板東さんや矢口さんの復帰に「厳しい声」を書き込む人たちはどんな人たちだと思う?
フジテレビ出身のフリーアナウンサー長谷川豊氏がおしトピで気になるニュースを質問!集まった意見をもとにそのニュースの本質を分析します。
第3回のお題は「板東さんや矢口さんの復帰に『厳しい声』を書き込む人たちはどんな人たちだと思う?」です。長谷川豊氏はこの騒動をどう見ているのでしょうか。

-------
3回目となる連載、皆さま、いつもたくさんのご意見、本当にありがとうございます。
今回も多数のご意見を頂きましたので、整理してみました。

今回のテーマが
「板東さんや矢口さんの復帰に『厳しい声』を書き込む人たちはどんな人たちだと思う?」
というものでした。10月13日時点での集計結果はご覧の通りです。

■「叩くのが目的だけの寂しい人・暇な人・ストレスをぶちまけたい人」など、ネガティブなご意見→23人

【代表的ご意見】

・暇人なんだろうね(makiyanさん)
・周囲の上手く行ってる人を貶めたり足を引っ張ることで、自分が優位に立っていると思いたい人。実際には相変わらず人の批判に明け暮れている、何も変わらない自分がいるだけなのに。こういう人が近場にいると足を引っ張って来たり、当て付けと思えるような言動でわざと不快にさせたりかき乱してくるので要注意。(gor0guitarさん)
・単なるクレーマー的な人。 批判を楽しんでいるんでは無いでしょうか。(浅井長政さん)
・何を言っても、自分には被害が及ばない事を前提に、日頃の鬱憤を晴らしている暇な人達。(あねのでびるさん)
2ちゃんねると同じでしょう。普段表に出さないどす黒い感情やストレスを匿名という隠れ蓑を使ってぶちまけてる連中です。ただ被害を受けてないわけではないです。私も不快だと感じればチャンネルを変えますしなんとなく時間や楽しみを無駄にした気持になります。娯楽なんだから気分がマイナスになればそれはやはり被害とも言えるでしょう。だからといって悪質なクレーマーのようなことは許されませんが。(ろこめっとさん)

■「普通の人だと思う」→17人

【代表的ご意見】

・常識的な一般人。(mayutonさん)
・人のふんどしで相撲をとり、いい気になって高ぶって、わがままし放題して、失敗してお金が無くなったら、また簡単に稼いだらしまい、っと思っている彼らを批判する人は、彼らの甘い考えに怒っている人達で、しゃくにさわっているからです。普通に一生懸命努力して生きている人達です。(51野郎さん)
・厳しい声? どこが厳しいの? 世間一般ではこのような処分なのに 芸能界はオカシイから。 それを言ってるだけ。(ちーちゃちーちゃさん)
・すみません。お二人とも、「一般常識」「モラル」が欠如した行為を行い、その後の対応もズレまくっていると感じる。私も、芸能界復帰には、疑問があります。厳しい意見を書き込む。これも、言論の自由ではないかと。この質問も、自由に質問を投稿できているし…。(ともべーさん)

■ただ御意見のみの方 →18人
■「とにかく人に厳しい人だと思う」→3人

という結果でした。他にも、

・同業者!(原つる徳さん)
・芸能人を差別している人達ですね。(ちろのおかあさんさん)

という、ほーって言うご意見もありました。本当にありがとうございました。

僕、絶対に書き込みとかしない人間なんですよね。インターネットにもあんまり詳しくないし、いまだにツイッターとかも出来ないし。昔、2ちゃんねるとかが結構流行ってたと思うんです。というか、流行ってるかは分からないんですが、話題になってた時、少しだけ書き込みを見て、あまりにも品の無い罵詈雑言が多すぎ、辟易としたという理由でそんな書き込みも見なくなってたんですよね。

でも、最近、TwitterやFacebookは世界中の人が使ってますよね。「ネット上に意見を発信する」っていう行為が、昔と比べて、本当にハードルが低くなってると思うんです。今回のアンケートでも、17人の方が
「いや、普通の人でしょ」
と答えてるのもうなずけるんですよね。もちろん、23人の方がやはり「2ちゃんねる的なもの」とおっしゃってるのも当たっていると思います。いつの時代にもそういう「ただのはけ口」を探している人って少なくないと思うんです。そう考えると、

「昔の2ちゃんねるに下品な書き込みをしていた人間『ばかり』」

と捉えるのは危険な気がします。僕がそう考えたのは2011年に起きた古巣、フジテレビ前のデモ行進がきっかけとなっています。

正直に言います。

テレビマンたち、とくに僕らキー局の人間(正社員たち)はネット上に色んな書き込みをしている人たちをとても

見下しています。これは現在もです。

あぁ、社会不適合者ね。
あぁ、ネットの「住民」ね。
ニート、ニート。

皆さんも聞いたことあると思いますが、ネットの「住民」という言葉。実はこれ程差別的目線で作られた言葉はありません。ネットに書き込んでいる人は「ネットに書き込んでいる」人であって、そこに「住んでいる」訳ではありません。そんなことを言いはじめたら、僕らアナウンサーは「マイクの前の住民」だし、「ディレクター陣」は「編集機の前の住民」になっちゃいます。
僕は関西出身だからでしょうが、この「住民」という蔑視的な物言いがとても嫌いです。関西って昔から住んでる地域によって人を差別する問題が根深くあったんです。なので東京に出てきて、東京に住んでいる人たちが平気な顔をして、人を「住んでいる地域によって蔑視する」文化がとてもなじめないものでした。

東京に住んでいるごく一部の人の中には「田舎出身」の人を軽んじる発言をしたり、「関西出身」というだけで「関西のノリ、嫌いなんだよね」と何の前触れもなく嫌ったり、見下したりする人がいました。特に東北地方の人は方言がきつかったりするので、僕の友人が
「福島出身です」
といった瞬間に
「福島だべさ〜(大笑い)」
と言ってバカにしている人間もいました。完全に「住んでいる場所」だけで、蔑視している下品な笑いでした。

「ネットの住民」

とキー局に勤める人間が、ネットの書き込みを見て見下す発言をしている中にも、どこかそんな、「ネットに書き込んでいる人を見下している」感覚があるのではないかと感じていました。

2011年。

フジテレビの前で大規模なデモが起きました。集まった大半はいわゆる「ネットの住民」だったそうです。で、あるフジテレビの局員はそのデモに…

身分を隠して参加してました。

本当です。あのデモ隊の中に、フジテレビ社員がいたのです。そして、ある程度の所で、彼はそのデモから抜け出し、フジテレビの中に戻り、笑いながら周囲に言っていました。
「案の定、キ●ガイばっかだったよ(大笑)」
「キ●ガイ」と言う単語はそもそも放送禁止用語です。きわめて失礼な言葉です。僕はその当時、アメリカNYに赴任していたので、一時帰国の時にその話を聞きました。結局、フジテレビはそのデモの様子を一切ニュースで扱う事もなく、無視した、と聞きました。キー局の周りに、何千人と言うデモ隊が来たにもかかわらず、取り上げなかった、と。

ネットに書き込んでる「ネットの住民」など相手にする価値はない

そう言わんばかりの扱いでした。しかし、その後、事態は思わぬ方向へ展開します。
韓流のごり押しに反対するネットを中心とした声は拡大の一途をたどり、ついにはフジテレビに対し多額の広告費を支払っている大手のスポンサーへとその攻撃対象は移っていきました。

フジテレビは無視できなくなりました。

現在、フジテレビ上では、あれだけゴリ押ししまくっていた韓流の放送はほぼ皆無となり、また大きくイメージを傷つけられたフジテレビは、テレビ朝日にあっさりと抜き去られ、現在、視聴率3位と苦しんでいます。経営規模や営業成績から言って、テレビ朝日の後塵を拝するわけのない規模のフジテレビが、テレビ朝日さんに完全に勝てない状態が続いています。僕は、あのデモ行進を…反韓流騒動を

ネットの声が大メディアに勝利した、歴史的な事態

だと捉えています。その最初の事例として、語り継がれるものだろうと。
ネットの声の中には、確かにまだ見るに堪えないものも少なくありません。読む必要もないものも少なくないでしょう。
でも、御意見にもあるとおり、本当に「普通の人」が「怒りとともに」懸命に発信している「真剣な声」ってものがあります。叩きゃあいい、罵詈雑言を並べればいい、そういった声も少なくないので、それはさすがに無視しててもいいとは思うんですが、本気で発信しようとしている声を無視していると、これからは手痛いしっぺ返しを食らう時代ではないかと思います。だって、その声は「普通の人が普通に感じた気持ち」なのだから。

板東さんはその声をしっかりと受け止めたので、足を使って営業活動をし、あの栄光を一度地に戻し、MXの番組から再スタートしているのです。日テレのバラエティー番組としてはいまだに破られていない最高視聴率40%をマークした「マジカル頭脳パワー」の司会者が、です。
矢口さんの復帰が取りざたされていますが、もし矢口さんがこのまま大したけじめ一つ付けずに、何食わぬ顔であっさり戻ってきてしまった場合、恐らくかなりの批判の声が上がるでしょう。果たして、復帰するのか、復帰する場合、どのような形で復帰するのか、実は僕はけっこう注目して見ているのです。

なので、今回のオーダーに関しては、「りんご星」さんのコメントにある
「一つは、家にこもりがちの世の中面白くないと思っている人達。 自分が正しくて、周りが間違ってると思い込んでる世界の狭い人。 もう一つは、復帰を望んでいない人達」。
というご意見が僕の意見に一番近いと思います。
たくさんのご意見、ありがとうございました!

長谷川豊(Hasegawa Yutaka)