では、自律神経の働きを整えるにはどうしたらいいのだろうか。例えば冷え過ぎた体は温める必要がある。お風呂にじっくりと浸かり、日頃から運動で軽く汗をかくことが大事だ。
 「しかし運動は無理をせず、涼しい早朝の散歩やラジオ体操、室内のストレッチでもいいのです。1日1回筋肉を使い、軽く汗をかくことが秋バテ予防や解消につながります」(前出・片岡氏)

 加えて食事管理も重要になってくる。新潟大学病院の元管理栄養士で料理研究家・林康子氏も「秋バテを乗り越えるためには、カロリーが少なくても栄養素があるものを効率よく摂る事が大切になります」とアドバイスし、疲れた胃を休ませ、体調を整えるための簡単料理を挙げてくれた。

 1「ねばねば丼」…納豆、オクラ、長芋を合わせてご飯の上に乗せた丼ぶり。納豆などのねばねばした食材には胃の粘膜を守るムチンが多く含まれている。また長芋にはでんぷん分解酵素が含まれており、ご飯の消化もよくなる。
 「メカブを乗せ、薬味としてミョウガを添えるのもいいでしょう。口からするするっと入るので、食欲がない時でも食べやすい」(林氏)

 2「きのこたっぷり簡単芋煮汁」…これは具だくさんの汁物だ。
 「低カロリーの汁物で、きのこはうま味成分を含んでいるし、食物繊維が胃の調子を整えてくれます。これにユズコショウやショウガを薬味に添えると食欲も増します」(同)

 3「キウイとエビのおろし和え」…フルーツを使った和え物で、キウイは不足しがちな栄養素を少量で効率よく摂れる“高栄養密度フルーツ”と呼ばれる。
 林氏によれば、ビタミンCは暑さによるストレスで消耗しやすいが、キウイ1個(100グラム)にはビタミンCが温州みかん2.2個分含まれているという。腸内環境を整える食物繊維も、バナナ2本分摂れるそうだ。さらに大根おろしで和えることで胃にも優しい。エビの代わりにカニやかにかまを使ってもいい。

 最後に大事なのが「睡眠」だ。「大切なのは寝室の環境作りです」と言うのは、健康管理士・小沢勉さんだ。
 「お天気のいい日は窓を開け、空気を入れ替えるひと手間がほしいですね。そして何より、室温は28℃前後、湿度50〜60%ぐらの暑すぎず冷え過ぎない環境がスムーズな入眠に繋がります。最も深い眠りは、寝始めから1〜2時間ですので、眠る前の刺激的な飲み物やテレビ番組は避けるようにしたい。寝具も、季節で洋服を着替えるような感覚で寝具も使い分けたいものです」

 今年は天候不順で秋の季節を堪能できるか不安な面もあるが、せめて我が身は健康で“秋バテ”のない爽快感を味わいたいものである。