「男性と女性では脳の仕組みが微妙に違います。例えば“性欲と食欲”に関する話も、男女では全く別物になるのです」
 こう語るのは『脳で感じるSEX入門』の著者でもある、ドクター林氏だ。

 皆さんも聞いたことがあるだろう。「食欲が旺盛な人は、性欲も旺盛」という都市伝説のようなあのウワサだ。
 「実はコレ、都市伝説でもなんでもない。確かに性欲中枢と食欲中枢は、脳の視床下部と近い位置にあるため、影響を受けやすいのです。例えば、女性は欲求不満になると過食に走りやすく、失恋すると、食欲が落ちてしまうことも多い」

 つまり、食欲と性欲のどちらかが満たされていないと、どちらかで満たそうとする傾向があるというのだ。
 「かといって、お腹をすかせれば、女性は性欲が高まる…そんな単純な話でもないんです。美味しいものを食べて食欲が満たされると、性欲も高まるのも事実。要は食欲と性欲は脳の中で非常に“密接な関係”であるだけなんです」

 さて、ここで問題なのが男性の場合だ。男もまた食欲と性欲が密接なのかというと、実はそうではないらしい。
 「男性の場合、食欲中枢と性欲中枢が女性に比べると、位置が少し離れているため、それほど影響は受けない。むしろ、体格的には食欲旺盛で太りすぎの人は性欲が弱いのです」

 このコーナーで何度も説明してきたが、男性の性欲は男性ホルモンの分泌量が影響する。運動不足で太りすぎになると、男性ホルモンの分泌は減少するのは事実だ。
 「もちろん、よく食べて、よく運動して鍛えている人は別ですけどね。そうでない限り、やたら食欲旺盛な男性はストレスを抱えているともいえます」

 こうした点を踏まえると、食欲=性欲は女性にだけ当てはまる話なのだ。
 そして、ここから「女性脳」を生かした、ある口説き方が見えてくるという。
 「先ほども述べましたが、女性は美味しいモノを食べて食欲が満たされると“幸福感”も高まります。それが脳の視床下部にある性欲中枢も刺激して、“こっちも満たされたい”となるのです。つまり、女性に“幸せな食事”をさせることが、もっとも性欲を高められる方法なのです」

 それだけではない。一緒に食事をすることで、女性は“共感”も覚える。
 「ここが大事。男性と一緒にいて食欲が満たされている…このとき、“この人とセックスしたい”という欲望も生まれやすいのです。だから男性は女性に美味しいものを食べさせている際、時々、目を見つめ合うなどの行為を入れるといい。そうすることで、2人の間ですでに性欲を高めあう行為が始まっているんです」

 アレコレとデートコースや口説き文句を考えるより、美味いモノを食べさせて見つめ合うほうが、よっぽど効果的なのだ。ただし、注意点がある。
 「食欲が満たされると“これで十分”と脳が考えてしまう危険もあります。なので、セックスをするなら満腹感がなくなる2時間後に行うのがベスト」

 一緒に食事してソノ気にさせてから、少しお散歩でもして、ゆっくりとベッドインすべきなのだ。

ドクター林
弘邦医院(東京・江戸川区)院長。『脳で感じるセックス入門』や『お医者さまが教える癒されてもっと気持ちよくなる!』など著書も多数。ED治療にも精通しており、現在、同医院では局部海綿体注入法による「ICI治療」も行っている。