な取り付け式キーボードを発表する様な事があれば、iPadはPCだけでなく低価格帯Macにとっても大きな脅威となり得るだろう。

画像提供:
Tim Cook画像:Valery Marchive
プロダクト画像:Apple

Adriana Lee
[原文]