仁川アジア大会のボクシング競技で「韓国びいき」と思われる不可解な判定が相次いでいる。

インドとモンゴルの選手が立て続けに不満を示し、メダルの受け取りを拒否するなど大きな問題に発展している。

朝青龍も「キムチやろう」と怒り露わ

2014年9月30日に行われた女子ライト級の準決勝で一つ目の疑惑の判定が出た。対戦したのは、インドのライスラム・サリタ・デビ選手(32)と韓国のパク・ジンア選手(25)。試合全体を通じ優勢とみられたのはデビ選手で、手数も有効打と思われるパンチも多かった。一方のパク選手はクリンチに逃げる場面が目立ち、ラビットパンチ(後頭部を殴る反則)とみられる打撃もしばしば見受けられた。

だが、審判団が下した判定は0−3でパク選手の勝利だった。審判3人はイタリア、チュニジア、ポーランドだった。

この結果に、会場では韓国人以外の観客からただちにブーイングが起こった。デビ選手も判定に驚いた表情をみせ、試合後には涙を流しながら「このようなことが起こると、積み重ねてきたトレーニングがすべて無意味になってしまう」などとコメント。判定は受け入れられないものだと訴え、インドチームも同日に抗議した。

10月1日の表彰式では驚きの行動に出た。デビ選手は銅メダルの受け取りを拒否し、パク選手の首にメダルをかけて立ち去ったのだ。表彰式後、デビ選手は「問題解決に役立つなら、私のキャリアが犠牲になってもいい」と語ったという。

もう一つの疑惑は、同じく9月30日に行われた男子バンタム級の準々決勝の判定だ。韓国のハム・サンミョン選手と対戦したモンゴル選手は、優勢とみられたものの0−3で判定負け。すると、その場でリング上に座り込んで抗議に出た。報道によれば、モンゴル選手団も正式に抗議したが、国際ボクシング協会には受理されなかったという。

この試合は大相撲元横綱の朝青龍さんも試合を見守っていたようで、ツイッターを更新し、

「アジアゲーム仁川!ボクシング3ラウンドモンゴル勝っているのに韓国選手に手上がり!!キムチやろう!!」

と怒りをぶちまけた。加えてインドのデビ選手の判定についても「これも同じ!!韓国選手に勝ったけと負けた!!インド選手、涙、悲しいな」と言及し、韓国びいきとみられる判定が続出していることを問題視した。

国内タレントも「韓国選手は不公平判定の恩恵受けてる」

相次ぐ抗議に韓国メディアも黙っていない。CBCニュースは10月2日、授賞式における騒動を伝える中で「この授賞式で、パク・ジンアには恥辱的な記憶が残ることとなった」「デビの非常識な行動によって大きな傷を抱えた」としてデビ選手の行動を問題視した。

だが、今回の判定騒動を「盗まれた金メダル事件」として知られるソウル五輪(1988年)の審判買収問題と同一視する人も少なくないようだ。インターネット上には英語圏の人たちからも

「彼らには公平に判定しなかったひどい実績があるからな」
「この判定は到底受け入れられない」
韓国人を信用してはいけないという教訓だな」

といった声が寄せられている。韓国のネットユーザーからでさえも

「正直、インドの選手のほうが優勢だった」
韓国人としてこの出来事は本当に恥ずかしいし、憤りを感じている」

という声が聞こえてくる。

国民日報が報じたところによると、韓国のボクサータレントも2日、自身の公式サイト上で自国のボクシング選手が不公平な判定の恩恵を受けていると主張した。このタレントは全国ボクシング選手権大会で優勝経験もある人物とのこと。特定の選手の名前には言及していないものの「アジア大会やオリンピックのために血もにじむような努力をしているのは、韓国選手だけでなく外国選手も同じ」として判定の偏りを批判したという。