そもそもリサーチ対象への保護を必要としているのは誰なのか?

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フェイスブックがオンラインリサーチのガイドラインについての変更を公表した時、そこには明らかな欠落があった。このSNSがユーザーをどの様に扱うかについて何も述べられてなかったのだ。

今年の夏の初め頃、ポジティブ(もしくはネガティブ)な投稿がユーザーの感情にどのような影響を与えるかという実験を行った際、フェイスブックは大きな批判を浴びた。この批判を沈静化するため、フェイスブックは先週の木曜、オンラインでの実験をより責任のあるものにするための新しいガイドラインを発表した。

このフレームワークにはリサーチの企画をより綿密に吟味するプロセス、「該当分野におけるシニアリサーチャー」とフェイスブックメンバーによるレビュー、従業者がリサーチを行えるようになるための6週間にわたるプログラム、フェイスブックでの研究内容を発表するための新しいウェブサイトが含まれている。

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フェイスブックはユーザーが安全なものであると無条件に信じこみ、合意していない実験に参加させられる可能性についても特に気にかけない事を望んでいる。しかし先週木曜のブログの投稿では、そこまでの安心感を植え付けることは出来なかった。

「この表明で明らかに抜け落ちてるのは”倫理(Ethic)”という単語だ。ここでは倫理上の問題について誰がどの様に取り組むのかという事について何も語られておらず、そのレビュープロセスがどのようなものかについても明らかではない」と、アイオワ州立大学の教授でかつ、ハーバード大学バークマンセンターの准教員である、レイノール・ジュンコはインタビューで答えてくれた。

今年のはじめジュンコと話した際、彼はフェイスブックのリサーチの問題について語り、そこで他の企業が行うA/Bテストの形態を取ったリサーチとの異なる点は、その実験が与える損害の可能性だといった。
前回彼が言ったことは、

リサーチで得られたことは、介入操作を行う価値があるものだろうか?もしそうだとすれば、その影響を最小化するために何をするべきか?

この件についてフェイスブックは沈黙している。

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使用承諾契約の合意

フェイスブックが感情伝染の実験を公表した時、最大の懸念の1つはユーザーから説明の上での同意を取り付けてなかった点だ。つまりユーザーは実験に参加させられていた事を知らなかったという事である。了承を得ずに、フェイスブックはユーザーの心理操作を行ったのだ。

この実験は適法なのかも知れないが、倫理的とは言えないだろう。The Atlanticによると、実験は実験対象となる人の権利を保護することを目的に設立された、施設内倫理委員会に一切諮ること無く行われたという。フェイスブックの最新のブログの投稿には、学会を交えて取り組むとあるが、再び同じような実験を行う際に委員会の認可を取り付けるとは言ってない。

プライバシー監査機関である電子プライバシー情報センターは、米連邦取引委に、フェイスブックが実験を行う際に、法律を侵したと提訴した。このSNSがユーザーの情報がリサーチに使われるかも知れないということを明示していないというのがその理由だ。

フェイスブックは自分たちのポリシーについて見なおしたが、しかしそれが将来行う研究のための十分なインフォームド・コンセントを得るに足りるのかについては明らかではない。

「悪魔は細部に潜んでいる。一見素晴らしいステートメントのようだが、実際どの様に機能するというのだろう?ユーザーの保護がどれほどしっかりしたモノになるのかについて語れることはない。なぜ同じ間違いは起こらないのかという事について、彼らは何も言っていない。あるいは同じ間違いが起こったとして、彼らは「いやいや、我々には明確なガイドラインも諮問委員会もありますよ」とでも言うのだろうか?」とジュンコは語った。

ガイドラインが出来たのはいいことだ。透明性が高まったのも良い兆候だ。フェイスブックはこの新しいガイドラインを、自社内および対外に公開される価値ある実験に適用する予定でいる。

画像提供:Robert Scoble

Selena Larson
[原文]