4大会ぶりのU-20ワールドカップ出場へ、まずは初戦の中国戦が鍵を握る。(C) SOCCER DIGEST

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 来年のU-20ワールドカップの出場権を懸けたU-19アジア選手権がいよいよ開幕する。日本は10月9日に中国との初戦を迎えるが、悲願達成へのポイントはどこにあるのか。
 
ポイント1) “負の連鎖”を断ち切れるか
 
 今大会のベスト4に与えられるU-20ワールドカップ(2015年にニュージーランドで開催)の出場権。その獲得こそが最大の目標となるが、これは日本にとって4大会ぶりの悲願でもある。日本は過去3大会、08年、10年、12年とすべて出場権の懸かった準々決勝で敗退。負の連鎖を断ち切れずにいる。
 
 大会に臨むU-19日本代表は13年1月に鈴木政一監督を協会外部から招き、“一人ひとりが判断するサッカー”をモットーに着実な強化を重ねてきた。今年8月のSBSカップでは、コロンビアや韓国に後れを取ったが、当時の日本はベストメンバーが揃わず(韓国も同様だったが……)、そこまで悲観すべき結果ではないはずだ。
 
 選手や指揮官も日増しに手応えを得ており、宮崎での直前キャンプでは「いいイメージを持ってミャンマー(開催地)に行けそう」(鈴木監督)とコメント。エースの南野拓実(C大阪)は「U-16もU-21も負けたので、僕らはいいニュースを提供したい」と最近のアンダー世代に漂う暗い雰囲気も覆そうと決意を漲らせていた。
 
ポイント2)南野をはじめ攻守の鍵を握るタレントの存在
 
 チームの中心は、やはり南野だ。鈴木監督も「決定力に期待している」と語る通り、個で局面を打開できるFWは代えが利かないキーパーソン。これまで、中盤でパスはつなげても勝負どころでの仕掛けの場面では、崩しきれないケースが少なくなかったため、彼の爆発力には大きな期待がかかっている。
 
 所属するC大阪はリーグ戦で下位に沈んでおり、今大会への招集が不安視されたものの、無事にチームへ合流。その後のトレーニングでも周囲との連係に問題はなく、コンディションも良好と言えそうだ。
 
 ほかに、ボランチから攻撃を組み立てる松本昌也(大分)は現代表のキャプテンを長く務める主軸で、唯一の前回大会(12年U-19アジア選手権)経験者でもある。攻撃の8割方は彼を経由すると言っても過言ではないほど、チームの鍵を握る存在だ。
 
 さらに、松本とボランチのコンビを組む川辺駿(広島)、サイドアタックの先鋒を務める関根貴大(浦和)、対人の強さと積極的なフィードが特長の三浦弦太(清水)らJ1で出場機会を増やしている選手たちも高いポテンシャルを秘める。高校・ユース組では、指揮官が名指しで「攻撃においてはスペシャル」と期待を寄せる奥川雅也(京都U-18)は面白い存在。両足が遜色なく使え、独特の間合いから繰り出すドリブルは、一見の価値ありだ。
 
ポイント3)まずはグループ突破へ中国との初戦が天王山に
 
 予選で日本が入ったグループCに同居するのは、初戦で当たる中国、2戦目のベトナム、そしてグループリーグ最終節の相手となる韓国だ。現体制での成績は、中国に1分け、ベトナムに3勝、韓国に1PK負け。決勝トーナメント進出には、最低でも2位以上になる必要がある。
 
 結論から言えば、初戦の中国戦が天王山だ。中盤の構成力では日本に分があるものの、最終局面の守備の迫力や球際の強さ、ロングボールを使った割り切った戦術など、中国は決して侮れない。実際に、1-1のドローで終えたU-19アジア選手権予選での試合では、先制するもミスからのオウンゴールで追いつかれている。難しい展開が予想されるが、ここで勝点3を取れるかどうかが大きな分かれ目。相性のいいベトナム戦と合わせて勝点6が取れれば、最終節の韓国戦は楽な立場で臨める。
 
 逆に言えば、韓国戦までに勝ち上がりを決められなければ相当厳しい。というのも、韓国は08年大会、10年大会といずれも準々決勝で対戦して敗れた、いわゆるこの世代の“天敵”。SBSカップでも個の能力の違いを見せつけられ、内容面では完敗だった。韓国戦で主力を休ませつつ、オナイウ阿道(千葉)らジョーカー候補が輝きを放ってチームを活性化させる――。そんな展開になれば、きっと4大会ぶりの世界への切符は近づいてくる。

文:増山直樹(週刊サッカーダイジェスト)