子どもと一緒にコンピューターを組み立てられるキット「Kano」、ついに一般販売を開始

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子どもが(そして大人も)、自分の手でコンピューターを組み立てられるパーツが揃ったキット「Kano」。先日一般販売されたKanoの可能性は、どこにあるのか。

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以前Kanoについて記事を書いた際は、ロンドンを拠点にする同社はKickstarterキャンペーンの目標額10万ドルを勢いよく突破し、その調達額が150万ドルに迫ろうとしているところだった。その後、Kanoは初期のサポーターに対して1万8000台のDIYコンピューターキットを出荷、10月7日からは誰でも購入できるようになった。

Kanoについてよく知らない読者のために、もう一度簡単におさらいをしておこう。

アレックス・クライン、ヨナタン・ラズ-フリードマン、ソール・クラインが立ち上げたKanoは、子どもが(そして大人も)自分でコンピューターを組み立てられるパーツが揃ったキットをつくっている。1台のRaspberry Piボード、ワイヤレスキーボード、ドングル、ケーブル、Kanoのオペレーティングシステムが含まれたメモリカードで構成される。

Kanoのそもそものアイデアは、子どもがこうしたパーツを元に、モニターに接続すれば使えるコンピューターを自分でつくれるようにするというものだ。

ストーリー式の説明書を読めば、そのプロセスを理解でき、またKano OS上でコーディングを学ぶことができる。ワイヤレスサーバーをつくったり、Minecraftを再プログラムして独自の世界をつくったり、音楽の制作や、単に文書作成だけを行うこともできる。

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当然ながら、最大のポイントはこうした作業のすべてを、自分でつくったコンピューター上で行うことができるという点だ。

「過去20年もの間、わたしたちは自分のデヴァイスを完全に封印して、青いスクリーン画面の下に閉じ込めたまま、マウスで操作するだけだった」。共同設立者のクライン氏は言う。

「デヴァイスをパーツごとに分解して、それぞれに個性を与えて若い人の前に出すと、それはコーディングキット以上のものに変化するんだ。創造性を刺激することができるんだよ」

Kanoは、いまの大きなトレンドを象徴する存在でもある。ユーザーの好奇心を刺激し、一体これは何なんだという類の疑問に対して答えを与えることで、テクノロジーに対する受け身な姿勢を変えようと試みるハードウェアスタートアップのひとつだ。ソフトウェアとハードウェアのつながりを強化することで、彼らいわく、子ども達が両者について深く理解できるようにするのだ。

こうした思想は、littleBitsやTechnology Will Save Usといった他のキットにも見られるものだ。Raspberry PiをベースにしたDIYキットは珍しいものではないが、Kanoには他のキットにはない洗練さが感じられる。Edward BarberとJay Osgerbyが運営するデザイン会社、Map Projectのおかげで、完成度の高い見た目が実現している。

一方でKanoの外観はモダンだが、その中心となる思想は80年代に遡る。「Kanoを、Apple I みたいなエンドツーエンドな感覚のものにしたいと思っている。ずっと幅広いユーザーを対象にしつつ」とKleinは言う。

コンピューターの本質をすぐにつかめる子どもはあまりいない。それはもっともなことだ。学習をはじめるとすぐに、それはかなり複雑なものだと分かる。

Kanoのようなものの真の魅力は、ともすれば学士号を取得しなければ理解できないような仕組みを、シンプルに分かりやすく説明してくれる点にある。Kanoが世に出てから数日も経っていないが、Kleinは、子ども達はこうしたものを学ぶことができるし、同時に学びたがっていると確信している。

「子どもに無理やり勉強しろといったり、迎合する必要はない。ことテクノロジーに関しては、特に」彼は言う。「分かりやすい言葉と、良いストーリー、本物のゲームの仕組みを使えば、普遍的なものを引き出すことができるんだ」。

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