スイスへの「安楽死ツアー」が密かな話題になっています。

 ヨーロッパでは2002年4月にオランダがはじめて安楽死を合法化し、ベルギーとルクセンブルクがそれに続きましたが、自国民にしか安楽死を認めませんでした。それに対してスイスでは、外国人でも自殺幇助機関に登録でき、不治の病の末期であれば安楽死を受けられます。費用は7000ドル(約70万円)で、現在は60カ国5500人が登録しているといいます。

 ベルギーで「最高齢アスリート」として親しまれてきたエミール・パウェルスさんは今年1月、家族や友人約100人とシャンパンで乾杯したあと安楽死しました。パウェルスさんは高齢者選手権で数々の記録を打ち立てましたが、末期の胃がんで寝たきりの生活を余儀なくされていました。取材に対して、「わたしの人生の中で最高のパーティだ。友人全員に囲まれて、シャンパンと共に逝くのが嫌だなんて人がいるかい?」とこたえています。

 北欧やベネルクス3国など「北の欧州」はネオリベ化が進んでいて、「個人の自由を最大限尊重し、人生は自己決定に委ねられるべきだ」というのが新しい社会常識になっています。こうして売春やドラッグ(大麻)が合法化され、安楽死が容認されるようになったのですが、その流れはますます強まっています。

 安楽死は本人の意思を確認できる18歳以上が原則ですが、オランダでは「子どもを苦痛にさらすのは非人間的だ」との理由で12歳まで引き下げられました。また重度の認知症で意思表示ができなくても、事前に安楽死の希望を伝えておけば、病状が進行したあとに医師の判断で安楽死させることも合法化されました。もっともどの国もうつ病など精神的な理由での安楽死は認めておらず、死が避けられないことや、激しい苦痛をともなうことが前提となっています。

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