大長伸吉氏
東京五輪決定、新駅発表などを機に、湾岸エリアを筆頭に東京の地価はますます上昇中。投資家はもちろんのこと、市井のサラリーマンも不動産市場に熱視線を送る昨今である。そこで今回は、“サラリーマン大家”に直撃。これから注目すべきメソッドを聞いてみた。

◆不人気なクズ土地を格安購入&長屋式アパート経営で大成功

 会社勤めのかたわら不動産投資を続けた大長伸吉氏は、今や都内を中心に4棟21室のアパートを運営するまでに至った。現在は脱サラ、専業大家として活躍している。

「初めて投資用の新築ワンルームマンションを購入したのは14年前ですかね。会社が経営難でリストラを断行して、多くの社員がクビになりましたよ。と同時に“いつか自分も”と不安に怯えるようになって。それで区分投資を始めたんです。まあ、思ったほどの利益にはなりませんでしたけどね」

 その後、中古物件を中心にローン購入しながら、大長氏は投資ノウハウを学んでいく。そこで辿り着いたのが「クズ土地」を利用した長屋式アパート経営だ。クズ土地とは、前面道路から接道(路地)へ入った先の敷地が広くなっている形状の「路地状敷地」のこと。

「奥まった場所にあるクズ土地は人気がありません。そのため同じ地域の整形地と比べると安価で土地を購入でき、4割近く安くなることも。にもかかわらず賃貸なら整形地の物件と家賃は変わらない。立地を気にする入居者は多いですが、クズ土地かどうかを気にする人はいない。コストを抑えられる分、クズ土地は賃貸経営向きですよ」

◆’15年の相続税制改正でクズ土地が溢れ出る

 ただし、接道幅が2mを切ると法律上、建設不可物件になる。また、クズ土地ならなんでもいいわけではない。

「入居者が集まりやすい地域として、まずは東京、渋谷、新宿から電車で30分圏内、駅から徒歩7分以内にあるクズ土地を探してください。23区なら駅から徒歩10分圏内でも構いません。で、基本は更地を探します。古家つき物件だと解体費用が高くつきますからね」

 だがクズ土地を見つけるのは難しい。

「3か月に1件ペースですかね。それくらいレア。ただ、今年の秋頃から売りに出されるクズ土地が増えるかもしれません。というのも、来年1月に相続税制度が改正されるからです。この改正でこれまで以上に税金を取られる富裕層が増えてきます。特に地主は高齢者が多いですから、これを契機に、税金を払っているだけのクズ土地を手放そうという人はどんどん出てくるでしょう」

 土地の目星がついたら、いざ長屋の建設だ。

「予算は大体3000万円前後。1棟4室の2階建て長屋式アパートを建てましょう。入居者ですが、共働きで子供のいない夫婦や社会人カップルを狙います。長期入居が望めますし、家賃滞納が少ないというのもありますが、実は世の中の90%以上の物件が、ファミリー向けか単身者用なんです。つまり、2人用の物件自体が需要に反して市場が極端に小さいということ。ライバルが少なく、しかも都心で新築。もう、空室の心配なんてほとんどいりませんよね」

<サラリーマン大家 成功の秘訣>
●解体すべき上物がない格安のクズ土地を探せ
●都心部通勤圏内で賃貸アパート経営
●需要に反して物件がない「カップル向け」で勝負

【大長伸吉氏】
42歳、専業大家。「サラリーマン大家サポーターズ」代表。著書に『サラリーマン大家の「クズ土地」アパート経営術』(日本実業出版社)など。http://nenkinooya.com

― サラリーマンが大家になって稼ぐ技術【5】 ―