臨床的な研究を通じて性の健康推進を図る専門家集団である日本性科学会が約10年ぶりに中高年夫婦の「セックスレス」の実態に迫る大規模調査を実施した。

 インターネットで性の情報を得やすい時代になったにもかかわらず、自分の性に関する話を調査票に書き込んで他人に明かす抵抗感は強く調査は難航したというが、中高年の性生活の実相を浮き彫りにする興味深い結果が明らかになった。

 医師や看護師らで構成される日本性科学会が行った1000人規模の大調査。それが、中高年男女の性生活について尋ねた「中高年セクシュアリティ調査」だ。

 調査期間は2011年1月から2012年12月にかけて。調査対象は関東在住の40歳から79歳までの男女で、平均年齢は男性が59.5歳、女性が57.2歳。

 回収した1242人分の調査票のうち、有効回答者数は1162人。内訳は、配偶者のいる男女が各404人と459人、単身の男女が各92人と207人である。

 同様の調査は、有配偶者対象が2000年に、単身者対象が2003年にも行なわれており、今回の調査結果と比較すると、10年近くを経た変化が浮き彫りになってくる。

 まず、明らかに増えているのはセックスレスだ。配偶者のいる男女の挿入を伴う性交渉の頻度を年代別に聞いたところ、「この1年間全くない」と答えたのは、男性全体で52%、女性全体で54%。2000年調査時の25%、23%から倍増しており、特に50代は低下が著しい。

 一方で、単身者のセックスレス比率は2003年調査時と比べてほとんど変化がなく、男性39%、女性58%。有配偶者と単身者のセックスの頻度に、あまり差がなくなってきている。

 この調査では、不倫に直結する配偶者以外の異性との関係についても尋ねている。

 結果は、男女ともに「この1年の間に配偶者以外の異性との親密な付き合いがあった人」が増えている。2012年の調査では、男性の32%、女性の14%が「あり」と答えており、男女ともに2000年調査の約3倍に増えている。

「親密な付き合い」は必ずしも性交渉を意味しないが(キスだけなどを意味する可能性もある)、社会的には「不倫」と呼べる関係である可能性が高い。

 その傾向はセックスレスの男性だと顕著になる。配偶者との性交渉が「この1年全くない」と答えた男性の実に39%が、「配偶者以外の異性との親密な付き合い」がこの1年にあったと答えているのだ。

※週刊ポスト2014年10月31日号