これがアギーレ流・現実路線!「日本はブラジルに勝つ必要なんて別になかったんだ」と悟った日本VSブラジル戦の巻。
現実だけを見据える男、ハビエル・アギーレ!

僕は素直に感嘆しました。本当に心の底から「お主、やりおるのぉ」とシャッポを脱ぎました。14日に行なわれたサッカー日本代表VSブラジル代表の一戦。当初よりこの試合は「アジアカップを見据えたメンバー選考の場」だとは思っていましたが、アギーレ監督はそれを妥協なくやり切ったのです。この割り切りのよさ。決断力。欲からの解脱。これは並大抵のことではありません。

確かに日本は0-4で大敗しました。それ自体は面白くはありません。しかし、目前に迫ったアジアカップの選考をおろそかにしてまで、ブラジル相手にチカラ試しをすることが必要でしょうか。いや、もっと言えば日本にとって「ブラジル相手に勝つ」「ブラジルにも通用するサッカーを身につける」「ブラジルとの距離感を知る」ことが必要となる局面は、そもそもあるのでしょうか。答えは否、ノン、ノーです。

ワールドカップ・アジア予選にブラジル代表はいますか。はい、いませんね。アジアカップにブラジル代表はいますか。はい、いませんね。ワールドカップ本番ではブラジル代表クラスの対戦相手はいますが、それはグループにせいぜい1ヶ国。はい、ブラジル代表に勝つよりも、ほかの2つに勝つ方が得策ですよね。と言うか、アギーレ監督は何度も何度も何度も「目標はワールドカップ出場」と言っているわけですから、本大会でしか当たらないブラジル戦のことなど考える必要はないのです。はい論破。

『日本代表がブラジル代表に勝とうなど、おこがましいとは思わんかね!』

ただ、頭ではわかっていても、実行に移すのは難しいもの。テストでも「絶対解けへん感じの問題やなぁ」と思っても、無駄に5分くらいトライしてみたりするものじゃないですか。アギーレ監督は違います。難問は「ムリ」と一瞥で切って捨て、序盤にある4択問題に全力を注ぐタイプなのです。絶対に100点は取れないけれど、60点を確実に取りに行くスタイルとでも言えばよいでしょうか。

並みの神経では出来ない割り切りです。4択は埋めてあるのに、証明問題はキレイな白紙で出してきたら、学校の先生も「うわぁ…」と思いますよね。日本史のテストで、とにかく全部の解答欄に「中大兄皇子」って書いてあったら、「うわぁ…」と思いますよね。ザッケローニ監督のように、途中まで一生懸命やった痕跡を残したり、ましてや解答欄に「すみません。自分なりに頑張ったのですが、勉強不足でわかりませんでした」なんてお詫びを書いても、結果におけるメリットはないのです。

選手のテストについてもそうです。ここまでの4戦、何故かウルグアイ戦とブラジル戦のほうに「ん?」と思うメンバーが出ていますよね。普通はそっちに実績と経験があるメンバーをぶつけそうなものですが。これも現実を見据えた割り切りなら当たり前のこと。アギーレ監督は今、「いけるかな?ダメかな?」という選手を大量に呼び、テストをしている真っ最中です。当然、いざ合宿で見たら、ダメッぽい感じの選手もいるわけです。ほぼほぼ心の中では「ダメだな」と思っているわけです。

でも、もしウルグアイやブラジル相手に活躍するようなら考えを改めますよね。たまーーーーーーに、いるじゃないですか。大舞台になると大活躍する確変キャラが。大貧民の「2」みたいなのが。もし、そんな大器が混ざっていたら手元に残したいでしょう。でも、ジャマイカ相手とかで活躍されても、大器かどうかは全然わからないじゃないですか。ジャマイカもめっさ弱いかもしれないですし。

「選ぶために見ている」のではなく、「捨てるために見ている」のですからブラジル相手に試すで正解。「やっぱ通用せんな」「ポーイ」「思ったとおり通用せんな」「ポーイ」「捨てても大丈夫なヤツや」「ポーイ」と念入りに確認をしているのです。通常はその作業を呼ぶ前に脳内でやるわけですが、念入りなアギーレ監督は、実戦で最終確認をしているのです。むしろ誠実!

『フリーマーケットでも、たまーーーに掘り出し物があるだろ!?』

もし2部リーグのチームが「1部リーグで優勝できるサッカーをやる」と言い出したら、「いやいや、先に昇格しなさいよ」とツッコむでしょう。アギーレ監督は、キョトンとした顔で日本サッカー界にソレを言っている段階なのです。「え、ブラジルに勝ちたいの?」「勝つ必要ないってば」「ムリムリムリ(笑)」「は?」「はぁぁぁ?」と。

とかく日本はお客さんが多かったり、世間の関心が高かったりで、世界一を目指した戦いが要求されがち。「本番はぶっちゃけ物見遊山です」などと本音を言える空気ではありません。しかし、アギーレ監督ならそれをやってくれるのではないでしょうか。3つ勝とうとして1つも勝てないよりは、2つ完全に捨てて1つ勝つほうがマシ、という考え方も世の中にはありますからね。

必要ないことは、やらない。

無駄な努力は、しない。

叶わない夢は、見ない。

それがアギーレ・スタイル。

その意味では、「結果」そのものは悪くないものになるのではないかと僕は予感しています。想定し得る最大の夢を見ることはできないかもしれませんが、必要最低限の満足は得られるのではないでしょうか。4年間の評価を最後の3試合くらいで決めちゃうような人には、ピッタリの監督さんかもしれませんね。

ということで、『キミらの現実的目標はヨルダンとかUAEにしっかり勝つことだろぉ?』というアギーレ監督の声を脳内に響かせつつ、14日のTBS中継による「日本代表VSブラジル代表戦」をチェックしていきましょう。

◆『本気出そうが出すまいが誰が出ようが出まいが、どーせ負けるって!』

真新しい開閉式ドーム型スタジアム。世界一高いプールや世界最大級のカジノを備えた、マリーナベイサンズのほど近くにあるナショナルスタジアムです。今まさに国会でも議論の争点となっているインテグレーテッド・リゾート(統合型リゾート)の、スポーツ部分を担う戦略的拠点です。スポーツは人を呼ぶチカラがある。スポーツは金を呼ぶチカラがある。さぁいらっしゃい、シンガポールへ。カジノもあるよ。ホテルもあるよ。リゾート気分満点の素敵空間です!

↓開閉式屋根!移動式座席!5万5000人収容!商業施設も併設!夢の空間や!

日本で一番デカいスタジアムは、ほっそいローカル線で行く、田舎の原っぱにあるってのが相場なのに!

「おいおい駅がひとつ足りないよ」と思う距離感なのが相場なのに!

これが国家的戦略というヤツか!

↓街のド真ん中に近代的スタジアムが建っている、だと!?

さいたまスーパーアリーナが銀座にあるみたいな感じだな!

やっぱ、そのほうが楽しいもんな!ラスベガスみたいで!

日本の政治家は空いてる土地にスタジアム建てるからダメなんだよ!

行かないよね!遠くて、何もなくて、帰るのが面倒臭いところには!

それならシンガポール行くわ!

るるぶシンガポール(’14〜’15)

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オープン間もないスタジアムにブラジル代表と日本代表が呼ばれた。賢明な大人なら、その意味はわかるでしょう。「このような素晴らしい空間で存分にスポーツをお楽しみください」「すべてが揃った最高のリゾートがここにあります」「世界のみなさん、ご近所の日本のみなさん、どうぞシンガポールへ!」という観光ご案内にほかなりません。ならば見せるべきは、世界最高のショー・タイム。間違っても、知らない選手のウッカリ大活躍とか、ドン引きで守り倒したショッぼいスコアレスドローではありません。

この日のアギーレJAPANは、そのことをよくわかっていた模様。「みんなネイマールさんが見たいんだよね?」「ネイマールさんのゴール見たいよね!」「よーし、お兄さんたちネイマールさんのゴールをタップリ見せてあげちゃうぞ!」と大ハリキリ。存分に観衆を満足させ、最高にスペクタクルな夜を演出してくれたのですから…!

いざ始まった試合。日本のスタメンはGKに川島、CBに塩谷と森重を並べ、左サイドバックに太田、右サイドバックに酒井高という4バック。中盤の3枚には左に森岡、右に柴崎、中央下がり目には追加招集の田口が入る形。そして前の3枚には田中、岡崎、小林が並びます。香川真司を負傷離脱で欠き、本田△・長友をベンチに残すという意欲的なテスト布陣。「よし、ネイマール見よ!」と観衆をネイマール鑑賞に集中させるという意味では最高の布陣です。

日本はかなり高い位置までプレスをかけにいき、ときに森岡は最前線まで追いまわしに行くほど。しかし、ブラジルはその程度のプレッシャーは意にも介しません。逆に日本はDFライン周辺の組み立てで、どこに出そうか悩んだ挙句、一番近くの相手にパスすることを繰り返すため、ブラジルに簡単に追い詰められGKまで戻す格好に。味方ではなく、一番近くにいるブラジル選手にボールをぶつけてしまう場面もたびたび見られ、いらぬピンチを招くことも多数。

そして何と言ってもネイマールさん。日本の中盤の寄せをグイングインと抜き去り、鋭いドリブルでどんどん前へ進出します。手を使って倒してみても、高精度のFKが1本目からポストにブチ当たるのですから、おいそれと倒すこともできません。「やっぱりネイマールさんはスゴイなぁ」とピッチ上の選手も思ったに違いありません。

↓そしてネイマールさんは前半18分に先制のゴールを挙げ、シンガポールの観衆に最高の思い出をプレゼント!


これこれ!これが見たかった!

ネイマールさん、最高や!

↓なお、このスタジアムはゴール後は屋根をライトアップする素敵な演出が可能となっております!

ヒュー!最高!

ネイマールさんのおかげでコレが見られた!

ありがとうネイマールさん!

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その後もネイマールさんは日本というサンドバッグをスパーンスパーンと殴りつづけます。前半21分には塩谷を緩急つけて振り切って惜しいシュート。前半31分にはジエゴ・タルデッリに当てて棒立ちの日本守備陣を切り裂こうとする鋭い動き。前半終了間際には、何とか止めようと身体を張る日本守備陣を何やかんやで結局抜き去るというシーンをたびたび作り、「あ、これは本気で来たらすぐやられるな」という手応えをしっかりと残します。

日本も前半24分に相手DFがクリアしたボールがエリア内にいる小林の目の前に飛んできたのをボレーで合わせてみたり、前半35分に岡崎が酒井高の早めのクロスをヘッドで狙ったり、前半終了間際にはCKのクリアのこぼれを田中が狙ったりと、追いつかない程度の反撃を見せて試合の盛り上げに貢献。前半は0-1で緊張感をキープしたまま、ハーフタイムの乾杯タイムへと場をつなぎます。

後半になったところで、日本は本田△を投入。ブラジルも3人を一度に交代して、手を加えてきます。「おっ、動いてきたな」と確認している段階の後半3分、早速試合にも動きが。中盤でボールを回す日本は、柴崎が受けたボールを誰もいない後ろに流してしまうミス。前半からたびたび「オシャレにさばいて短いボールをヘンなところに蹴る」という場面はありましたが、それをベンチで見ていたでしょうか、代わったばかりのコウチーニョがこのボールをかっさらいます。よーし、ネイマールさんにチャンス到来や!

↓後半3分、裏に抜け出したネイマールさんがアッサリと決めてブラジルのダメ押し点!


日本の22番が「オフサイドでーす」みたいな顔でノンビリ走っているのを見て、「また吉田か!」と思ったら違ったわ!

世界はネイマールさんのゴールを見たいのだ!

オフサイドを見たいのではない!

そこんとこヨロシク!

後半14分には再び柴崎からボールを奪ったブラジルが鋭いカウンター。ネイマールさんのシュートはサイドネットを叩きますが、TBSはひと足早い期待感とともに「ハットトリック達成!」と大絶叫。ネイマールさんのハットトリックが見たくてたまらない感を強くにじませます。日本も岡崎がポストを叩く申し訳程度の反撃を見せますが、見たいのはそれじゃなく、ネイマールさんです!繰り返します、見たいのはネイマールさんです!

↓いくつもの決定機を味方が外す中、やっぱりネイマールさんは別格だった!後半32分、カワシマのラストパスをダイレクトで合わせてハットトリック達成!


カワシマ、ナイスアシスト!

カワシマのおかげで世界がノーストレスです!

スパーンと撃ったら、スパーンと決まる!

↓つづけざまの後半36分には、カカ⇒ロビーニョ⇒カカとつないで最後はネイマールさんの4点目ヘッド弾!


1点目もそうだけど、カワシマのリアクションいいね!

ポーンと跳んでガクーンと落ちる!

刺身のタンポポみたいにネイマールさんのゴールに花を添えるイイ動きだ!

↓51577人の大観衆がネイマールさんに酔いしれた!

これはもちろんこのスタジアムの新記録!

ネイマールさんがサンドバッグをワン・ツー・スリー・フォーでぶん殴る小気味いい試合!

最高の夜をありがとう!

試合終了の瞬間、場内に響き渡る大きな拍手と歓声が、何よりもこの試合が与えた喜びを表現していました。みんなが見たかったものは、やはりコレだったのだという確信。日本代表も、プロのエンターテナーとして、このような素晴らしい夜を演出できたことを誇らしく思ったのではないでしょうか。

日本代表には日本代表で、勝ちを期待される立場の試合もあるのでしょうが、それが今宵でなかったことは明白。まぁ、ちょっと相手を焦らせる程度のシーソーゲームでもよかったとは思いますが、ネイマールさんさえ点を獲ってくれれば細かいことは言いますまい。次は別の立場で、観衆を楽しませていただきたいものですね。

↓なお、この記念すべき日のネイマールさんのユニフォームは、日本代表・森岡さんの手に渡ったとのこと!
<ネイマールとユニ交換の森岡「あれを見て悔しさを思い出す」>

試合後はネイマールとユニフォームを交換した。「試合前から話していた」と明かした森岡は「あれ(ネイマールのユニフォーム)を見て、今日の悔しさを思い出します」と、目の前で力の差を見せつけられたセレソンのエースの存在を今後の糧にしていくつもりだ。

http://web.gekisaka.jp/news/detail/?149366-149366-fl

『よかったなぁ、レアモノゲッツだなぁ』
『でも、その悔しさを晴らす機会、ないぞ』
『ヨルダン相手とかで晴れるならいいのだが』
『素直に喜んでおいたほうがいいんじゃないかな』
『ヤフオクで売るなよ!』

あれだ、バルセロナのユニフォームを交換できるようになればいいんだ!

その際は、悔しさを晴らす機会もまたあるだろうから!

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感想(1件)



この調子でアジアカップ・ベスト4あたりを目指して現実的に頑張ろう!