北朝鮮を下して、日本は世界への扉を開けるのか――。 (C) SOCCER DIGEST

写真拡大

 初戦の開始1分のPK献上に始まり、続くベトナム戦でのロスタイム弾、そして韓国との生き残りをかけたデスマッチ……。まるでジェットコースターのようなグループリーグを突破し、念願のU-20ワールドカップ出場まであとひとつのところまで辿り着いた。
 
 準々決勝の相手は北朝鮮。日本と同様、一戦ごとにパフォーマンスを上げてきた不気味な相手に、どう立ち向かうべきか。
 
ポイント1)前線の流動性
 
「止まった相手に対しては強く来るぞ!」
 練習中、鈴木監督からはそんな指摘が頻繁に飛んだ。北朝鮮は、ひと言で言えば“頑張るチーム”である。守備では運動量を前面に出し、多少難しいボールでも必死に足を伸ばしてくる。グループリーグ最終戦のイラク戦でも、ボールホルダーに対して強烈なタックルを見舞うシーンが多く見られた。
 
 特にCBの2枚は高く、頑丈である。したがって、最後の局面を崩すには流れのなかで「人とボールがよく動く」(鈴木監督)攻撃が求められる。中盤で前を向いた際に、いかにタイミングよく前線が動き出せるか。「少ないタッチでテンポよくパスをつなぎ」(金子)、「いい距離感を保ちながら自分たちのサッカーを表現できれば結果はついてくる」(南野)はずだ。
 
 グループリーグでは越智、北川らが南野と2トップを組んだが、北朝鮮戦では今大会初めてオナイウの先発が濃厚だ。
「気持ちは入っている。ボールキープやそこからのシュートなど、個人で打開できれば仲間が空いてくる。積極的に仕掛けていく」
 そう力強く語った秘密兵器にも期待したい。
 
ポイント2)気持ちで上回れるか
 
 試合前日の記者会見で、北朝鮮のアン・イェグン監督は「勝負の鍵を握るのは、気力と体力である」と話している。同席した鈴木監督は、チーム状況が改善した大きな要因に「最後まで諦めない勝利へのこだわり」を挙げた。
 両チームとも、グループリーグ初戦を落としながらも(日本は中国に1-2、北朝鮮はカタールに1-3)、最終節で強敵に競り勝って(日本は韓国に2-1、北朝鮮はイラクに2-1)決勝トーナメントに進出。勢いは互角と考えられるだけに、メンタル面が勝負を左右するだろう。
 
 例えば中盤でのセカンドボール争いで気迫を見せられなければ、全体のペースは握れない。相手の8番、7番のボランチコンビはアグレッシブに球際に寄せてくる。だが、川辺、井手口のコンビも負けてはいない。韓国戦では素早い出足と攻守の切り替えで勝利に貢献した川辺は、「韓国戦同様に、激しく当たりにいかないとけない」と臨戦態勢を整えていた。
 
ポイント3)総力戦を全員で戦え
 
 どうしてもグループリーグ全6得点のうち半分の3ゴールを記録した南野に注目が集まるが、エースの決定力は相手も研究済みのようだ。アン・イェグン監督は南野の怖さについて問われ、「非常に優れた選手だ。13番にパスを入れさせないようにしたい。ただ、重要なのはチームワークである」としている。
 
 南野を封じられた時に、どう対応できるか。金子や関根らサイドアタッカーに加え、前述のオナイウが奮起しなければ、得点は難しくなるだろう。
 
 また、奥川、松本が怪我のためすでに帰国し、ベトナム戦で脳震盪を起こした広瀬も出場できない見込み。厳しい台所事情のなか、どれだけチームがまとまれるかが問われる。グループリーグで「苦しい時にチームがひとつになれた」(鈴木監督)日本は、過去3大会で阻まれ続けた“世界への最後の壁”に、文字通り総力戦で挑む。
 
取材・文:増山直樹(週刊サッカーダイジェスト)
 
U-19アジア選手権 準々決勝
10月17日(現地時間15:30キックオフ)
日本 対 北朝鮮

【ゲームphotoギャラリー】U-19アジア選手権 日本 2-1 韓国