鹿島ではU-21日本代表の植田と強固な最終ラインを構築する昌子。4月の候補合宿以来の招集となった。(C) SOCCER DIGEST

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 アギーレ監督率いる日本代表が二度目のテストマッチ2連戦に臨む。10月10日に新潟でジャマイカ戦、同14日にはシンガポールでのブラジル戦に挑む。小林、昌子、塩谷ら、さらにフレッシュな顔ぶれを加えた今回の日本代表は、どんなサッカーを見せるのだろうか。ジャマイカ戦を翌週に控え、選ばれたメンバーのうち、ここでは国内組12人の状態をチェックする。

※平均採点とアシスト数は、『週刊サッカーダイジェスト』によるもの
 
【写真】ジャマイカ戦、ブラジル戦に向けた日本代表23人
 
GK
西川周作(浦和)
今季成績:26試合・21失点
平均採点:6.13(GK部門1位)
 
 これまでリーグ戦は全試合フル出場中で、浦和のリーグ最少失点(19失点)に大きく貢献している。26節C大阪戦ではカカウの一撃に泣き、7試合ぶりの黒星を喫したが、平均採点6.13はJ1のGK部門最高で、安定感の高さを数字の上でも実証している。日本代表で「川島越え」を果たすためには、まずいつか必ず訪れる最初のチャンスをしっかりモノにしたい。
 
GK
権田修一(FC東京)
今季成績:26試合・22失点
平均採点:5.90(GK部門5位タイ)
 
 何より見逃せないのは、パンチングの技術だろう。相手のシュートを正面に弾き返さず、コースをずらすようなやり方で受け流す。今季のリーグ後半戦になってFC東京の完封試合が増えたのも、この守護神の気の利いたファインプレーがあるからに違いない。9月に代表から外れた時も「やることはこれまでと変わりません」とクールに“受け流した”ように、どんな状況でも平常心で戦い続けている。
 
DF
水本裕貴(広島)
今季成績:26試合・0得点・0アシスト
平均採点:5.85(DF部門21位タイ)
 
 約2年ぶりの代表戦出場となったベネズエラ戦では、ミスからPKを献上するなど低調な出来に終わったが、その後のJリーグでは安定したパフォーマンスを取り戻している。とりわけ、代表戦直後の23節G大阪戦(0-1)、24節新潟戦(2-0)では、対人の強さと積極的なインターセプトを披露し、改めて能力の高さを証明。チームは代表戦後、1勝1分け2敗と波に乗り切れていないが、自身のコンディションは決して悪くない。
 
DF
太田宏介(FC東京)
今季成績:26試合・1得点・6アシスト
平均採点:5.98(DF部門4位タイ)
 
「最近は自分でも手応えを掴んでいる」と代表メンバー発表当日に話したように、クラブでは味のあるプレーを披露。24節の川崎戦ではディフェンシブなスタンスで、対峙した小林悠にほとんど仕事をさせず、26節の柏戦では終盤の73分に絶妙なオーバーラップから芸術的なアーリークロスでエドゥーのゴールをお膳立てした。セットプレーのキッカーとしてもフィッカデンティ監督の信頼を得ており、オールラウンドなSBに進化を遂げつつある。
 
DF
西 大伍(鹿島)
今季成績:15試合・1得点・2アシスト
平均採点:5.80(※規定の出場時間に達していないため順位なし)
 
 攻撃的な右SBは、目下絶好調だ。高い技術を生かしてビルドアップに貢献するだけでなく、タイミングのいいオーバーラップでチャンスを拡大。26節の徳島戦では精度抜群のクロスで土居のゴールをお膳立てするなど、持ち味を存分に発揮していた。とはいえ、守備には課題も残る。それは本人も自覚しており、トニーニョ・セレーゾ監督の下で日々改善してきたが、代表レベルで通用するかは未知数だ。その意味では、週末のG大阪戦は注目だろう。左に流れてくる宇佐美とのマッチアップが多くなると予想されており、このJリーグ屈指のアタッカーを抑え切れば、アギーレ監督へのいいアピールになるはずだ。
 
DF
塩谷 司(広島)
今季成績:24試合・6得点・1アシスト
平均採点:5.94(DF部門11位タイ)
 
 チームメイトの水本の代表招集が刺激になったのか、9月のリーグ戦6試合では攻守両面でハイパフォーマンスを見せている。持ち前のスピード、高さ、強さを生かした安定した守備に加え、攻撃のスイッチを入れる積極的な攻め上がりも披露。26節の神戸戦(1-1)では、13節以来となるゴールを奪い、DFながら今季6得点目をマーク。Jの外国籍選手相手にも当たり負けしないフィジカルが、ブラジル相手にどこまで通用するかは見ものだ。
 
DF
昌子 源(鹿島)
今季成績:26試合・2得点・1アシスト
平均採点:5.96(DF部門9位タイ)
 
 太ももに違和感を覚えて26節の徳島戦途中で自ら交代を申し出ており、今週は別メニュー調整が続いていた。それでも本人は週末の27節G大阪戦に出場の意欲を見せているが、決して万全の状態とは言えないだろう。今季は開幕からCBのレギュラーを射止め、リーグ2位につけるチームを守備面で牽引。スピードを生かした1対1の対応に加え、的確なカバーリングやラインコントロールが持ち味で、試合をこなすごとに安定感も増している。その能力の高さには疑いの余地がなく、怪我さえ回復すれば、十分にA代表でも通用するはずだ。
MF
森重真人(FC東京)
今季成績:25試合・1得点・0アシスト
平均採点:6.00(DF部門3位)
 
 アンカーを任された9月の代表2連戦とは違い、FC東京では不動のCBとしてプレー。1対1の強さは相変わらず際立っており、直近の3試合(相手は川崎、徳島、柏)はいずれも零封と結果も申し分ない。得点にこそあまり絡んでいないが、正確なショートパスとカウンターにつながる鋭いロングフィードは組み立ての局面で不可欠な武器になっている。攻守に渡り安定しており、大崩れの気配は今のところ感じられない。
 
MF
森岡亮太(神戸)
今季成績:26試合・3得点・8アシスト
平均採点:5.94(MF部門20位)
 
 9月の代表2連戦では背番号10を与えられながら出場時間はわずか3分と悔しさを味わった。ただその分「次の代表にも必ず入りたい」という強い思いが芽生え、リーグでのハイパフォーマンスにつながっている。「今シーズンやりたいことが体現できた」という22節のFC東京戦ではパスサッカーの中心に立ち、チームを牽引。1-1の引き分けに終わったが、左足で惜しいシュートを放つなど、これまで欠けていたゴールへの意欲も見せた。24節の清水戦(3-1)では、巧みなキープから3点目の起点になるなど勝利の立役者に。「次こそは長い時間プレーしたい」という気持ちで再び代表のレギュラー争いに挑む。
 
MF
柴崎 岳(鹿島)
今季成績:25試合・5得点・5アシスト
平均採点:6.13(MF部門3位)
 
 相変わらずの存在感で攻守に貢献しており、コンディションは良好。チームメイトに指示を出す姿も頻繁に見られ、大いにリーダーシップを発揮している。9月のリーグ戦6試合では得点こそなかったが、26節徳島戦でのアシストをはじめ、頻繁に高い位置に進出してゴールに直結する仕事をこなすなど、攻撃面での活躍が目立っている。一方の守備面も、小笠原と良好なバランスを保ち、中盤のフィルター役として機能していると言えるだろう。次の代表戦に対して「運動量を保って、攻守に貢献したい」と語っており、士気は高い。
 
FW
小林 悠(川崎)
今季成績:24試合・10得点・5アシスト
平均採点:6.13(FW部門1位)
 
 27歳の誕生日だった25節の大宮戦では、左足首を捻挫して20分に途中交代。続く26節の仙台戦はフル出場を果たしたとはいえ、決して本調子とは言えない状態だ。ただ、ブラジル・ワールドカップ直前の代表候補合宿を怪我で辞退した経緯もあり、本人は「日の丸を背負ってプレーしたい」と初出場に向けて闘志を燃やす。今季はDFの裏を狙うだけでなく、スピードを駆使したドリブル突破も増えており、29節を終えて得点ランク6位タイの10ゴールと、クオリティーの高いプレーで結果を残している。
 
FW
武藤嘉紀(FC東京)
今季成績:25試合・11得点・1アシスト
平均採点:6.12(FW部門2位)
 
 代表戦で得た大きな自信を、ピッチで体現。大型DFを背にした状態でも押しつぶされずにキープし、ゴールを視界に捉えれば持ち前のドリブルと強力なシュートで敵の守備網を突き破る。アギーレ監督が視察した直近の柏戦では2ゴールを決めて『二桁到達』と、目下絶好調。「以前よりも周りがよく見えるし、ドリブル、パスの選択も上手くできるようになった。プレッシャーを楽しもうと思っています」とコメントにも充実感が漲る。