J-deite 開発者インタビュー:「No Transform, No Robot」中二から始まった変形合体ロボの道

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現在開発中の変形ロボットプロジェクト「Project J-deite」ですが、J-deiteの開発者であるBRAVE ROBOTICSの石田賢司氏、アスラテックのチーフロボットクリエイターの吉崎航氏に話を伺う機会を得ました。

また今回1/4スケール(全長1.3m)の試作機「J-deite Quarter」の実物を確認しましたが、市販部品を使ったこのロボットはWebサイトの動画から想像していた以上に大きく、実際に変形する様子は想像していた以上に脳が揺れる不思議な体験となりました。近くこのロボットは一般公開されます。

 

J-deite Quarterは、ロボットモードで全長1.3m、重量は35kg。時速1kmで歩行し、自動車型のビークルモードでは時速10kmで走行する変形ロボットです。動力は双葉電子工業のサーボーモーター。市販の予定はありませんが、現在も座席が2つありプロジェクトの完成形である全長5mのJ-deiteでは人が乗り込むことも想定しています。

それではまずは動画で変形の様子などをご確認ください。変形については現在、壊れないよう安定運用中である程度時間を要していますが、現時点で10秒以内に変形可能としています。



なお、J-deiteはアスラテックのロボット制御ソフト V-Sido OS(ブシドーOS)で動作しており、アスラテックではこの制御ソフトを提供し開発を支援する形をとっています。今回のProject J-deiteもBRAVE ROBOTICSの取り組みにアスラテックが賛同した形で、サポーターとしてタカラトミーも名を連ねています。

V-Sido OSといえば、大型ロボ クラタス にも採用されている制御ソフトです。操作する側の意図に対しロボット側でバランスを調整して動作を実行するため細かい命令が必要ない点が特徴です。なお、このV-Sido OSはアスラテックの吉崎航氏が開発したもの。OSについては以下の動画がわかりやすいです。



変形ロボットというと、トランスフォーマーや勇者シリーズといたロボットアニメが思い出されますが、BRAVE ROBOTICSは「No Transform, No Robot」を掲げており、石田氏も変形だけでなく合体して巨大化するような夢を描いているそうです。

J-deiteの開発のきっかけを聞くと石田氏は、

「最初は中二でした。進路を決めるときに、見たことのあるアニメのロボットをやりたいなと思ったんです。ただ、当時はネットもなく、中学や高校では勉強の仕方もわからずやっていました。大学生の頃にはやっと動かせるようになりましたね。当時、産業ロボットや多少ホビーロボットが出てきたタイミングだったのですが、この手の変形ロボットはもっとやる人がいるだろうなと思っていたら意外と誰もやっていませんでした」

とコメント。吉崎氏が二足歩行ロボットをやろうと思ったのもまた中二だったそうです。

また、お笑い芸人に面白さの説明を求めることが無粋であるように、変形ロボットが何の役に立つのか? と問うのは無粋とは思いましたがあえて質問。

「J-deiteは一般の家庭に入って掃除をしたりするわけではありません。戦うのもあまり目的ではなく、ついでに戦ってもいいぐらい。しいて何に使うかと言えば、怪獣が出てきたらやっつけるぐらいですかね。でも、そうするためにはまず、我々は怪獣を作らねばならないんですよ。映画『パシフィック・リム』で一番学んだのは怪獣がいれば、巨大ロボットがいてもいい、ということでした(笑)」

これに吉崎氏も「そう、なんのためかと言われれば、平和のためです」と話しており、こちらの無粋な質問が際立つ形になりました。

開発にあたって苦労したのは重さでした。というのも市販部品で作れる最大サイズとなるJ-deite Quarterは、出力に制限があるためです。現時点で身体能力は生まれて立ての赤ん坊程度しかなく、今後さらに大型化していくためにはオリジナルの部品を調達する必要があります。

なお、1/1スケールは人が乗り込むことを想定しており、こちらが「人を載っけて変形するとなると、かなり恐ろしいですね」と口を滑られせると両氏は「そうですね、正しい反応です」とコメント。ロボットモードで人を乗せた場合、コックピットからはカメラで撮影した外の映像を見る形になるとのこと。

歩行した場合の乗り心地については、パトレイバーの世界観同様、決して乗り心地のいいものではなくなるとのこと。吉崎氏いわく「私が再現したいのはパトレイバー的な世界観なので、あえて乗り心地の制御よりもロボットが倒れないよう安定させる方に比重を置いています」とのこと。

トランスフォーマーや勇者シリーズ、3Dを駆使した映画などで物体が変形する姿は見てきたつもりでしたが、今回の取材で強く感じたのは、実際にある物体が変形する様子は決して動画では伝わらない感覚があるということでした。とくに車の形からロボットへのトランスフォームは既成概念がねじれていくような独特の感覚があります。

プロジェクトでは今後、2016年にも1/2スケールのJ-deite Harf を開発し、全長5mの原寸大を目指します。なお、J-deite Quarterは10月23日から日本科学未来館で開催されるデジタルコンテンツEXPOで公開される予定です。