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「私、失敗しないので」「いたしません」等の決め台詞で知られる米倉涼子主演のテレビ朝日系ドラマ「ドクターX〜外科医・大門未知子〜」の第3弾が10月9日にスタートし、初回視聴率が21.3%と今回も好調だ。

○何が合理的なのか?

神業ともいえる高度な手術技術を持つフリーランスの女性外科医が、大学病院の権威ある医師らによる院内のカネや権力闘争にまみれた組織にメスを入れる。登場人物たちのキャラクターの強さ。「私、失敗しないので」「いたしません」「御意!」といった繰り返し使われる独特の台詞。そして、胸のすくような勧善懲悪の展開…好視聴率を獲得するドラマは必ずこのようないくつかの特徴を持つ。

中でも私が気になったのが、「胸のすくような」というドラマをみた後の爽快感である。企業や組織の中で日々働く者たちは、TBSの大ヒットドラマ「半沢直樹」とも違った「ドクターX」の視聴後の爽快感に酔いしれるのではないだろうか。

もっとも「ドクターX」「半沢直樹」も、それぞれ「病院」「銀行」といった、私達に馴染みはあるがその内部の確執などはあまり表面には出てこない閉ざされた世界を描いている点では共通している。半沢直樹はそうした「銀行」というドロドロした世界の「中の人」として、時に屈辱を受け、耐え忍びながら、最後まで立ち振る舞い闘い続ける。

一方、「ドクターX」の大門未知子は、「医師免許を必要としない雑務は一切しない」というアウトサイダーとしての立場で、組織や組織に阿る者たちに対して、終始一貫、立ち向かう。

日頃、ビジネスマンは組織の中にいる。誰もが多かれ少なかれ人間関係や組織のしがらみに気を使う。そして、半沢直樹のように我慢や苦しい思いをすることが少なからずある。その「痛み」に視聴者は共感を覚えるのだろう。高度な医療技術を持ちながらも、フリーランスとして「一匹狼」を貫くアウトサイダーの大門未知子にとって、そもそも組織のしがらみや権力闘争は関係ない。「私、失敗しないので」「いたしません」といった、組織内にいては(仮にどんなに言いたくても)決して言えない一言が言い切れてしまう。この一言が言いたくても言えないのが組織の「中の人」にとっては、この歯切れの良さに、ある種の「憧れ」を感じるのではないだろうか。

実際に銀行や病院の内部がドラマで描かれるようなドロドロした世界なのか、私には分からないが、組織の「中の人」である半沢直樹と、「外の人」である大門未知子との、視聴後の爽快感の質の違いは、きっとこのような理由からではないだろうか?

<著者プロフィール>片岡英彦1970年9月6日 東京生まれ神奈川育ち。京都大学卒業後、日本テレビ入社。報道記者、宣伝プロデューサーを経て、2001年アップルコンピュータ株式会社のコミュニケーションマネージャーに。後に、MTVジャパン広報部長、日本マクドナルドマーケティングPR部長、株式会社ミクシィのエグゼクティブプロデューサーを経て、2011年「片岡英彦事務所」を設立。(現 株式会社東京片岡英彦事務所 代表取締役)主に企業の戦略PR、マーケティング支援の他「日本を明るくする」プロジェクトに参加。2011年から国際NGO「世界の医療団」の広報責任者を務める。2013年、一般社団法人日本アドボカシー協会を設立代表理事就任。