BCTIONの様子

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取り壊しが決定した都心のビル1棟を再利用して開催されていた、展示会「BCTION」。

オフィス街として知られる東京・麹町にある廃ビルを全10階のフロアを丸ごと利用し、一棟を丸ごと美術館に見立てた画期的な試みとして大きな反響を呼びました。

9月27日(土)、28日(日)にはそのかつてない反響から2日間限定でアンコール開催も行われ、その盛況ぶりが見て取れます。最終的な来場者数は1万5千人以上にも及びました。

アンコール開催の最終日、2014年のアートトピックの中心となったその展示会の盛り上がりの様子を「BCTION」にも参加する美術家・Houxo Queさんの案内のもと、KAI-YOU編集部で潜入取材させていただきました。

今回案内をしれくれたHouxoQueさん

BCTION最終日に案内してくれたHouxo Queさん



「A」から次のACTION、「B」に繋げる──BCTION


MON(doppel) & Joji Shimamoto talk about BCTION



「BCTION」という展示名は一つのアクション「A」が次のACTIONとなる「B」を促すような、クリエイティブが連鎖して膨らんでいってほしいという願いを込めて名付けられています。主宰は美術家・大山康太郎さんと写真家・嶋本丈士さん。

以下ではBCTIONに参加できなかった人向けに写真で会場の様子をレポート! ビルの壁に直接描かれた作品も多く、10月1日にはビル自体を引き渡したため、もう二度と観ることのできない貴重なものばかりになっています。

グラフィティ、ペインティング、立体、メディアアート、あらゆるアートが集結


BCTION-1F_エントランス


BCTION-1F



1階のエントランスでは、来場者も自由に壁へのペイントを体験できるスペースを設置。また展示に参加するアーティストの関連グッズ等も販売されていました。

DJブースも設置され、お酒も購入できます。エントランスの時点で、通常の展覧会とは違った雰囲気を感じ取ることができます。

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9階までのフロアを使ったBCTIONですが、2階から参加作家の作品が大量に展示されています。上に掲載しているのはドローイングライターの沖沖.(オキチュウ)さんの作品。

BCTION-3F_yang2さんの作品



メディアアーティストのyang02(ヤンツー)さんの作品。iMacとiPad miniと立ち上げられているSiriを用い、コンピュータで制御したスプレーを自動的に掃射する作品。

BCTION-3F_佐々木あららさん青木麦生さん



短歌の自動生成スクリプト「星野しずる」の開発者としても知られる歌人・佐々木あららさんと、同じく歌人でカッティングシートを用いたタイポグラフィを制作する青木麦生さんによるコラボ。反転した文字を鏡に映して読むという、文字体験。

佐々木あららさんの短歌

佐々木さんの短歌は会場のいたる場所に貼付けられ、これを一つ一つ探すのもBCTIONの楽しみ方の一つになっていた



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髑髏作家の丸岡和吾さんの作品。畳に煙草の火を当てて焦がした跡で髑髏を描く。使用した煙草の本数はなんと555本!

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5階フロアはプロジェクトチーム・THAのimaoneさん、SOHさんが担当。

「Stress」と題された作品で、死んでしまった熊の生前に何があったのか、そして死後の理想などを推測できるような仕組みになっていました。

壁に描かれた薔薇の花は、プロジェクションマッピングの上から描いたもの。そのため、投射の確度によって花が引き延ばされ描かれています。

大迫力の作品の数々に目を奪われる


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BCTIONが通常の美術展と大きく違うのは、その成り立ちもさることながら、あらゆるジャンル・文脈を持った作家が入り乱れて参加している点も挙げられます。

そんなクロスオーバーした展示の中でも、特に普段はストリートの壁などに絵を描くグラフィティライター、ペインターの作品は、その巨大さや鮮やかさ、ポップさから強い存在感を放っていました。

廃ビルという場所性もあいまって、BCTIONが「ストリート・アートの展示」と来場者に強く印象付けるのは納得の感がありました。

足を踏み入れたのはスピリチュアルフロア


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7階は案内してくれたHouxo Queさん曰く「スピリチュアルフロア」。ビルの廃材を利用した立体物や床に描かれた魔法陣が薄暗いフロアで妖しく煌めき、流れている不穏なBGMと共に不思議な空間を演出。7階は特に来場者も多く、その魅力に引きつけられているようでした。

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10階は立ち入り禁止。しかし、このフロアは千房けん輔さんと赤岩やえさんによるアートユニット・exonemo(エキソニモ)による作品として、特設WebサイトをBCTIONの10階と見立てて「#BCTION #10F」として展開。ネット上にアップされているハッシュタグ「#BCTION」がついた展示会の画像を、PCやスマホからリミックスしてアップすることができるようになっています。

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地下1階はダンスフロアになっていて、筆者が降りると丁度、アニメーション監督・森本晃司さんがDJプレイを開始。噂をききつけた人たちがすぐに集まり、盛り上がっていました。

BCTIONは続く!


BCTIONは今回限りのプロジェクトではなく、主宰の大山さんは「第2回は必ずある。もしかしたら2年くらいかかるかもしれないが、その間も話題が尽きないように継続的に企画を行っていく」と語ってくれました。

都市にはまだ多くのデッドスペースが存在すると考えられ、今後、東京オリンピックの開催に向けて、また新たに取り壊しとなる建物も出てくるかもしれません。

そういった場所を再利用することによって、アーティストが社会に関与し、またアーティスト自身が運営を行う。そういった地域や人との輪を拡げていくというBCTIONのコンセプトは、今後も継続されていきそうです。