ひと昔前は「息を止めて入る」「一刻も早く出たい」場所だったトイレは、今や、音楽を聴いたり、水を飲んだり、マッサージをしたり、まるでリラックスルーム。

 そんなここ数年のトイレ環境の変化についてお笑いコンビ『どきどきキャンプ』のツッコミを担当する一方で、日本トイレ協会会員として毎月トイレを語るイベントも実施している佐藤満春が最新トイレ事情について語る。

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 1990〜2000年頃まで、デパートでは“1階にトイレを作らない”のが定説だった。1階にトイレを置くと公衆トイレ化し、何も買わずにトイレだけ使う人が増えてしまうという懸念から、この頃までに作られたデパートや商業施設には見事に1階にトイレが無い。

 しかし、その後改装された新宿の某デパートはあえて1階にトイレを作り、とにかくきれいにした。特に女性トイレにおけるパウダールームやアメニティグッズを充実させることを徹底したのだ。

 その結果、多くの女性から絶大な支持を得て大繁盛し、デパートや商業施設ではトイレをきれいに、そして女性が買い物中にくつろぐ休憩所にすると成功するというのが、今の定説となった。

 化粧道具やテレビ、ソファー、充電器、フットマッサージャーなどがあって、もはや家のような環境となり、買い物をしなくても“とにかくデパートに足を運ばせる”ことが目的となっているのだ。聞いた話によると、きれいなトイレまでの動線に、あえて売れ筋の商品を置くと、客はその商品を必ず目にすることになる。そうすることで、いつか「あ、そういえば、あそこにあの商品あったな」と思い出すきっかけを作ることにしているそう。

 トイレはもはや排泄をするだけの場所ではなく、人を癒し、リラックスできる空間となりつつある。トイレ好きとしてはこれが一過性のものではなく、そして商業的すぎないものであってほしいと望むばかりである。

 ここまで読んでいただいた皆さん、トイレは一生付き合うものです。あなたのトイレ環境も、一度見直してみるのはいかがでしょう? わかりにくい説明があった場合、水に流していただきたい。それではまたどこかのトイレでお会いしましょう。ジャー。

※女性セブン2014年10月16日号