[10.9 AFC U-19選手権GL第1戦 U-19日本代表 1-2 U-19中国代表 ミャンマー]

 どんな大会でも初戦の重要性は変わらない。単純に結果を出すことで優位に立つだけでなく、チームの状態を上げる意味合いもある。U-19日本代表の初戦は、最悪の形になった。開始25秒でPKを与えて1分で失点。南野拓実(C大阪)の同点ゴールも報われず、終盤に直接FKからの失点で敗れた。同じグループには連覇を狙う韓国もいる。4チーム総当たりのリーグ戦で2位以上にならなければ、決勝トーナメントには進めない。日本は、最も勝ち点を与えてはいけない相手に敗れたのだから痛恨だ。試合内容は、ハッキリ言えば、すべてがチグハグだった。立ち上がりの不用意なファウルに始まり、本来は攻撃のテンポアップを担う中盤がほとんど機能せず、最後は前へ急ぐ選手と横パスを丁寧につなぐ選手が混在してまとまりを欠いた。

 序盤から苦しみ続けていたのが、左MFで先発した金子翔太(清水)だった。持ち前のアグレッシブなプレーで積極的にシュートを飛ばしたが、ファーストタッチからもたつく場面が多く、チームを勇気付けるようなシーンを作ることができなかった。試合後、焦燥した表情の金子は「立ち上がりにミスからPKで失点してしまって、あの1点は精神的に大きかった。その中でも立て直して、拓実君の個人技だったけど、1点を返せた。少しずつリズムを持って来て追いつけたけど、そこから僕個人として、決められるチャンスを決められなかった。そこが一番悔しい」と、うつむき加減に話した。右MFの関根貴大(浦和)は縦への突破からチャンスメークを果たしていたが、こちらもシュートに手ごたえがなかった。後半26分に訪れたビッグチャンスでは、金子に代わって投入された奥川雅也(京都U-18)が縦への突破から送ったクロスを、左足で大きく空振り。ゴールへ飛ばしていれば2次攻撃のチャンスもあり得たが、好機をふいにしてしまった。攻撃の核だったMF川辺駿(広島)も鋭いパスは見せていたが、前半で交代と影は薄かった。

 むしろ、試合の後半から攻撃のリズムを作っていたのは、途中出場の井手口陽介(G大阪)と奥川だった。これまでチームを引っ張って来た主力組がどこか慎重にプレーしがちの中、井手口は後半開始から積極的に打って出た。前に出ながらボールを奪い、その勢いを活かして縦パスから前線へと追い越しをかけた。シュートチャンスで横パスを出してしまった場面はあったが、全体的にはチームの活性化を果たした。奥川は左サイドで得意のドリブル突破からチャンスを演出。組織プレーがうまく機能しない中では、機能させるための努力も必要だが、単独突破によって優位な状況を生み出すことも効果的だ。2人が作った勢いは、少しずつ浸透した。右DFの広瀬陸斗(水戸)が果敢な攻撃参加を見せたのは、彼ら2人が投入された後だった。

 初戦で敗れた日本には、後がない。エースの南野が別格の存在感を見せていたことは頼もしいが、チームには新たなエネルギーが必要だ。従来の主力組の復活も良いが、それを呼び込むためにもやはり第2戦のベトナム戦では「コイツが入れば、この形で行ける」と皆が思える、大会のラッキーボーイの台頭が期待される。井手口か奥川か、それとも新たに出場機会を得る選手か。苦境を勝ち抜く雰囲気を作る選手が出てこなければ、苦しいだろう。

(取材・文 平野貴也)
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