サンドロ・ボッティチェリ 《パラスとケンタウロス》 1480-85年 テンペラ、カンヴァス ウフィツィ美術館 FOTO:S.S.P.S.A.E e per il Polo Museale della citta di Firenze - Gabinetto Fotografico

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イタリア・フィレンツェにあるウフィツィ美術館の名品を、日本で初めて大々的に紹介する「ウフィツィ美術館展 黄金のルネサンス ボッティチェリからブロンヅィーノまで」が2014年10月11日から12月14日まで、東京・上野公園の東京都美術館で開かれる。

最大の見どころはボッティチェリ。代表作「パラスとケンタウロス」など、本人が描いたとはっきりわかっている作品が4点、ボッティチェリの工房作などを含めると9点が一挙に公開される。

ルーツは16世紀までさかのぼる

ヨーロッパの有名美術館で最も歴史が古いのは? 入場するまでの待ち時間がとてつもなく長いのは?

正解はたぶん、「ウフィツィ美術館」ではないだろうか。

大英博物館やルーブル美術館と同じく、すでに18世紀からコレクションが一般公開されている老舗だ。さらに歴史をたどると、美術館としてのルーツは16世紀末、建物が「メディチ家の事務所」として利用され、そこに彫刻や絵画が飾られていた時代までさかのぼる。「ウフィツィ」というのはイタリア語でこの事務所の意味で、英語だと「オフィス」のことだという。

イタリア・ルネサンスの中心都市フィレンツェでは、メディチ家の支援で新しい芸術の花が開いた。ウフィツィ美術館にはそうしたルネサンス美術の名品が数多く収蔵されている。とくにボッティチェリの「春」や「ヴィーナスの誕生」、レオナルド・ダ・ヴィンチの「受胎告知」などが有名だ。

世界中から観光客が押し寄せるため、普通に訪れると、「3時間待ち」が当たり前といわれてきた。日本から行く場合は、「必ず事前に入場券を予約するように」と旅行代理店に念押しされる美術館としても知られている。

フィレンツェ・ルネサンスの真髄に迫る

今回の展覧会では約80点が展示されるが、このうち約半数がウフィツィ美術館からの出品。一度にこれだけの数の同館の作品が日本で公開されるのは初めてという。このほかフィレンツェにあるアカデミア美術館、捨て子養育院美術館、サン・マルコ美術館、パラティーナ美術館などからも出品されている。

圧巻がボッティチェリ関係の9作品だ。初期の聖母子像から晩年の個性的な作品まで、フィレンツェの主要な美術館に所蔵される数々のボッティチェリの名品が一堂に並ぶ。現地を訪れても一度に全部見るのは難しいだけに貴重な機会だ。

このほかアンドレア・デル・サルトやポントルモ、ブロンヅィーノら、16世紀のフィレンツェ美術を牽引した主要な画家たちの作品も。ボッティチェリに加えて、これらの作品を通して豊かで多様なフィレンツェ・ルネサンスの真髄に迫ることができそうだ。イタリア、とりわけフィレンツェ好きの人にとっては絶対に見逃がせない、魅力たっぷりの展覧会となっている。