事件後も仮想通貨への期待は高まっている!?
 ビットコインの取引所マウントゴックスの創設者ジェド・マケーレブ氏が新たに立ち上げた新仮想通貨「ステラ」。あの事件以来、仮想通貨を巡る動きは下火になっているのかと思いきや、実際はそうでもない様子。仮想通貨に詳しい経営コンサルタントの大石哲之氏は、次のように語る。

「ステラは、ビットコインとはちょっと違う仕組み。ビットコインはP2Pシステムを使って“ブロックチェーン”を作るタイプの仮想通貨ですが、ステラはビットコインとは違って、承認の部分は別になっています。詳しい仕組みがオープンになっていなかったリプルから分離して作られました。これ以外にも最近、仮想通貨界隈では新たな動きが出てきています」

◆ビットコインの現状はどうなってる?

 まず、昨今のビットコインを取り巻く状況について、大石氏は次のように分析する。

「確かに一番盛り上がっていた時期よりも、ビットコインの価格は半分になりました。でも、ビットコインはまだいいほうですね。亜種のライトコインの価格は、最盛期の10分の1になり、完全に盛り上がる前の水準になっていますから。ただ、価格が下がったからといって、仮想通貨への期待が下がったわけではありません。むしろ、ビットコインのウォレット登録数は右肩上がりですし、ビットコインを支払いに使える会社はますます増えている状況にあります」

 主だったところでは、パソコンメーカーのデルなど。また、大手決済システムであるペイパルが、ビットコインを採用するという話が出ているなど、徐々に流通する通貨として広まってきている。

「ただ、もう一度ビットコインが大きく盛り上がるためには前回、中国人が参入してきた時のように、新たにどこかの国が大規模に参加してくる必要があるでしょう」

 そんななか、新たに注目が集まっている仮想通貨があるという。

「最近、仮想通貨界隈で注目を浴びているのが『エセリウム』。これは仮想通貨というよりは、汎用性の高いプログラミング言語。エセリウムは個別の仮想通貨の仕組みを作るのではなく『大きなプラットフォームを作って、その上で、仮想通貨をはじめいろんなものを作れるようにしたら?』というプログラムです。今年の冬にはリリースされる予定ですよ」

 このエセリウムが利用できるようになれば、仮想通貨はもちろん、さまざまな商材や権利がエセリウム上でトレードできるようになるかもしれないという。ビットコインをはじめ話題に事欠かない仮想通貨界隈からは、目が離せない。

◆世界で流通する主な仮想通貨

【ビットコイン】
P2Pを用いた暗号通貨。中央銀行などの管理者なしで利用者が管理者となって監視している通貨システム。買い物の決済に使えるほか、米ドルや日本円とも交換できる

【ライトコイン】
ビットコインから派生した仮想通貨。ビットコインが認証にかかる“採掘”の間隔を短くし、送金にかかる時間を少なくした。ビットコインの役割を補完している

【ステラ】
2月に倒産したビットコインの交換所マウントゴックス社の創設者であるジェド・マケーレブ氏が新しく作った決済ネットワーク

【リップル】
ビットコインとは違う認証システムで動いている仮想通貨。米ドルやユーロ、ビットコインなどとも交換できる点において優れている。実はリップルもステラも創設者は同じ

【エセリウム】
仮想通貨というよりも仮想通貨のためのプラットフォーム。プログラミングを通じて通貨やコモディティ、金融にまつわる権利などが売買できるようになる。今冬にスタート予定

<取材・文/HBO取材班>