2014−2015年米ツアーが開幕。初戦のフライズコム・オープン(10月9日〜12日)がカリフォルニア州のシルベラードリゾート(ノースコース/パー72)で行なわれた。

 米ツアー本格参戦3年目を迎える石川遼、2年目の松山英樹と、日本期待の若きふたりも参戦。ともに4日間すべてアンダーパーで回る好プレイを見せて、松山が通算12アンダーの3位タイ、石川が通算8アンダーの19位タイでフィニッシュした。

 特筆すべきは、昨季同様、開幕戦で3位タイという好結果を残した松山だろう。昨シーズン、米ツアー本格参戦1年目でツアー優勝を飾って、賞金ランク27位、世界ランキング20位(10月6日現在)にまで上り詰めた実力をいきなり発揮。故障を抱えていた昨年と比べてコンディション的な不安もなく、今季のさらなる飛躍を予感させる"初陣"となった。

 試合前の松山は、「ショットの調子は、悪いとも思わないし、いいとも思わない。試合になってみないとわからない部分がたくさんある」と語っていたが、初日から安定したプレイを披露。終始リラックスした表情を見せて、2アンダー、25位タイとまずまずのスタートを切った。

「決して、何かが良かったということはないんですけど、スコア的にはすごくいいスタートが切れた。ショットも変な感じは少なくなってきているし、パッティングも納得できるレベルではないものの、昨季の終盤に比べると、だいぶマシになっていると思います。

 こうやって、いいスタートが切れたのは、(昨季終了後)3週間休んだことがすごく大きかったと思う。ラウンド中にイライラすることがなく、かなりすっきりと、リラックスしてプレイすることができた。(昨季終盤は)知らないうちに気が張り過ぎていた。体は疲れていないのに、気だけは疲れていた。それで、ちょっとしたことでもイライラしたり、怒ったりしていたけど、3週間休んで、頭の中がリセットされた感じ。今までは試合に出続けようが、休もうが何も変わらないと思っていたけど、休むことは思いのほか大事なんだな、ということを実感しましたね」

 2日目は、さらに圧巻のプレイを見せた。松山本人が「文句なし」と言うほど、ティーショットが絶好調。スコアを5つ伸ばして通算7アンダー、トップと3打差の7位に浮上した。

「ティーショットが安定していたのが一番良かった。スイングのイメージを変えてみたら、いい感じで振れるようになった。説明するのは難しいんですが、横振りから縦振りにした感じです。でもそれは、『変えた』というよりも、(スイングの)崩れていた部分がちょっとずつ戻ってきているのかな、と。この1年、自分がいいと思ってやってきたことが、実はよくなかったのかな、と思う。何にしても、そのことに気づけたのはよかった。

 あと、今はそんなに切羽詰ってやっていないというか、いい意味で(自分の)ミスを許せている。パッティングがいいとか、ドライバーがいいからとか、いろいろな要素があると思うけど、『ミスしても仕方がないな』と思ってやれている。(いい結果が出ているのは)それがすごく大きいと思う」

 3日目は、ややティーショットが乱れた。それでも、通算10アンダーとスコアを伸ばして、順位は7位タイをキープした。

 迎えた最終日、前半はパッティングに苦しめられた。何度かチャンスを迎えながら、カップに蹴られるなどしてスコアを伸ばせずじまい。トップとの差を詰めるどころか、上位争いからも脱落しそうになった。しかし後半、12番でバーディーを奪うと、土壇場の17番、18番で連続バーディー。優勝には届かなかったものの、3位タイに食い込んで、世界ランキング上位者としての貫禄を示した。

「(開幕戦を振り返って)ショットに関しては、ばらついたときもあったけど、途中でうまく修正できた。あとは、パッティングが入るのを待つだけですね。まあでも、『お先、真っ暗』という状況から少しずつ光が見えてきた。さらに練習をしていい手応えをつかめれば、もう少し上位との差を詰めてプレイできると思う。これからも一戦、一戦、大事にしていければいいのかな、と思っています」

 開幕戦で際立っていたのは、4日間を通して平静を保っていた精神面だ。ショットが乱れたり、パットが入らなかったりして、瞬間的にイライラすることはあっても、松山はその怒りを自分の中ですぐに消化。ストレスを溜めてプレイすることがなかった。このスタンスを維持できれば、早いうちに勝利がめぐってくるかもしれない。

 一方、石川も悪くなかった。難なく予選ラウンドを突破し、3日目には「67」の好スコアをマークして、47位タイから17位タイに急浮上。最終日も前半は4連続バーディーを決めるなど、一時はトップ10に名を連ねた。結果的には19位タイにとどまったが、石川自身、今季に向けてそれなりの手応えを感じているようだった。

「自分の現状を知ることができた、いい1週間だった。今季のテーマは、バーディーの数を増やして、ボギーの数を減らすこと。そういう意味では今週、バーディーがこれだけ多くとれたことには満足しています(4日間トータルで16バーディー、2イーグル)。初戦ですし、ショットはまだまだでしたけど、今のゴルフを続けていけば、自ずと結果はついてくると思います。

 毎シーズンのことですが、今はまだ来季のシードが確定していないので、それをなるべく早くに確定させるのが、シーズン最初の目標。それでもし、優勝して2年以上のシードが得られれば、次の年に思い切ったことにトライできる。次のステージに行くための準備期間が作れる。だからこそ、今季は優勝したい。それが、最大の目標です」

 4日間を通して、スーパーショットを連発していた石川。すべてが噛み合えば、米ツアーで初優勝を飾る日も、決して遠くはないはずだ。

武川玲子●協力 cooperation by Takekawa Reiko text by Sportiva