格安SIMが使えなくても解約金1万円!?格安SIMで余計な出費を防ぐために注意すべき4項目

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10月21日、KDDI(au)回線網が唯一使える格安SIM「mineo(マイネオ)」にて、「iOS 8」、「iOS 8.1」で利用できないという発表が行われた。
発表の内容は、iPhone 6などに搭載される「iOS 8」や、日本時間10月21日より配信開始された「iOS 8.1」にて「mineo」の回線が利用できないというもの。もっと厳密に言うと、iOS 8やiOS 8.1が搭載されたSIMフリー版やau向けiPhoneやiPadに「mineo」のSIMを入れてもデータ通信できないということだ。

「iOS 8」で使えないことに関しては、技術的な問題もはらんでいるため、仕方のないことでもあるが、今回ネット上で話題となっているのはユーザーへの対応である。

当然ながらSIMフリー版iPhoneやiPadに、格安SIM「mineo(マイネオ)」を入れて使いたいというユーザーが居ると想定される。しかし、「mineo」を運営するケイ・オプティコム側では最低利用期間内の解約においては、iOS 8で使えないことが原因であったとして解約清算金9,500円(税抜き)が発生するとアナウンスしていることだ。筆者が同社へ問い合わせた結果も同様の内容であった。※10月21日現在

ただ、ケイ・オプティコム社の解答は、契約上では問題ない対応であることは間違いない。しかし、SIMフリー版やau版iPhoneで使えるということで契約した利用者にとって、iOSのアップデートを行ったら使えなくなりましたというのは、心情的に納得できない面もあるだろう。
現在、同社サービスのホームページ上には「iOS 8にはアップデートしないように、と注意書きが掲載されている。

今回の件は、利用者、サービス提供社の双方にとって不幸な出来事といえる。
あらかじめ、いくつかの事実が判明していたり、理解していたりすれば、両者にとって苦い思いをしないですんだかもしれない。

そこで、格安SIMの契約で、こうしたトラブルに巻き込まれないためのポイントをもう一度確認してみたい。

●格安SIMを契約するときにチェックしたい4つの項目
原則として店頭で契約するNTTドコモなどのキャリアの通信契約や、一部リアル店舗で契約する格安SIMとは違い、大半の格安SIMは、ネット上で契約済ませてしまう
ここで気をつけないといけないのが、受付スタッフ(人)の手によって契約期間や解約料の説明を受けられないということだ。

店頭での契約であれば、対応するスタッフにもよるが、注意箇所に蛍光ペンでラインを引いてくれるなど、リスクとなる点を指摘してくれる。しかしネット契約では、人による対応のように購入する人が契約書を読み、本当に理解したか念を押して確認することはない。「契約」をクリックしたら注意事項を読み、合意したこととなるのである。
注意事項や約款を、丹念に良く読む、印刷するなどの習慣があれば良いが、そうではないユーザーのほうが遙かに多い。そして確認漏れが、不幸にも被害となったとき、初めて後悔を味わうのである。だろう。

そこで、契約時に最低限、これだけは注意しておきたい4項目を確認するようにしよう。

・対応モデルや対応OS
格安SIMのホームページには原則として、どのOS、どの機種が提供しているサービスに対応しているのかを後悔している。「対応機種」や「対応OS」の一覧というのがソレだ。
契約前には必ず、SIMを入れたいスマートフォンやタブレットの名前が、対応リストに入っているのかチェックしよう。


「mineo」の機種対応表はiPhoneもあるがiOS 8はデータ通信部が「×」となっている


さらに忘れがちなのがコレ 「対応OS(バージョン)」だ。対応リストに機種名があったとしても、OSが非対応では意味が無い。
「mineo」での事例は、まさにここだ。
iPhoneの記載はあるが、実際にはiOS 7は対応可で、iOS 8は非対応という結果になったパターンだ。
したがって、契約前に必ずバージョン込みの対応OSのチェックは怠らないようにしよう。


「OCN モバイル ONE」の機種対応表も対応するかどうか非常に細かく記載されている


・勘違い、オーダー間違えしやすい使うSIMのサイズ
格安SIMには3種類のSIMサイズが存在する。
・主に少し前のスマートフォンに利用する「通常サイズSIM」
・Androidスマートフォンにてメインで使われている「microSIM」
・iPhoneや一部のAndroidスマートフォンで使われている「nanoSIM」
この3種類である。

SIMを間違えて発注してしまうと、スマートフォンのSIMスロットに差し込むことができない。すぐに交換手数料(大半が3,000円程度)がかかるSIM交換の手続きが必要となってしまう。無駄な出費を抑えるためにも、必要なSIMはどのサイズなのかしっかり把握しておこう。

・格安SIMにもあるの?最低利用期間に注意
格安SIMは、キャリア契約と違い、最低利用期間が無いと思ってはいないだろうか?
たしかに短期解約でもユーザーにデメリットが発生しないように、最低利用期間を設けない格安SIMも多い。しかし、最近では最低利用期間を設けている格安SIMもあることは覚えておこう。
冒頭で述べた「mineo」では最低利用期間12カ月、それ未満の解約では解約清算金として9,500円(税抜き)が発生する。

また、BIGLOBEの格安SIM「BIGLOBE LTE・3G」のデータ専用プランでは最低利用期間は無いが、通話のできる音声契約では最低利用期間を12カ月としている。
同じ格安SIMでもサービス内容によって最低利用期間を設けていることがあるので、注意したい。

・解約金の金額
最低利用期間が存在する、かつ解約金も発生するプランの場合、当然ながら解約金(解約手数料、解約精算金など)の金額もチェックしたい。たとえば1年(12カ月)以内に解約する可能性があるうえで、解約金が3,000円なのと10,000円近い金額なのとは、おサイフにも気持ち(ストレス)にも、も大きな差がある。

●お試しには、プリペイドも便利
「試しに使ってみたい」、もしくは「解約する可能性がある」場合は、
・「最低利用期間が無い」
・「最低利用期間があっても解約金が安価」
こうした格安SIMを選択するか、最近提供が増えつつある、OCNなどで提供しているような使い切りの「プリペイドデータSIM」を選択するとよいだろう。

ちなみに、iOS 8にアップデートしたiPhoneや、iPhone 6やiPad Air 2などをau回線網にて安価に使いたい場合には、先日発表され、11月4日より提供される「LTEデータプリペイド」も検討してみても良いだろう。31日間または1GB使い切るまで1,500円(税抜き)で使うことができ、au取扱店舗または、auのWebサイトから申し込むことができる。

プリペイド方式で手軽にタブレットが利用できる新料金サービス「LTEデータプリペイド」の提供開始について|KDDI
【重要】 iOS 8およびiOS 8.1での利用不可のお知らせ|mineo


布施 繁樹