<日本プロゴルフシニア選手権 住友商事・サミットカップ 最終日◇12日◇サミットゴルフクラブ(6,878ヤード・パー72)>
 “マムシのジョー”の真骨頂。「日本プロシニア選手権 住友商事・サミットカップ」は4ホールに及ぶプレーオフの末、尾崎直道が初のシニアメジャータイトルを手にした。
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 首位の渡辺司から1打ビハインドの状態でのスタート。「流れはどう考えても室田さんと司ちゃんだった」と尾崎自身が語るように、正規の18番のバーディでトータル15アンダーに並ぶまで常にリードを許す展開。それでも「16、17、18はバーディが獲れると思っていたから」と焦ることなくチャンスをうかがうと、16番パー3ではティショットを50センチにつけるスーパーショット。18番パー5もバーディとし、プレーオフに持ち込んだ。
 “マムシ”はプレーオフでも力を発揮。2ホール目では外せば敗退が濃厚となる4メートルのバーディパットを「上りのスライス。こんなところショートしてたらしょうがない」と気合いでねじ込み、内側につけた室田、渡辺の勝ち抜けを許さず。室田は直後の3ホール目に脱落。昨年大会をプレーオフの末制した渡辺も最後は1.5メートルのバーディパットを決めきれず、尾崎の粘りの前に屈した。
 だが、不屈の男もこの勝利まで苦しみの中にいた。2012年に国内シニアツアー本格参戦初年度で賞金王に輝いたが、昨年は未勝利。チャンピオンズツアーから日本に主戦場を移してからは「のんびりやればいいかな」とゴルフに対する熱も落としていたことも確かだが、結果がでない日々に「俺はもうダメだ。球も飛ばないしさ」と関係者に弱音を吐いたこともあった。
 それでも、今季からテーラーメイドと契約を結び、気分も一新。自ら「つまんない1年」と評した昨年を振り返って、「やっぱり、俺は走り続けるしかないんだなと。最後振り続けられるまで、神経をすりへらしていくような人生がいいなと思いましたね」と再び前向きにゴルフと向き合い出した。夏場からはテーラーメイドの新クラブ「グローレF」で、自身が広告塔に起用されたことも「まだ俺を必要としてくれるのか」とモチベーションを取り戻す一因となった。
 次週の「日本オープン」には出場しないものの、その後は「休まないですよ」レギュラーツアー、シニアツアー掛け持ちで全試合に出場することを明言。レギュラーツアーでの戦いは現在7試合連続予選落ち(1試合棄権)中と結果が出ず「最近居心地が悪い」と笑ったが、「まだ若い子達と一緒の場で戦うことが好きだから」と体がもつ限り第一線で戦いの場を求めていく姿勢はつらぬき続ける。
 「レギュラーで優勝争いをマグレでもいいからしたら、その時は死んでもいいと思って(クラブを)振る。今の夢はそれだね」。58歳。どこまでも粘り強く戦い続ける“マムシのジョー”の生きざまを体現するのは、これからだ。
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