錦織フィーバーでテニス人気のV字回復どこまで?

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 全米オープン準優勝に続き、10月5日まで東京・有明で開催している楽天ジャパン・オープンでも沸き立つ“錦織フィーバー”。

 そんな錦織圭選手(24)の勇姿をみて、「昔とった杵柄」とばかりに、久しぶりにテニスラケットを握りたいと思っている人も多いのではなかろうか。近年、低迷していたテニス人気はあちこちで再燃しつつある。

 品川プリンスホテルにある「高輪テニスセンター」では、貸しコートの使用料金が1時間1万800円(平日)〜1万5000円(土・休日)と高額ながら、多くのテニス愛好者が汗を流している。直近の予約状況をみてみると、使用料が半額になる午前7時〜9時の時間帯はすでに<空きなし>の日も多い。

 また、テニスの腕を上げたい人や初心者のためのテニススクールへの申し込みも急増している。

「全米オープンで錦織の活躍が報じられた9月上旬以降、申込者数は通常の3〜4倍に増えました。入会者はスポーツジムの単調な運動に飽きたという若いサラリーマンやOL、会社をリタイアして何か運動を始めたいと考えていたシニア層までさまざま。正直、ここまで錦織人気の影響があるとは思いませんでした」(都内の某テニススクールコーチ)

 再び訪れたテニスブームのチャンスを逃すまいと、街中のスクールはあの手この手の入会者獲得合戦を繰り広げている。入会金無料キャンペーン、通常3000円程度する1回のレッスン料の割引、入会を決めた生徒にラケットのプレゼント……。

 さらに、コーチ陣入れ替えによるレベル強化や、空調設備の充実など環境面での優位性を競う傾向も出てきた。中には有明コロシアムのセンターコートと同じ床材に改装して足腰への負担を軽減させているスクールまであるというから驚きだ。

 10年以上前から運動不足の解消目的でテニススクールに通っているという埼玉県在住の主婦(35)が話す。

「ウチには3歳の息子がいるのですが、『今からテニスを教えれば将来1億円プレーヤーも夢ではありませんよ』とコーチから真剣に勧誘されています。ジュニアを育成して強い選手が出ればスクールの名も上がりますからね」

 2000年代前半にアニメ『テニスの王子様』が若者のテニス人口増を後押ししたように、現在はNHK・Eテレで放映もされている『ベイビーステップ』(週刊少年マガジンで連載)が人気となり、親と一緒にスクールに通う子供たちも増えたという。

 日本テニス協会が昨年3月に発表した「テニス人口等環境実態調査報告書」によると、「年1回以上プレーしている」テニス人口は、2012年時点で373万人。2002年の423万人と比べると10年で50万人減少しているものの、ここ最近の錦織フィーバーがテニス人口をV字回復させていることは間違いない。

 韓国・仁川アジア大会では“錦織2世”の呼び声高い西岡良仁選手が19歳という若さで金メダルに輝いた。今後も次代を担うスタープレーヤーが世界を席巻すれば、第四次といわれる日本のテニスブームも不動のものになるだろう。