H-LABを立ち上げた小林亮介氏(右)と国際コラムニストの加藤嘉一氏(左)。高校生の進路指導やキャリア教育に問題意識を感じ、「だったら、自分に何ができるんだ」と考えて、ゼロから作り上げていったのがH-LABだ  Photo by Kazutoshi Sumitomo

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日本の高校生への進路指導やキャリア教育は、ものすごく限られたリソースのなかで行われているのではないか――。自らの高校時代の留学体験とハーバード大学での5年間の学生生活で得たさまざまなインスピレーションを糧として、日本の高校生に対する進路指導とキャリア教育を変えるべく、ハーバード大学の学生だった小林亮介氏が中心となって立ち上げたH-LAB(エイチラボ)。一時、ハーバード大学唯一の日本人学部生として注目された人物だが、今年6月、晴れて卒業し、日本に帰国して学生時代から取り組むH-LABを本格的に拡大すべく動き出している。国際コラムニストとして活躍する加藤嘉一氏は、7月まで同じくハーバード大学でフェローとして2年間在籍しており二人は現地でも交流があった。加藤氏は小林氏を、自らの行動規範である「だったら、お前がやれ(DOY)」(意味:当事者意識をもって、自らの行動を起こす)を実践する希有な学生として注目していたという。DOY精神を共有する二人に、H-LABや日本のキャリア教育について、語ってもらった。(取材・構成/ダイヤモンド・オンライン編集部 片田江康男)

「だったら、オレは何ができるんだ」
って考えて動き出したのがH-LABです

加藤 久しぶりだね。改めて卒業おめでとう。小林君のハーバード生活における最後の2年間をご一緒させていただいたわけだけど、「H-LAB」(エイチラボ)はとても面白いプロジェクトだなと思っていました。実際に去年、ゲストスピーカーとして小布施(長野県上高井郡小布施町)のサマースクール(小布施×サマースクール by H-LAB)に参加させてもらって、とっても有意義なイベントだと実感しました。

小林 「H-LAB」の“H”は高校生(High school)を対象にしているということ、モデルとするリベラルアーツ教育の中核である「寮」(House)生活を再現し、教育における人的交流のハブ(Hub)となることなど、さまざまな意味合いを込めています。もちろん、一緒にサマースクールを作り、教えたのがハーバード大学(Harvard)の学友だったこともありましたが。

 そして“LAB”はコンセプトとして掲げている「リベラルアーツ・ビヨンド・ボーダーズ」の頭文字です。大学間、学部間、世代間、国境……、高校生を取り巻くこれらの壁を越えていくような交流を促す「箱」がH-LABです。今年も長野県の小布施町、東京、徳島県の牟岐町でサマースクールを行いました。

 サマースクールでは日米の学生によって教えられる少人数ゼミや、第一線で活躍する社会人の方の講演などや、多くの分野からゲストを招いて車座で雑談する「フリーインタラクション」など、さまざまなプログラムを運営しています。また、ハーバード大学をはじめ世界各地で学ぶ現役の学生との交流もあり、参加した高校生は、高校のキャリア教育や進路指導では得られない刺激を持って帰れるように工夫しています。

 H-LABの活動を続けることによって、これまで高校内で完結していたキャリア教育や進路指導を、より広いコミュニティの中で行うモデルへと変えていきたい。そんな「教育の実験室(LAB)」になってくれれば、という想いも込めています。

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