Q:毎年、スギ花粉が飛ぶ季節になると、鼻詰まり、鼻水、目のかゆみなど花粉症に悩まされます。病院に通って薬で治療しますが、症状がスッキリとおさまることはありません。減感作療法という治療法が効果的とのことですが、頻繁に病院に通わなければならないとのこと。何かよい治療法があれば教えてください。(26歳・カラオケ店勤務)

 A:スギ花粉症は、日本国民の20%以上が患っている国民病といってよいほどの病気です。治療としては、スギ花粉が飛散する数カ月間、抗ヒスタミン剤(抗アレルギー剤)の内服を余儀なくされることになりますが、あくまで対症療法です。
 ご質問の方が聞いたという治療法は、注射をするタイプの減感作療法のことでしょう。この療法は根治が期待できる療法として以前からあります。健康保険の適用にもなりましたが、あまり普及しませんでした。
 花粉症は、花粉に対して免疫が過剰に反応して起こるアレルギーです。減感作療法は、そのアレルギーを引き起こす原因物質を注射して免疫を花粉に慣れさせ、アレルギーを改善しようとするものです。
 皮下注射を週に一回行いますが、回数を重ねるにつれ、注射する量を増やします。痛いですし、3年間、毎週病院やクリニックに通い続けなければなりません。しかも、約800回に一回、アナフィラキシーショックを起こすリスクがあります。

●注射に比べて楽に受けられる
 さて、注射による減感作療法と交代するように、現在は「舌下免疫療法」という新しい治療法が今年から健康保険で受けられることになりました。これは、その名のごとく、液体や錠剤を舌下から体に吸収させます。舌下に含み5分後に嚥下する方法で、1日1回行います。医師に処方してもらえば自宅で治療することが可能です。
 効果のほうもかなり期待できそうで、3年間継続すれば、その後7年間は花粉症の症状から逃れられることが多いとのことです。現在の抗ヒスタミン剤との併用も可能で、この治療を開始して3カ月後にヒスタミン剤の量を減らしても症状が出なくなる人もいます。
 スギ花粉症の人がこの療法を行う場合、スギ花粉の飛散時期に始めることはできません。スギ花粉が飛散する以前の、前年の11月以前から始めることが必要です。

牧典彦氏(小山病院院長)
自律神経免疫療法(刺絡)や加圧トレーニング、温熱療法、オゾン療法など保険診療の枠に捕われずベストな治療を実践。小山病院(大阪市東住吉区)院長。