ブラジルを相手に打ちのめされた日本だが、岡崎はアギーレ監督が目指すサッカーを「続けることが大事だと思う」と前を見据える。(C) SOCCER DIGEST

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 ネイマールに4点を奪われ、0-4と大敗したブラジル戦。多くのサブメンバーがスタメンに抜擢されるなか、ジャマイカ戦に続いて1トップで先発した岡崎慎司は、「Jリーグでプレーしている選手たちもいっぱい出場できたので良かったけど、自分が助けになってあげられなかった」と悔しさをにじませた。
 
 終始押し込まれた展開のブラジル戦で、岡崎にできることは少なかった。日本は両ウイングが下がった4-1-4-1で完全に受け身に周り、1トップは前線で孤立無援の状態に。送られて来るのは、50:50のロングボールばかりで、味方のフォローもほとんどない。攻撃の選手としては、文句のひとつも言いたいところだ。しかし、孤軍奮闘で前線の起点になっていた岡崎は、むしろこの状況を歓迎しているようだった。
 
「耐える時は耐えるサッカーをしながらも、前は個で攻め切れるようになりたい。自分たちが失点する時は、人数をかけ過ぎたところでボールを取られてカウンターを受けている。それを、攻撃に人数をかけずに2、3人で勝負するような形に持っていくためには、前が個の能力を上げないといけない」
 
 アギーレ監督が標榜する守備重視の戦術は、失点のリスクを減らすために後ろに人数を割く。そのバランスを保ったまま攻め切るには、前線の個の力が必要だ。そうした指揮官の考え方に賛同し、新たな可能性を模索しているのは、3試合で6失点を喫したブラジル・ワールドカップの影響だという。
 
「個人的には、ワールドカップを終えてどうやったら結果を出せるかを考えた。今までの蓄積を捨てるわけではないが、一度逆のことを追求しなきゃいけない。ある程度引いてもいいから勝ちを取りに行くサッカーを追求したいと思っているので、今のスタイルを続けることが大事だと思う」
 
 世界レベルで勝つためには大きな変化が必要だと感じたのだろう。0-4という結果が示すように、現時点ではブラジル相手にまったく通用しなかった。しかし、そうした事実を突きつけられてもなお、1トップを張る背番号9は「一歩一歩、この道を進んでいくだけ」と覚悟を決めている。
 
取材・文:五十嵐創(週刊サッカーダイジェスト)