舞い散る粉の空中スクリーン Pixie Dust 。音響場による物体浮揚技術で粒子をスクリーン化

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10月26日まで開催中のDIGITAL CONTENT EXPO 2014 より。東京大学暦本研究室と名古屋工業大学星研究室は、超音波スピーカーによる音響浮揚技術 Pixie Dust(ピクシーダスト)の展示を行っています。これは縦横に向かい合わせに配置した超音波スピーカーで音響場を操り、物体を空中に保持するとともに、グラフィクスを形成する技術です。まずは動画をご覧下さい。



Pixie Dustでは、フェーズドアレイと呼ばれる特殊な超音波スピーカーを四方それぞれの面に配置し、音響場の分布を変更した超音波を中央に向けて集中させ『計算機ポテンシャル場』(Computational Potential Field)と呼ばれるシートのような面の音響場を形成することで、物体の空中浮揚を実現しています。超音波の周波数は40kHzの定在波(定常波)を利用したもので、波長や振幅の関係で、粒子同士の間の距離は4.5mmとなっています。

なお空中浮揚といっても、空中に保持できるのは、現状では粉のような極小かつ軽量な粒子レベルの物体に限定されます。これは周囲の環境変化による影響を受けやすいためで、同じ物体を長時間浮揚させるのはまだ無理ということです。

展示では、中央付近に粒子のスクリーンを形成するデモを実演していました。規則正しく空中に浮かんだ粒子にプロジェクターの映像を投射しており、解像感は粗いものの、確かにスクリーンとして機能しています。

浮遊している粒子に触れたり、息を吹きかけたりすると、粒子はたやすく吹き飛んでしまいます。また、放っておいても下に落ちてしまうので、説明員は絶え間なく粒子を掬い上げ、音響場の形成されている部分に振りかけていました。当面の課題は、物体をより長時間浮かせていられるように安定性を向上させることだといいます。

なお本技術は、同じ会場で展示されていた空中触覚タッチパネルの技術とも関連が深く、いずれも超音波を物体に作用させる点で共通するものです。空中触覚では人の指先に向けて超音波を当てることで触覚を再現しているのに対し、音響浮揚では安定した面の音響場を形成することで物体を浮揚させています。

安全性の面では、直接耳で超音波を聴かない限り、人体に影響はないとのこと。

実際に目にすると「本当に浮いてる!」と純粋な感動を呼び起こします。発展途上の技術ということもあり。将来的にはより大きく、重量のあるものが浮かせられるようになるかもしれないという期待を抱かせる展示でした。