「子供が大好きなポテトチップスにも、発がん性物質が含まれている」ーー10月3日の内閣府食品安全委員会の発表を受けて、こんな衝撃のニュースが報じられた。同委員会が「次世代にも影響しうる発がん性物質」と指摘したのは、化学物質の「アクリルアミド」。

農林水産省によると、アクリルアミドとは炭水化物を多く含む食材を高温で加熱調理したときに生じる物質。ポテトチップス、フライドポテトなどジャガイモを高温で揚げたものや、ビスケット、クッキーなど穀類を原材料とする焼き菓子などに多く含まれるという。

しかし、発がん性物質が含まれているのは、ポテトチップスなど特定の菓子類だけではない。スーパーやコンビニなどで販売されている弁当やおにぎり、サンドイッチ、清涼飲料水なども要注意。その理由は食品添加物にある。

「厚生労働省が使用を認めている添加物でも、毒性が強く、発がん性物質を含むものがあります。子供が好きなガムやあめなどのお菓子類、飲食店の料理に使われていることも。最低でもそういった危険なものは避けるべきです」

そう注意を促すのは科学ジャーナリストの渡辺雄二さん。食品添加物に関する著書も多く、実際の商品に使用されている添加物を調べた『お菓子の危険度調べました』(三才ブックス)は、買い物に役立つとの評価を得ている。そこで、渡辺さんにとくに危険と思われる、発がん性のある食品添加物8種を挙げてもらった。

【亜硝酸Na】食品例・明太子、タラコ、ハム、ウインナソーセージなど
食品の色の黒ずみを防ぐため、発色剤として使用されている添加物。毒性が強く、厚生労働省で使用量を制限している。ただし、規定量内であっても、魚卵、食肉などに多く含まれる「アミン」という成分に反応し、発がん性物質に変化することも。

【合成甘味料(アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムK)】食品例・ガム、あめ、ゼリー、チョコレートなどの菓子類、清涼飲料水など
人工的に甘味をつけるために使われるもの。カロリーがゼロ、もしくは少量しかないので、ダイエットや健康志向の飲み物、菓子類に使われることが多い。アスパルテームは、脳腫瘍や白血病の原因となる可能性があると研究者から指摘されている。スクラロース、アセスルファムKは肝臓や腎臓に悪影響が。

【タール色素】食品例・福神漬け、紅しょうが、菓子パン、清涼飲料水など
合成着色料。赤色2号、青色2号などの名称で表記されており、全部で12品目ある。食品のほか、口紅などの化粧品に使われることも。自然界にはない化学合成物質で、発がん性のあるものが多く、胎児に悪影響を及ぼす危険性もある。

【カラメル色素】食品例・弁当(ソースや食品の色づけ)カレールウ、カップ麺、のりのつくだ煮、プリンなど
カラメル色素には4種類あり、そのうち2種に発がん性物質が含まれているが、添加物表示の表記はすべて「カラメル色素」「着色料(カラメル)」で統一されている。すべてが危険なわけではないが、できるだけ避けたほうがいい。

【防カビ剤(OPP、TBZ)】食品例・オレンジ、グレープフルーツ、レモンなどのかんきつ類
OPPには発がん性があり、TBZは胎児に先天性障害を起こすことがわかっている。皮ごと食べたり、皮をマーマレードにするのは危険。果肉にも微量ながら成分が残っているので、とくに妊娠中の女性は食べないほうがいい。

【安息香酸Na】食品例・栄養ドリンク、清涼飲料水など
合成保存料。もともと毒性が強いうえに、ビタミンCと反応すると、白血病を起こす発がん性物質「ベンゼン」に変化する。日本消費者連盟が調査したところ、国内で販売されている、ある清涼飲料水と絶倫系の栄養ドリンクから、ベンゼンが検出されている。

【BHA、BHT】食品例・魚介乾製品(煮干し他)、油脂、バター、化粧品など
BHAは、動物実験でがんを起こす可能性が指摘されている。BHAと似た物質のBHTは、主に化粧品に使われており、口紅の場合、唾液に混じって体内に入ってしまうので、BHTの表示のあるものは使わないほうがいい。

【サッカリンNa】食品例・歯磨き粉など
発がん性の疑いがあり、一度使用が禁止されていたもの。実験では、子宮がんや膀胱がんになる可能性が指摘されている。たとえ微量でも、毎日の歯磨きで口内に残ったものが胃に流れ、細胞ががん化する可能性も。

家族の健康を守るため、まずは、添加物をチェックする習慣を身につけよう!