細貝萌 (撮影/岸本勉・PICSPORT)

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細貝萌がピッチに入ったのは70分のことだった。田中順也に代わると、田口泰士が務めていたポジション、細貝にとって本来のポジションである中盤のアンカーに入った。

「自分のイメージとして、明日はボールを保持される時間が長くなるので、守備的な意識、守る時間帯が長くなるので、スペースを与えず、下がり過ぎずにやることが大事になる」

しかしながら細貝が投入された時点で、すでにブラジルは2点のアドバンテージを持っていた。守備を固め、前線にネイマールを残すカウンター狙い。このため日本がボールを保持する時間が増えてきていた。

「守備だけでなく、奪ったら縦パスなどを出したい」

その言葉どおり、縦パスを出したり、ドリブルで攻め上がったり、89分には左サイドの太田宏介へ展開して、太田のアーリークロスから柿谷曜一郎の決定的なヘッドを演出した。

スタメンでアンカーに起用された田口は、スペースを埋めるバランサーとしてプレー。しかし守備ではネイマールのスピードに振り切られるなど、弱さも露呈した。その点、細貝は対人プレーの強さもある。フリーの選手がいれば果敢にアタックに行き、相手の侵入を防ぐ。81分にはブラジルのカウンターを遅らせようとしたものの、相手の攻め上がりが早くカカのクロスからネイマールに4点目を決められた。ただそれは急造チームに近いだけに、選手たちの意思が統一されていなかった失点だ。

過去2試合のブラジル戦で細貝はいずれも交代出場だった。3試合目こそスタメン出場が期待されたが、田口にポジションを譲った。

「数多くスタメンで出ていればやりやすくなる。それができなかったのが前回の代表。だからワールドカップにも出られなかった。前回は5〜10分くらいしか出られず恥ずかしいところがある。それが課題だし、スタメンを奪い取ることができなかった悔しい自分がいる」

「自分のストロングポイントはアンカー」と言い切るだけに、このポジションにはこだわりがある。スタメンを賭けた細貝の挑戦はまだ始まったばかりだ。

(取材・文/六川亨)

▼ 本田圭佑、マリオ・フェルナンデス、田中順也

(撮影は全て/岸本勉・PICSPORT)




▼ 太田宏介



▼ 柿谷曜一郎



▼ ブラジル戦に臨んだ、先発イレブン



▼ ネイマール



▼ カカ



▼ スタンドを埋め尽くした大観衆