アジア大会・女子ボクシングの韓国選手団に学ぶ「1種目でメダルを2つ盗る」イノベーティブなメダル量産法の巻。
韓国選手団、予定より1個多くメダル獲得です!

熱戦つづく仁川アジア大会。世界的には「韓国ぇ…」と若干さめてきている感じもありますが、地元韓国は引きつづき興奮のるつぼにあります。「アジアが誇るスポーツ大国」の奮闘ぶりは、日本も2020年東京五輪開催を控える身として、大いに参考にしていきたいもの。

「選手村は寝室を最優先に仕上げ、網戸や風呂の栓はあとから手をつける」「20階まで飛んでくる元気な蚊を育む自然環境の保護」「エレベーターは止まるかもしれないので20階まで階段で上がれるようにしておかなければならない」「タダ券をバラまくだけだと人が来ないので、来場したらお金をあげることを検討する」「エアコンはつけたり消したりすると節電になってエコ」「多少臭いは強いかもしれないが地元食を毎食ぜひ食べてもらう」「食料は大切なものなので、多少サルモネラ菌がわいても感謝して食べる」「無料WiFiは通信内容を傍受される危険性があるので提供しない」「プールのスタート台や卓球台は多少歪んでいるほうが選手にとってもイイ経験になる」「聖火が消えたら速やかに再点火する」「カメラのレンズは肌身離さずキチンと管理しなければならない」などの数々の学び。多すぎて覚えきれないほどの学びがあり、地元のみなさんはよく頭がパンクしないものだと逆に感心するほど。

もちろん競技運営においても、多くの学びがありました。とりわけ参考になったのは開催国チームの活躍を引き出す方法。これまでに60個を超える金メダルと、200個に迫るメダルを獲得した地元選手団は、決して選手たちのチカラだけによってこの成果を挙げたわけではないでしょう。地元を挙げての小さなサポートの積み重ね。「ひとつでも多くのメダルを盗る」という隙のない運営こそが、この活躍を引き出しているに違いありません。例えば地元選手団が5位にいた場合、「上に反則で失格になるチームが2つないかな?」というチェックを欠かさないこと。「そういうチェックを忘れないでくださいね」と審判団に念入りにお願いしておくこと。観衆も含めて、しっかりと監視していくこと。日本人ならついつい忘れがちな細部まで徹底されているあたり、本当に素晴らしいと思います。

そんな中、ある程度予習をしていたつもりの僕も驚いた、新たなメダル量産法が発見されました。本当であれば銅メダルであった局面で銀メダルを獲得し、さらに追加で銅メダルも獲得するというイノベーティブな方法です。「銅を銀に変える」という錬金術については、ソウル五輪以来何度も予習・復習をしてきたので想定の範囲内でしたが、まさか追加で銅も盗れるイノベーションがあったとは。ホント、勉強には終わりがありませんね。

ということで、1種目でメダルを2個盗るメダル倍増計画について、アジア大会の女子ボクシング・ライト級からチェックしていきましょう。


◆「課金」だけでなく「強奪」もある!怪盗ロワイアルみたいな世界観!


韓国で行なわれるボクシング大会。必修科目なので全員予習済みとは思いますが、ソウル五輪では数々のファンタジーを起こした種目です。バンタム級では地元選手がブルガリア選手に敗れた際、コーチがリング内に乱入し、審判団に殴り掛かるという大熱狂。ライトミドル級では見た感じフルボッコされた地元選手が、判定で優勝大本命の相手を破るという奇跡を演じました。「死ななければ地元勝利」という、フィリピンで行なうプロボクシング世界戦すら凌駕するホームアドバンテージ感。「参加することに異議がある」というオリンピック精神で臨むべき競技です。

すでにそこまで予習している競技で、新たなイノベーションを起こす。それがいかに難しいことか。勝った負けたのメダルの盗り合いには、完全に諦めを感じている中で、まだやれることがあったのです。そのことを世界に示したのは、女子ボクシング・ライト級。

この競技の準決勝は、地元韓国の選手とインド選手の対戦でした。激しい撃ち合いとなった試合は、素人目にはインド選手がよく有効打を放ったかに見える格好で進みます。しかし、結果としては3-0の判定で地元選手が勝利。インド選手サイドは激しく抗議をしますが、当然判定は覆りません。まぁ、ここまでは「いつものヤツか」というだけで驚きもない話。

↓参考までに試合はこんな感じだったという動画です!


どっちが地元選手で、どっちがインド選手か当ててみよう!

勝った方が地元選手だぞ!

どっちが勝ったかわかるかな?

↓わからなかったですか?もう1回よく見てみましょう!


どっちが地元選手で、どっちがインド選手か当ててみよう!

買った方が地元選手だぞ!

どっちが買ったかわかるかな?

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アマチュアボクシングの判定というのは、普段プロボクシングしか見ていない一般観衆にとって、確かにわかりにくい部分があります。有効打の多さを基準としているため、一発の大砲がドカンと当たり、一方が鼻血を流してフラフラしていても、見た目のダメージとは無関係に小パンチを連打したほうが勝つこともありますから。

そのせいか、判定を巡って疑義が起こることもままあります。記憶に新しいところではロンドン五輪で銅メダルを獲得した、日本の清水聡選手のケースなどもそうです。清水さんは2回戦で対戦相手を何度も倒すものの、まったくそれがカウントされず、一旦は判定負けを宣告されたのです。この際は「明らかにおかしいやろ!」という地元観衆の後押しもあって、清水さん側の抗議が通り、判定を覆しての逆転勝利となりましたが。

それに比べれば、今回のインド選手などは十分にあり得る範囲。「第2ラウンドに連打で地元選手をボコボコしたくらいが何だ!」「レフェリーが一旦試合を止めてコーチに状態を確認させた程度が何だ!」「第3ラウンドも何度も地元選手に連打を浴びせ、クリンチでやっとこ逃れたからといって何だ!」「ここをどこだと思っている!」「韓国だぞ!」と、僕も判定には大納得。「ハイハイハイ韓国韓国…」と驚きのカケラすらありません。どれだけリングに座り込んで大泣きしようが、判定が覆るはずもないのです。

しかし、翌日の表彰式、そこには驚きの光景がありました。「見た感じ銅メダル」だった地元選手が堂々と銀メダルの表彰台に上がり(※ここまで想定内)、さらにエクストラで銅メダルを獲得したのです。五輪の表彰式で「同点だから金メダルを割って2人に分けましょう」という光景は何度か見たことがありますが、1人でふたつ持っていくゴールデンハンマーみたいなイノベーションがあったとは!

↓地元選手は銀メダルを授与されたのち、インド選手からエクストラで銅メダルをいただきました!


インド:「ウェーーーーン」
インド:「ヒッグ…ヒッグ…」
インド:「正義は…正義はどこに…」
インド:「こんなん無茶苦茶や…」
インド:「何やこのメダル…」
インド:「こんなんいらんわ!」
インド:「はい、これアンタの」

1種目で2個メダルが盗れるだと!

これなら最強中国をメダル数で上回ることも理論上可能!

さすがサムソン、LGエレクトロニクスなどを抱えるイノベーションの国だ!

この発想はなかった!

↓なお、エクストラで銅メダルを進呈した側の選手が、国際ボクシング協会では懲罰の対象となるとのこと!
<女子ボクシングでインドの選手がメダル受け取りを拒否、アジア大会>

第17回アジア競技大会(17th Asian Games、Asiad)、女子ボクシングのライト級で3位に入ったインドのサリタ・デビ(Sarita Devi)が1日、審判の判定基準に異議を唱え、銅メダルの受け取りを拒否した。

 ライト級に出場したデビは、銅メダルの受け取りを拒むと、疑惑の判定の末に敗れた準決勝の相手パク・チンア(Park Ji-Na、韓国)の首にメダルをかけた。

この行為について、国際ボクシング協会(International Boxing Association、AIBA)はデビを厳しく非難し、懲罰の対象としている。

(中略)

デビはAFPの取材に対し、「『これは、あなたと韓国全員のものよ。銅メダルは、あなたにこそふさわしい』と話しました」と語った。

「彼女の首にメダルをかけたら、ほっとしました。あのメダルは欲しくなかった。今はハッピーです」

「あれは、世界中のスポーツ選手、男女全員のために、スポーツ界の不正に対して抗議したものです」

http://www.afpbb.com/articles/-/3027779

銀メダルを盗る⇒銅メダルの進呈を受ける⇒相手に懲罰というコンボ攻撃!

ボクシング以外の部分で大ダメージ技が連発や!

KO待ったなし!

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感想(9件)



「穢れきったものは誰も欲しくなくなる」という心理を巧みに利用したメダル倍増計画。イメージしてみてください。皿に2個まんじゅうが置いてある場面を。そして、それを食べようとしたとき、誰かがそれをウンコまみれの手でヒョイと盗っていきました。もしそこで「コッチのアンコが少ないほう返すわ」と言われたらどうするでしょう。「もう、いらんわ!」となるのではないでしょうか。

「え…」「せっかくあげようとしたのに…」「何か失礼じゃないです…?」とウンコまみれの手は言うでしょう。何だか、ちょっと被害者っぽくなったりするのではないでしょうか。そして、さっき返そうとしたほうのまんじゅうも、改めてウンコまみれの手で持って食べるのです。被害者にしてまんじゅうダブルゲットという妙案、これは大いに参考にしたいもの。

2018年平昌五輪に向けて、僕らも「ウンコついてても食べられるようになる」か「ウンコまみれが紛れこまないよう厳しく洗浄してから食卓につかせる」か「こっちもウンコまみれになってまんじゅうの代わりにカメラのレンズを盗る」か、いずれかの対応を検討しないといけませんからね。いやー、人間の進化には終わりがありませんね。毎日がイノベーションなんですね。いい勉強をさせてもらいました。本当にありがとうございます!

いっそカメラのレンズも「もういいよ、あげるよ」となりませんかね!