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「プロ野球志望届」をご存じだろうか。約3週間後の10月23日に迫ったプロ野球ドラフト会議。高校生と大学生は、この書類を提出しなければ、ドラフトで指名されないのだ。今回は選手たちの志が詰まった「プロ野球志望届」について説明しよう。

「プロ野球志望届」とは、プロに進みたいと志望する高校生、大学生選手が、その志を表明するために提出するものである。高校生は2004年から、大学生は2007年から、この届けを受理された選手でないとドラフト会議で指名してはならない、と取り決められている。

○発端はドラフト指名トラブルから

もともとは「退部届」を提出することで、アマチュア選手側はプロに行く意思があることを示し、プロ側もドラフト指名するかどうかの判断材料にしていた。その背景には、「プロアマ規定」とよばれる、プロ球団関係者とアマチュア選手は接触できない決まりがあり、この規定から解放されるために退部届を提出するという手続きが必要だった。

ところが、これらは形式的で明確化されていた訳ではなく、退部届を出していなくてもドラフト会議で指名されるケースが発生。プロ側が強行指名して、大学進学を表明していた高校球児が一転、プロ入りするなどのトラブルが起きた。例えば、1985年のドラフトでは、大学進学を明言していたPL学園の桑田真澄を巨人が強行指名。事前に1位指名を確約されていたともいわれる清原和博が、涙した姿を覚えているファンも多いだろう。

○高野連に属していれば女子部員も提出が必要

そこで学生野球の統括組織「日本高等学校野球連盟」(高野連)と「全日本大学野球連盟」は、プロ志望届を提出した選手だけがドラフト対象選手となることをルール化。高校生の場合、プロ志望届を提出しない選手は大学進学、もしくは一般企業就職希望者とみなされ、プロ野球のドラフト指名を受けることができない規則になった。

このプロ志望届は男子部員だけでなく、女子プロ野球チームのトライアウト(テスト)を受けたり、入団を希望したりする女子選手も提出の義務がある。先日17日には、横浜創学館の軟式野球部に所属する寺島彩未さんが提出したことも話題になった。

このプロ志望届によって、事前に指名される選手が公に知られることとなった。これにより、ドラフト会議で無名選手が突然指名されたり、進学や就職と言われていた選手を指名したりする、いわゆる「隠し玉」や「サプライズ」が減ってしまった。「何球団が競合して指名するのか」「当たりクジはどの球団が引くのか」などドラフト会議のエンターテインメント性を楽しみにしているファンにとっては、ドラフト当日の驚きがやや減ってしまう感も否めないため、少々、残念な制度かもしれない。

○プロ志望届を提出し、ドラフトで注目される選手は?

現在リーグ戦の真っ最中の大学生の提出はまだ10名強だが、今夏の甲子園を沸かせた高校生たちは続々と提出中だ。高校通算73本塁打の岡本和真(智辯学園)や「機動破壊」を旗印に甲子園ベスト8入りを果たした脇本直人(健大高崎)、昨夏の優勝投手・高橋光成(前橋育英)ら、既に約60名が提出済みだ。例年ならば、高校生、大学生合わせて200名前後の選手が最終的に提出することになり、指名されることを待ちわびて、ドラフト会議の当日を迎える。

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今年のプロ志望届の提出期限は10月9日、そしてドラフト会議は10月23日。今年は、どんなドラマが待っているのだろうか?

週刊野球太郎

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(週刊野球太郎)