病状が進んでいる場合は塩化亜鉛処置が必要だが、「喉が痛い」「熱があるようだ」など初期段階なら、鼻うがいが大きな手助けになると、医療関係者の多くは語る。
 それではここで、「鼻うがい」の正しいやり方をカンダ耳鼻咽喉科の神田照美院長に聞こう。
 「まず、真水を使うと浸透圧の関係で鼻粘膜を傷つけたり、痛みを感じる恐れもあるため、少々手間が掛かりますが、体液に近い濃度の食塩水を使うようにしてください。水道水も避けること。もし水道水を使う場合は、熱して滅菌したものを冷まして使うようにしてください」

 以下、神田院長のアドバイスによる、「鼻うがい」用の水の生成とうがい法だ。

【生理食塩水を作る】
●用意するもの
・ぬるま湯(煮沸してカルキを飛ばす)
・塩=一つまみ程度(濃度は0.9%程度が望ましいので、250ccの水に対して2グラム強が目安)
※作り置きは衛生上芳しくないため、その都度作った方が良い。

【うがいの仕方】
 塩湯を、鼻のどちらからの穴からでもいいので吸い込む。その際、喉を締め付けるような気持ちで吸い込まないと鼻から入ってきた塩湯を飲んでしまう事になる。飲み込んでもそれほど問題はないものの、ゲホゲホとむせてしまうことがある。慣れれば全く問題なくできるようになる。

【うがい時の姿勢】
 唾液や食塩水を呑み込もうとすると、中耳炎などのリスクが高まるので注意。自分が濡れぬよう衣服にタオルをかけておく。

【うがい後の注意】
 鼻うがいの後、鼻の中に食塩水が残り、思わず鼻をかみたくなる。しかし、鼻の粘膜や耳を傷める危険性があるので、強くかまないようにすることが肝要。

 「鼻うがいを行った後は、不思議なくらい痛みや鼻づまりも解消。体調も良くなってきた感じです」
 と話すのは、体験者で自営業の加藤憲明さん(仮名=50歳)。
 「私の知り合いからの受けうりですがね。本当かウソか知りませんが、放送局のアナウンサーは風邪を引かない人がほとんどだそうで、その理由は“鼻うがい”をやっている人が多いとかで。私も近くの医者に勧められ、おっかなびっくりで始めたんですが、慣れたら効果抜群です」

 やはり慣れるまでは少々辛かったが、そのうちすんなりできるようになったという。
 「もともと、うがいそのものもやったことがなかったし、まして鼻の穴からうがい水を入れるなんて…。とにかくうがい薬(食塩水)の作り方から鼻に吸い上げる方法を教えてもらい、やってみたんです。最初、涙が出たりきつかったが、慣れれば何ということはありません。普通のうがいと併用すると、なお良いらしい。鼻の粘膜も鍛えられ風邪も引かないでいられそうです」(同)

 単なる風邪予防だけでなく、さまざまな病気を予防する鼻うがい。季節の変わり目で風邪を引きやすいこの時期にこそ、試してみてはどうだろうか。