”ロミオ”・ラージクマール

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今回のテーマは、インド発エンターテイメント!現在、日本に続々とやってきているインド発のエンターテイメントを大特集します。最近、日本で何本ものインド映画が一般公開されているのをご存知でしょうか?世界一の映画大国とも称されるインドからやってくる映画は多種多彩。歌と踊り満載のエンターテイメント作から、心温まるヒューマンドラマも続々公開されています。

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自分がこの夏劇場で見てガツンと来たのが『ダバング大胆不敵』。ともかく型破りだけれど情には厚い警官”ロビンフッド”・パンデーの大活劇!主演のサルマン・カーンの魅力もさることながら、爽快感と破天荒さに満ちたアクションシーンも最高なんです。ヒロイン役のソーナクシー・シンハーも素晴らしい美女だったし、上映中にクラッカーも手拍子もダンスも何でもアリ!の“マサラ上映”で見れたのも印象深かったですね。

その後、動画サイトでも人気のNTRJr.が主演する『バードシャー テルグの皇帝』を劇場で見たり、サルマン・カーンのヒット作『タイガー 伝説のスパイ』やハエに転生した男が復讐を果たす怪作『マッキー』をDVDで鑑賞などなど、インド映画にハマりまくってしまいました。

インド映画=ボリウッドというわけではなく、国中でいろいろな言語の映画が制作されていることも知りました。90年代にインド映画ブームを巻き起こした『ムトゥ 踊るマハラジャ』(劇場で3回見ました!)は北部のボリウッド映画(言語はヒンディー語)ではなく、南部のタミル語映画だと今更学んだり…。

そしてこちらは未見なのですが、かなり評判が高いので気になっていたのが『バルフィ!人生に唄えば』。話すことができないけれど愛と魅力にあふれた主人公、バルフィを演じるランビール・カプールの演技が評判になっているよう。インド映画といえば歌と踊りの娯楽作のイメージが強いですが、かなりいろいろなタイプの映画がやってきているんです。

そんな折、東京、大阪、そして群馬県の高崎でインディアン・フィルム・フェスティバル・ジャパン(通称IFFJ)が開催されるとの情報をキャッチ!2012年から開催されているこの映画祭、日本未公開のインド映画が次から次に見れるというファン垂涎のイベントとか…。これは潜入するしかない!

鑑賞を予定していたのが、『ダバング大胆不敵』のヒロイン、ソーナクシー・シンハーと悪役なのに大人気のソーヌー・スードが出演するアクション作『”ロミオ”・ラージクマール』。圧倒的なアクション・エンターテイメントには大期待!

そして、『バルフィ』の主役、ランビール・カプールがしゃべりまくり踊りまくりという『若さは向こうみず』も気になります。2013年5月1週の全米映画ランキングで9位に入ったという人気作で、劇中の『Badtameez Dil』はラテンテイスト×インド風味にダンスがヤバい!

まずはIFFJ東京の会場、ヒューマントラストシネマ渋谷に到着。昼過ぎからの『若さは向こう見ず』を鑑賞しようとチケット売り場に向かいました。
「『若さは向こうみず』大人一枚お願いします。」
「すみません、満員でお断りしているんです。」
「え、あの…一枚もないんですか?!」
「はい、次回上映が水曜日になりますので、そちらであれば…。」

なんということでしょう!まさか売り切れとは…。劇場の公式ツイッターを見てみると、なんと朝の時点で『若さは向こうみず』のチケットは売り切れていたよう。こ、これはすごい人気…。

出遅れは厳禁のIFFJ、今のうちに夜の部「ロミオ・ラージクマール」のチケットをゲット。公開から5時間以上前ですが、その時点で席は残りわずか。最前列や後方の端しか残っていない状態です。

ここで、劇場のロビーにいらしたIFFJ主催のスレッシュ・ターティさんにご挨拶。少しだけお話を伺ってみました。スラッと背の高い知的なターティさん、映画祭について、日本語に英語を交えながらご説明くださいました。

――いやはや、すごい人気ですね…。満員で見られないなんて!

ターティ「そうですね!実は私も前売りチケットがないので、この回は見られないんですよ(笑)。チケットを予約してない方以外は、申し訳ないですがお断りしています。」

――IFFJ、大人気ですね。

ターティ「あターティ「ありがとうございます。まだまだ小さな映画祭で、budget(予算・資金)も多くないから、あまり広報できてないです。でも、インターネット上で色々な方が情報を広げてくださっています。すごくうれしいことですね。」

――お客さんはだんだん増えているんでしょうか?

ターティ「まだ開催して3年目ですが、最初の年からフルハウスになっていましたよ。でも、さらにお客さんが増えましたね。」

――今、かなりたくさんのインド映画が日本でも公開されるようになっていますね。

ターティ「以前は、日本で公開されるインド映画はそれほど多くなかったですね。一本ずつ日本に来るぐらいで、私が関わる映画も、多くありませんでした。でも、今はたくさんの映画がやってきますね。かなり多くのインド映画に関わっています。」

――これから、IFFJは高崎と大阪で開催されます。

ターティ「高崎で開催するのは今年が初めてなんです。周りの方が、「いい映画館だよ」といって勧めてくださったので、高崎でも開催することになりました。」

――インド映画の人気が、これからさらに高まりそうですね。

ターティ「こうやって映画祭を開催することで、ファンの方が喜んでくれる。ファンの方が口コミで広げてくれることで、日本でのインド映画の人気が高まる。そうすれば、もっとこの映画祭を大きくすることができる…。みんなにとって良い方向に進めばいいと思っています。」

――IFFJ、これからも楽しみにしています!

ターティ「Thank you!楽しんでください!」

他にも、おすすめ映画をいろいろと挙げてくださって、その中でも今回IFFJで公開になったスリランカ映画を「こういう機会がないと、なかなかスリランカやパキスタンの映画は日本で公開されないんです。インド映画祭というチャンスに、いろいろな国の映画を紹介したいんですよ」と語ってくれたターティさん。アツい映画愛を感じました!

というわけで、代々木公園の九州物産展を巡るなどして5時間待った後に、やっと見れました、「”ロミオ”・ラージクマール」。主演のシャーヒド・カプールは小柄ながらも甘く爽やかなマスクでインド映画ファンの注目度は高いよう。マフィアはびこる街にやってきた一人の流れ者、己の才覚でのしあがっていくが、同時に一目ぼれしたヒロインへの愛も強く…。次から次の超絶アクションに意外な展開、そしてしっかりコメディーパートもあって、まさしくインド娯楽作!

いや、本当に主演のシャーヒド・カプールのアクションとダンス、すごいんですよ。ちょっと小柄で童顔で、それでも敵を蹴散らす姿は、個人的には若き日のジャッキー・チェンを思い出しました。80年代の持っていた滅多矢鱈なエネルギーを感じさせてくれます。悪役のソーヌー・スードも安定のマッチョ悪人ぶりで最高。ヒロイン、ソーナークシーの怒り顔も至高…。かなりお腹いっぱいになって帰宅したのでした。

帰宅後、IFFJパンフレットやネットで色々と勉強してみると、どうやら、少しスタイリッシュに寄っていた北のボリウッド映画が、南のタミル映画のようなテイストの作品を増やすことでヒットに繋げた、という流れがあるようです。多言語・多文化国家のインドは、一国の中で様々な文化の交流があるというのが非常に興味深い。うーん、ハマって数か月の自分は知らないことだらけ。本当に奥深いですね…。

さてさて、次にご紹介するのが、横浜は山下公園で開催された「ディワリ・イン・ヨコハマ」。2012年にもレポートしたこのイベント、インドの光のお祭りを、横浜で開催しているんです。

今回もまずはフードブースに並びましょう。千歳烏山のKABIRブースではビリヤニ(ピラフ)とチキンタカタク(煮込み)を頂きます!外国人の奥さんに「どこで買ったの?美味しそう!」とほめられました(笑)。確かに両方うまいっ!西葛西の名店カルカッタブースではブレッドポコラ(揚げパン)をいただいて、いやはや、満喫です。天気もいいし、最高のフェス日和です。

インド系フェスで忘れてはいけないのが、ボリウッドダンスステージですね。メインステージとセカンドステージの二か所に分かれて、いろいろなグループが次から次に絢爛豪華にダンス&ダンス!

インド映画のマサラ上映ではよくお見かけする有名ダンサーさんAngelaさんのステージを見れたの大満足でした。ふくよかな体格で、バッキバキにダンスしまくるのが最高なんですこの方。セカンドステージでは外国人の子どもがステージ前で凝視してたのがヨコハマらしいですね〜。

会場にはこちらもインド映画上映の際にはおなじみのゆるキャラ、ナン子ちゃんがいたり、スパイスを格安で売っていたり、インド本国では去年公開された「ダバング2」のDVDを購入したり。日本語字幕はないんですが、英語字幕でなんとか理解できるかな…。

ダバング2のDVDを買ったら、お店のご主人が「ダバング1見ました?」と、ニコニコ。以前もカレー屋さんで、ダバングのTシャツを着てたら店員さんに「それ、どこで買ったの?」と聞かれたことがあります(笑)。インド人男性にすごく人気がある作品なんですよ。楽しかったディワリ・イン・ヨコハマ、ホクホクで帰途についたのでした。


さて、ここでレポートを終わってしまってもよかったのですが、自分の中には一つ心残りが。渋谷で見られなかった『若さは向こうみず』が見てみたい!東京での二回目の上映も、平日昼間にもかかわらず満員御礼だったよう。さらに大阪での上映も満員だったとのこと。期待に胸が膨らみます。

逆に、見なかったら後悔するかもしれない?!というわけで、3時間近くかけて行ってきましたシネマテークたかさき!高崎駅前でよさこいイベントをやっていてちょっとびっくりしました(笑)。

会場のシネマテークたかさきは、こぢんまりとしながらも綺麗なミニシアター。かなり快適に鑑賞することが出来ました。そして、長い時間をかけて見に来る価値があった!この『若さは向こうみず』は、高校時代の同窓生が大学生になってから再会。恋に落ちるも離れ離れになり、そして8年後また再会して…というストーリー。所々のエピソードは映画らしくドラマチックですが、我々日本人にも非常に理解しやすいストーリーだと思います。

自分が愛してやまない『ダバング』や『ムトゥ』、そしてIFFJの一作目に見た『ラージクマール』はそれぞれ超人的な力を持った主人公の物語です。いや、それぞれに人間らしいところもたくさんあるんですが、まずアクションがものすごい超人的なんですよね(笑)。

でも、この『若さは向こうみず』の主人公バニーはちょっとチャラくて、でも自分なりの夢を追う若者。ヒロインのナイナは勉強漬け、マジメ一辺倒の自分を変えたい医学生。二人の親友もいいキャラしてるし、登場人物みんなに親近感が持てるんですよ。

さらにこのストーリーが学生時代と社会人時代では視点を変えて、そしてリアルに年齢を重ねた姿が描かれるのが、うーん、とてもよかったです。自分がどんな人生を選ぶのか?どんなパートナーを選ぶのか?家族とはどうやって離れるのか?現代日本に生きる我々にも相通じるテーマを、しっかりと、ファンタジックになりすぎることなく、それでいて極彩色の音楽とダンスで彩って描いてくれるんです。この映画、インド映画ファンでなくてもオススメですよ!一般公開早く!

いやはや、もっと語りたいことがたくさんあるんです。ヒロイン役のディーピカ・パードゥコーンがほんっとーにカワイイ!表情豊かだし、大学生時代と社会人時代の演じ分けも見事です。それに主演のランビール・カプールもたまらない魅力がありますね。大仰なヒーローではなく、軽さを持ちながらもキメるところはしっかりキメる感じ、最高です。親友、アディティの選んだ結婚相手もいいキャラだし、バニーの父親とのエピソードも泣ける…。うーむ、たくさんの人に見てほしい!

いかがだったでしょうか、IFFJ&ディワリ・イン・ヨコハマレポート。日本に到来しつつある、インド発エンターテイメントを少しでも感じていただければ幸いです。今月末の東京国際映画祭では、日本でも大ヒットした『きっとうまくいく』の主演、アーミル・カーンが初来日して新作『チェイス!』を特別公開します。同時進行でヒューマントラストシネマ渋谷ではボリウッドフェスを開催。シャールク×ディーピカの大ヒット作『チェンナイエクスプレス』はチェックしたいところ。

そして10月25日には東京随一のインド人コミュニティのある西葛西でもディワリフェスタを開催するそう。いやはや、楽しみなことがいっぱいのインド発エンターテイメント。みなさんも是非、体験してみては?