『SとM (幻冬舎新書)』鹿島 茂 幻冬舎

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 宮沢洋一経済産業相の資金管理団体「宮沢会」が、SMバーに政治活動費を支出していたことに批判が集中しています。

 SMバーに支払われた"18230円"という金額から、インターネット上では「プレイ代だろ」とささやかれ、宮沢氏は記者がいる前で「私はそういう(SMの)趣味はない」と述べるなど、さながら羞恥プレイ状態。政治資金問題で辞任した小渕優子氏の後を受けて、今月21日に就任したばかりの宮沢氏ですが、ネット上では「Mなんですか?」「焦らしプレイの一種のつもりかも」「Mなら追及されるのも快感なのでは」との声まで飛び交い、大臣就任直後から「M認定」というありがたくないレッテルを貼られる始末です(その後、宮沢氏は地元秘書が店を利用し政治資金として処理したとことを認め、宮沢氏M疑惑はあっさりと否定された形です)。

 ところで、このような"ピンク色の不祥事"は宮沢氏に限ったことではありません。記憶に新しいのは民主党政権時代の2009年、江田五月参院議長、川端達夫文部科学相、直嶋正行経済産業相、松野頼久官房副長官、松本剛明衆院議院運営委員長(いずれも役職は当時)5議員の政治団体が、03〜07年分の政治資金収支報告書に、キャバクラ・スナックなどでの飲食代を政治活動費として計上していたことも問題に。

 なかでも支出が多かったのが江田氏の資金管理団体「全国江田五月会」で、利用した店には、女性従業員がナース服・チャイナドレスで接客する日や、下着の上にワイシャツ1枚だけ身にまとう日もあったといいます。さらに川端達夫文科相の政治団体「達友会」に至っては、05年7月に東京・新宿のニューハーフショーパブに、8万円を支出したことも判明。

 なお、このキャバクラ問題が浮上した09年当時、松野氏の代理人弁護士は「いかがわしい風俗店とは違い、打ち合わせの場所として活用している。不適切とは思わない」などと述べています。なかなか苦しい言い分ですが、その理屈がまかり通るなら、SMバーも不適切ではなくなる......ということになるのでしょうか? いやいや、さすがにそんなことはありません。SMバーのプレイ代を政治資金で、なんてことがまかり通るなら、血税を払っている国民とすればたまったものじゃありません。

 ただ、そうなると、キャバクラはいかがわしくなく、SMバーはいかがわしい店、と線引きしてしまうのは、はたしてフェアなのでしょうか。たしかに一般認識としては、両者に隔たりはありそうですが、それはSM愛好家に対する偏見になるのかもしれません。

 フランス文学研究者・鹿島茂さんの語り下ろしによる、書籍『SとM』によれば、日本はアジアでも屈指の"SM先進国"で、かのサド侯爵を生んだフランス並みにSM文化が発展している国だそうです。本書の中では、西洋では主に"鞭"で苦痛を与えるのに対し、日本では"縄"で自由を奪うことなどを挙げ、日本独特のSM文化を徹底解説。この機会に、よくわからないSMのことを知るべく、一読してみてはいかがでしょうか。