秋場所、新入幕にもかかわらず1横綱2大関を倒すなど、13勝を挙げて大相撲ファンの度肝を抜き、殊勲賞、技能賞をダブル受賞した逸ノ城(21)。場所が終わってもフィーバーは収まる気配がない。
 「いまや逸ノ城を抜きにして大相撲界は語れません。千秋楽の翌日もマスコミ各社の要請を受けて急きょ夕方に臨時の記者会見が設定され、テレビカメラが8台、50人を超える報道陣が集まりました。場所前までは遠藤、遠藤だったのに、あの騒ぎはいまいずこ、といった感じです」(担当記者)

 もっとも遠藤は逸ノ城と正反対のたった3勝しかできなかったのだから、この手のひら返し現象も仕方あるまい。来場所の逸ノ城は史上最速タイの入幕から2場所目の三役昇進がほぼ確実。横綱、大関と総当たりするのも決定的だ。今度もどんな怪物パワーを発揮するか今から楽しみだが、上位陣だって黙ってはいない。
 「新弟子同様の若造に立て続けにヤラれては、横綱、大関の面目丸つぶれですからね。今度はそうはいかんぞ、と目の色を変えて弱点や攻略法を徹底的に研究してくるはずです。逸ノ城以前に、北の富士、陸奥嵐の2人が新入幕で13勝していますが、翌場所は上位陣に猛反撃されて負け越しています。逸ノ城はどうなるか。この場所後の兄弟子たちとの駆け引きが見ものです」(協会関係者)

 その舞台となるのが10月10日から金沢市や広島市など13カ所、17日間にわたって行われる秋巡業。すでに逸ノ城も先輩力士などに寄ってたかって裸にされるのは覚悟の上で「横綱が胸を出してくれると思うので、喜んでかわいがられます」と稽古場で引っ張り回されることを大歓迎している。さらにはこんな希望も。
 「遠藤関と稽古してみたいですね。自分と違ってカッコいいし有名人。強いというイメージがあるので、自分の力を試してみたい」

 秋場所では成績が違い過ぎて対戦できなかったこの人気者を、稽古場で粉砕しようと虎視眈々。果たしてこの“怪物”にプロの厳しさを教える先輩力士は現れるだろうか。