リスキーだが儲けもデカい「上場廃止株」に注目
資産運用を考えるとき、多くの人が目標とするのが「1億円」だ。本当に1億円も必要なのかどうかはさておき、それだけあれば、老後の不安もほとんどなくなると言っていいだろう。だが、年収500万円程度の平凡なサラリーマンが、現実的に資産1億円を達成するのは、なかなか厳しいものがある。我々は認識を改めるべきなのだ。目指すべきは30年先の1億円ではなく、1〜2年先の1000万円である、と。この気づきこそが、1億円への最初の一歩となるだろう。

◆アベノミクス失速の切り札にもなる

「10倍化」を実現するには掟破りが有効なこともある。個人投資家のカタヤマ氏(仮名)の場合、資産10倍化の秘密は「上場廃止株」にあった。

「僕が儲けたのはOHTという銘柄です。仕手筋による株価操作(鉄砲)に巻き込まれ、’07 年には1株150万円まで高騰した直後、20万円まで暴落した背景があります。さらに’09 年には粉飾決算が発覚し、上場廃止が決定。そこで暴落したところを2300円くらいで3000株(総額700万円)買ったんですよ」

 当時のA氏の全財産は1000万円程度。紙クズになる恐れのある株に、有り金の大半を突っ込むとは、なかなかマネできそうにないが……。

「上場廃止の理由が倒産でない限り、株の価値がゼロになることはない。僕がOHTに賭けたのは、時価総額1億円に対して純資産が30億円くらいあったから。それだけの資産があれば、多少の赤字を垂れ流しても2〜3年は持つでしょう。OHTは液晶ディスプレイ用の検査装置を作っているメーカーであり、そのビジネス自体、有望に見えたということもありますね」

 結局、同社は倒産することなく持ちこたえた。2年目からは配当が入るようになり、それから程なくして、地方の投資ファンドから1株2万円での買い取りオファーが。かくして700万円は6000万円へと膨らんだ。

「上場廃止銘柄でハズレを引かないポイントは、純資産が豊富にあること、純資産に対して株価が格安なこと、新株発行で株式が希薄化されていないことですね。また、オーナー企業の場合は、大株主が経営者であるためにMBO(経営陣による買収)の対象になりやすいこと、柔軟な施策展開に期待できることがポイントと言えます」

 景気が上向いている間は、上場廃止銘柄もなかなか出てこないだろうが、不幸にしてアベノミクスがコケたときの切り札として覚えておくのもアリだ。

【カタヤマ氏】
上場廃止株の売買により700万円を6000万円に増やし、今や資産2億円を達成。OHT株をめぐる騒動は、軽くニュースにもなった

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