管理栄養士・浅野まみこ先生

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先日厚生労働省から発表された「健康マーク」。ご存知ですか?

「外食」続きでも健康になる選び方

コンビニやスーパーの惣菜などに表示できる認証マークのことで、主食、主菜、副菜の3分野について異なる色で示し、3色をうまく組み合わせれば手軽に栄養バランスのよい食事をとれるようになるというもの(2015年4月以降運用開始予定)。

今やコンビニ食は、きちんと選べば国も認める立派な食事として認知されつつあるようです。つまり、仕事柄外食続きになる人やコンビニ食に頼りがちな人でも、ちょっとしたコツを掴めばダイエットや健康に気を配れるということ。

これまで病院や企業などで1万8000件以上の栄養相談を実施、著書『「コンビニ食・外食」で健康になる方法』も話題となった美人管理栄養士・浅野まみこ先生が、コンビニ食で体の中からキレイになる方法を教えてくれました。

■まずは店内のめぐり方のルールを知ろう

コンビニで食べ物を購入するとき、まず大事なのは空腹で行かないこと。
腹ペコの状態だと人間は本能的に“危機”を感じてしまい、ついエネルギーのあるものを求めて正しいものの選択ができなくなります。

店内のめぐり方は、雑誌コーナーから飲み物コーナー、おかずコーナー、最後におにぎりやパンなどの炭水化物を選びます。これはコンビニ店内を配置通りに全体を巡るだけでOKなのです。

気を付けたいのは、カップラーメンやおにぎりのコーナーに直行し、会計中に目についたレジ脇の揚げ物コーナーを衝動買いすること。普段の運動量にもよりますが、太りやすい行動パターンといえます。

■コンビニ弁当を選ぶときの注意点

コンビニ食の問題点を挙げると、

×1 野菜が少ない
×2 塩分や砂糖が多く使われ、味が濃い
×3 揚げ物メニューが多い
×4 ごはんの量が多い
×5 つけあわせにパスタやポテトサラダなど炭水化物が多い

などがあります。そこで、次のような点に注意して選ぶのがおすすめです。

○1 揚げ物中心の弁当は避ける
○2 「お好み焼き+焼きそば」やごはんの脇にパスタやポテトが入った弁当のように、炭水化物のメニューをかぶらせないこと
○3 野菜が不足している場合は生トマトやカットキャベツなどを買い足す

特に(3)の「コンビニ弁当」+「野菜」はひとつのパターンとして覚えておくのがおすすめです。

■「おでん」はおすすめ優良食品

温かい状態で提供されるおでんは、食事の満足度が上がる優良食品。野菜やタンパク質、炭水化物など栄養バランスの良い食材が豊富に含まれています。

特におすすめの具材を紹介します。

・大根は食物繊維が豊富でリーズナブル
・卵は脂肪分が少なくタンパク質としてとても優秀。ゆで卵のように調味料をつけなくても、じんわり味が染みている点も◎
・イワシやサンマなど、青魚の身をすりおろしたつみれは、不足しがちなDHAやEPAなどのn-3系脂肪酸を摂取できる
・こんにゃくや豆腐、牛すじなどもおすすめ

逆に、炭水化物がメインのじゃがいもを食べる場合はおにぎりをなしにするなど注意が必要です。

重要なポイントは、おでんのつゆはできる限り残すこと。塩分のとりすぎになってしまいます。特に子供と一緒に食べる際には、少しアレンジして塩分を薄くしましょう。

■「ポテトサラダ」はサラダじゃない!?

じゃがいもを加熱してマヨネーズと混ぜ、塩、コショウ、砂糖などを加え、少量のたまねぎとにんじんなどを混ぜるポテトサラダ。

炭水化物が多いじゃがいもに、9割が油といえるマヨネーズを大量に混ぜるポテトサラダは、高カロリーで太りやすく、サラダのようでサラダとはいいがたいメニューなのです。

ポテトサラダを選んだ場合には、ごはんやパンを控えめにするなど工夫が必要。
同じ理由でパスタサラダは立派な一食と考えましょう。弁当などのプラスαとして取り入れる場合には、野菜スティックや緑黄色野菜のサラダがおすすめです。

■血液がサラサラになる「n-3系」の油は魚の缶詰と魚肉ソーセージで

魚の油は、血液をサラサラにしてくれるという「n-3系多価不飽和脂肪酸」であるDHAやEPAです。

油の多い青魚を食べるのが手っ取り早いのですが、コンビニで青魚を探すのは至難の業。しかし、よく探すと発見できるのは缶詰と魚肉ソーセージです。

特にマルハニチロ食品の「リサーラ」という商品はDHAとEPAが豊富。1日当たりの摂取量もクリアしています。また、さんま蒲焼の缶詰やサバ缶、サケ缶、イワシ缶など、コンビニでもよく見かける商品を上手に取り入れることもコツです。

■マーガリンやショートニングを使った食品に注意

悪玉コレステロールを増加させ、心臓疾患のリスクを高めるなどとされる「トランス脂肪酸」を多く含む食品はおすすめしません。
トランス脂肪酸は現在アメリカでは全面禁止となりましたが、日本ではまだまだ多く使われています。表示を確認しましょう。

■ 表示をしっかり確認しつつ、賢く利用しよう

コンビニには、ボイルしたいかや蒸したチキンむね、半熟卵など、自分で調理するには面倒なものも手軽に売っています。
また、最近では糖質OFFにこだわったパンやロールケーキ、クッキーなどをシリーズ化して売っているコンビニもあり、炭水化物に偏りがちな人におすすめ。

小さな子供がいる場合には少し足が遠のいてしまいそうなコンビニ食も、カット野菜や缶詰(やや塩分注意)をアレンジするなど、少し手を加えて簡単メニューにすることで利用しやすくなります。

仕事が忙しく自炊できない人も、色々なことに時間をとられてじっくり料理することができないファミリーにも、選び方によって健康を維持できるメニューが、コンビニには豊富に揃っています。

保存料などの添加物を使っていない、こだわり商品を提供しているコンビニもあるので、表示をチェックしながら、手軽で便利に利用したいですね。

■大切なのは何を選ぶか

最後に、「大切な事は、何を選ぶかだと思います」と教えてくれた浅野先生。

「コンビニ等での加工食品は、塩分過多、脂質過多に偏りがちな傾向はあります。そこをきちんと意識して選ぶことで、自分にあった健康的な食材を選ぶことが可能です。」

正しくコツをつかんで、好きなものを食べながらカラダを健康に保ちたいですね。
他にも、浅野先生の著書『「コンビニ食・外食」で健康になる方法』には様々なポイントが書かれています。こちらもご参考に。


■浅野まみこ(管理栄養士 健康運動指導士・株式会社エビータ代表取締役)
総合病院、女性クリニック、企業カウンセリングにて1万8千人以上の栄養相談を実施。その経験を生かし、企業のコンサルティング、レシピ開発など多方面で活躍。年間100時間以上の講演を行い全国を飛び回っている。
NHKおはよう日本、日本テレビ「ヒルナンデス」ほか多数出演。新著に「やせられないのは、夕方の空腹が原因だった」(青春出版社)「コンビニ食・外食」で健康になる方法」(草思社)。