アグレッシブなドリブル突破でチャンスを作った金子。チーム全体にもっと仕掛ける姿勢が欲しかった。(C) SOCCER DIGEST

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 北朝鮮が繰り出すラフプレーにもひるまず、日本は右へ左へと相手を何度も揺さぶって、ゴールを目指し続けた。それでも、またしても、“アジアの壁”を突き破れなかった。PK戦、最後のキッカーとなった南野のシュートを止められた瞬間、世界への切符は相手の手へと渡った。
 
 主導権を握りながら、勝ち切れない展開。敗因は「決定力不足」と結論付けるべきなのかもしれない。ペナルティーエリア内で果敢に仕掛け、PKをもぎ取った金子は語る。
「たとえいい形で崩しても、最後のところで決め切れないと……」
 
 たしかに、前半で4回あった日本の決定機のうち、ひとつでも決めていれば結果は変わっていた。10分の井手口のFKがあと5センチ内側にいっていれば……、12分にオナイウが空振りしなければ……。ただし、ゴールは決まる時には驚くほど簡単に決まるもの。極論だが、決定力不足は個人のシュートスキルの問題であり、選手らの反省と練習こそ必要だが、第三者が分析すべきではないとも思う。
 
「相手が引いた状況で崩していけなかった」
 同じく金子の台詞だが、むしろこちらのほうに課題を見出せる。イーブンな状況の前半は攻め込めるのに、相手が守備に重心を置いた途端、攻撃に迫力がなくなる。パスは回せど、後方へのそれが目立ち、クサビはCBからのパスが主だった。
 
 いつの頃からか、日本のサッカーは綺麗にパスを回し、複数の選手が連動して相手を崩すもの。そんな定説ができ上がっている。そうしたスタイルで崩せる相手ならいいが、そうでない時にどうすればいいのか。
 
「個人の打開は必要になると思っていた。僕自身、そこは譲れないところもあるから」
 この金子の発言こそが真理だろう。ありきたりな言葉になるかもしれないが、積極性の不足こそが日本の弱点だと思う。自分ひとりの状況でも仕掛けて、チャンスを、ゴールを生み出す。何人の選手がそう考えていたのだろうか。決して日本らしさを捨てる必要はない。ただし、どんな状況でも、たとえパスが思うようにつながらなくても、相手のゴール前にボールを運ばなければ得点は生まれない。ほぼFKとロングボールからの攻撃のみで、最終的には日本とほぼ同数(日本6-5北朝鮮)の決定機を作った北朝鮮は、その点が日本と対照的だった。
 
 露骨な時間稼ぎや危険なタックルを賞賛する気はさらさらないが、結局“日本らしさ”は“北朝鮮らしさ”に敵わなかった。
 
「悔しい気持ちしかない」
 南野は、試合後のミックスゾーンで何度も口にした。U-19日本代表の冒険は終わったが、まだやり直せるはずだ。彼らはまだ19歳以下。10代は悔しさを知る時期としては悪くない。
 
取材・文:増山直樹(週刊サッカーダイジェスト)
 
U-19アジア選手権 準々決勝の結果
日本 1(4PK5)1 北朝鮮
[得点者]
日=南野拓実(83分/PK)
北=キム・クチョル(36分)