12日放送の「新報道2001」(フジテレビ系)で、香港で起こっているデモをめぐりコメンテーターとして出演したアグネス・チャンと評論家の金美齢氏の意見が割れ、激し言い合いとなる一幕があった。

番組では、香港で政府のトップである行政長官の選挙をめぐり香港市民が起こしたデモについて取り上げた。

中国が出した行政長官制度改革案への反発デモと伝えたが、背景には中国本土の観光客による生活用品や不動産などの買い占めによる物価の高騰など、香港市民がこれまで中国本土に抱いた不満や不信感もデモの1つの要因でもあると説明した。

スタジオでは、香港出身のアグネス・チャンが学生たちが政治に関心を持つことは悪くないとしたうえで「イギリスの植民地から返還されるときにお土産として作ってもらた基本法を無視して中国に香港の将来を決めてもらうというのはよくないと思います」と持論を語った。

アグネスの言う基本法とは、1990年に制定された「香港基本法」のことで、香港における言論や報道・出版の自由を認めるというもの。

アグネスとしては、この香港基本法を尊重し、香港国内の政治については中国政府や中国共産党が介入することなく香港人が行うべきだという主張をした。

一方で、台湾出身の評論家・金美齢氏は「行政長官の直接選挙に、民主派の人が1人も出られない」「直接選挙という名は借りてるんだけれども、候補者は全部、北京側が決めるというような状態になっているのが問題なんですよ」と問題点を指摘した。

続けて「そうなると香港のことは香港人が決めるっていうことにはならなくなる」と結論付けると、司会の須田哲夫氏が「アグネスとは考え方がちょっと違いますね」とコメント。すると、金氏は「まったく違います」と言い切った。

アグネスは苦笑いを浮かべたが、香港の選挙委員会は1200人のうち1160人は香港市民が選んでいることに触れ、番組でも選挙委員会で行政長官の立候補者を決め選挙委員会が投票して決めていることを補足。香港市民の民意は反映されている現状であることが示された。

その後、香港がイギリスの植民地から中国に返還された当時の話におよぶと金氏は香港には中国共産党から逃げてきている人が多くいるとし、香港が中国に返還された際にも「逃げられる人は全部逃げたの。英語圏に全部逃げたんですよ」と語った。

これに対しアグネスは「返還されるときは恐かった」と、当時を回顧しながら逃げる人がいたことも語ったが、その後植民地の時代では経験できないことをたくさん経験することによって多くの人が香港へ戻ってきたことを話した。

すると、金氏はまともアグネスを挑発するかのように「ただし、全部外国の国籍を取ってから戻ったの。全部、全部ね」と言い切った。

この金氏のコメントについて国籍を問われたアグネスは「香港のイギリス国籍です」と答えた。

その後、須田氏から返還以前と返還後の今、どちらがいいと感じるかと訊ねられたアグネスは「植民地よりは今の方がいい」と語り、ここでもやはり中国の介入は望まず、中国に決定権を渡すことも拒み、自分たちで決めていきたいと語った。

この話を聞いていた金氏は「アグネスさんの話を聞いていると内部矛盾をはらんでいるような気がするんですよね」と批判。続けて「自分たちの民主派の候補者が立てられない」ことに再度触れると、アグネスは「自分たちの候補者は立てられる」と割って入った。

ただ、行政長官への立候補者は委員会150人以上の賛成票が必要だったが、現状は600人以上の賛成票が必要になっていることをアグネスは説明した。これが事実上、金氏のいう「自分たちの候補者が立てられない」部分に当たってしまうであろう部分だが、番組はここでコマーシャルに入り、この話題に関するアグネスと金氏の議論は途中で終了してしまった。

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