男女とも連覇の期待がかかっていたけど、ともに何もインパクトを残せなかったね。

韓国で開催されたアジア大会、なでしこジャパンは決勝で敗れて準優勝。一方、リオデジャネイロ五輪を目指す21歳以下(U−21)のメンバーで臨んだ男子は、メダル獲得どころか準々決勝で敗退という結果に終わった。

なでしこは、率直に言って世代交代に失敗している。今回はベテランの澤、海外組の大儀見(おおぎみ)、熊谷らを招集しなかった。そうしたなかで若手がどれだけアピールできるかがポイントだった。でも結局、厳しい試合で力を発揮できたのは宮間や川澄ら既存の中心選手だけ。組み合わせに恵まれて決勝まで進んだものの、若手からは最後まで気迫が伝わってこなかった。佐々木監督もガッカリしているだろう。

なでしこが女子W杯で優勝したのは2011年。当時のチームは、長い時間をかけてチームづくりをしてきただけあって、本当に高いレベルで完成していた。だからこそ今、世代交代が難しくなっている面はある。佐々木監督もそれを理解しているから、今回に限らずこれまで多くの若手にチャンスを与えてきた。でも、誰も伸びてこない。この状況は厳しいね。せっかく女子サッカーが注目されるようになったのに、このままじゃ以前のような状態に戻るのではないかと心配だよ。

そのなでしこ以上に、情けなかったのが男子だ。グループリーグでイラクに1−3と完敗し、準々決勝でも韓国に0-1と敗れた。韓国戦はスコアだけ見れば接戦だけど、内容的にはもっと点差がついてもおかしくなかった。

U−21代表といえば、4年後のロシアW杯時には24歳、25歳。A代表の中心になっていてほしい年齢だ。それだけに、A代表のアギーレ監督にがんがんアピールしてくれることを期待していたんだけど、残念ながらA代表で見てみたいと思う選手はひとりも見当たらなかった。

今大会、ライバル国の大半が21歳以下ではなく、23歳以下のメンバー構成で臨んでいた。なかでも、韓国は3人のオーバーエイジに海外組を加えるなど力を入れていた。だから、21歳以下の日本が勝てなかったのも仕方がないという意見もあるようだ。

でも、日本は大会規定を承知の上で21歳以下のメンバー構成にしたんだよね。だったら、年齢は言い訳にしてはいけない。いくらリオ五輪世代の強化という大義名分があるにしても、あんな戦いしかできずに早々と敗退するくらいなら、22歳、23歳の選手、オーバーエイジ3人も交ぜて、本気で優勝を狙ったほうが日本サッカーにとってはるかにプラスだった。

しかも、今回はJリーグ側に遠慮して、各クラブから原則1選手という制限まであった。結局、日本サッカー協会がアジア大会をナメていたか、最初から勝つ気がなかったか、そのどちらかだったのだろう。それは、U−21代表が今年1月のU−22アジア選手権以降、短い合宿を2度行なっただけということからも明らか。どう考えても準備不足だった。

思えば、2000年シドニー五輪や04年アテネ五輪のときの五輪代表は、強化試合や海外遠征をもっと頻繁に行なっていた。ビジネス的においしいA代表を優先したくなる気持ちはわかるけど、育成年代にもしっかり投資していかなければ日本サッカーの未来は暗いものになってしまうよ。

(構成/渡辺達也)