映画の未来を考えるシンポジウムが開催!

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『舞妓はレディ』(公開中)の周防正行監督が10月24日、開催中の第27回東京国際映画祭で行われたシンポジウム「映画の未来〜新しい映画鑑賞システムを体験‼︎」に出席した。

【写真を見る】周防正行監督が「お客さんを選ばない映画」の実現に意欲。バリアフリーの未来を語った

本シンポジウムは、字幕をメガネ型端末(ヘッドマウントディスプレイ)に表示、音声ガイドをスマホアプリで提供するという最新システムを導入して『舞妓はレディ』をバリアフリー完全版で上映。映画業界が向かうべき未来を探るもの。周防監督の他、一般社団法人日本映画製作者連盟事務局長の華頂尚隆氏、ユニバーサルデザインアドバイザーの松森果林さんが登壇した。

両耳が不自由だという松森さんは、「日本の映画には字幕がないので、1年に1度見るか見ないかだった」とコメント。字幕付きの映画を見て、「京言葉や鹿児島弁など方言の面白さは聞こえないとなかなかわからないもの。字幕を見ることで、初めてその違いを知ることができた。三味線の音色や雨の音など、音の存在も確認することができた」と新鮮な経験に感激の面持ち。

華頂氏によると、バリアフリー上映は「現在は、指定された日時に指定された劇場に行かないとお楽しみいただけない」とのこと。新システムの導入によって、「いつでもどこでも鑑賞できる。閉塞的な環境が劇的に変わるポテンシャルがある」と期待する一方、「スマートフォンやタッチパネルを持ち込むことで、映画を盗撮することも可能になってしまう。システムの問題点を洗い出す調査を実施する」と課題点も明かしていた。

周防監督は「僕はずっと、お客さんを選ばない映画を作りたいと思っていた。本当の意味で“お客さんを選ばない映画”について考えさせてもらった」と告白。音声ガイド付きの映画を見て、「僕が作ったものなのに、音の感覚に集中していると違うイメージがわいてきた。これは驚きの発見。それだけあらゆるイメージの『舞妓はレディ』が生まれるということは感動的」と目を輝かせていた。

また「ミュージカルは字幕だと棒読みになってしまう。字幕が踊ったりキラキラしたりという楽しい表現ができたら」と松森さん。周防監督は「そのアイディアはすごい。短所もつかめたので、本当の意味での“お客さんを選ばない映画”の実現に向けて頑張りたい」と意欲満面。映画とバリアフリーの未来をひしひしと感じさせるシンポジウムとなった。【取材・文/成田おり枝】