全く新しいコミュニケーションの手段

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最初にテキストメッセージングが広まったとき、やり取りできる文字数は160文字だった。やがてマルチメディア・メッセージングによって、写真も合わせて送れるようになった(利用しているキャリアがサポートしていたらの話だが)。

世界中でメッセージアプリの人気が鰻登りであることは、私達のコミュニケーションの手段に大きな変化が起きている兆しなのかも知れない。今では私達はテキストだけでなく、アニメキャラや消えてしまう自分撮り、自分の現在地のほか、携帯の電池の残量にいたるまでシェアすることが出来る。Apple Watchで登場するメッセージアプリは、親しい人へ自分が生きてる事を、心拍の情報をシェアすることで伝える事が出来る世界を予感させる。

メッセージアプリの選択肢は幅広いため、どれか1つだけを選ぶことは難しい。10代の子どもたちがTwitterやFacebookから、InstagramやSnapchatに乗り換えた事を考えてみて欲しい。

投資家から投下される開いた口が塞がらないような巨額の資金を使って、WhatsAppに190億ドル投資したFacebookの様な企業達は、次の大きなトレンドを掴むために競争を繰り広げている。大量のユーザーを掴み、それに伴う売上を得るためにだ。

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The Next Big Thingは、単体ではなく複数のメッセージアプリになると考えられている。開発側はあれもこれも出来るような単体のアプリから、1つの事を完璧にこなせるようなシンプルさを兼ね備えたアプリへと、開発をシフトし始めた。

メッセンジャーの第一タスク:テキスト置換

WhatsAppやWeChatといった、名を馳せたメッセージアプリは、SMSから受け継がれている伝統的なメッセージングを拡張し、ユーザーにキャリアに課金されないようなコミュニケーション手段を提供している。

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SMSはすぐには無くならないだろうが、キーとなる機能の幾つかが欠けている。そのため、ユーザーはその穴を埋めるため他のアプリを探すことになる。例えばSMSの160文字制限などはその一例だ。

世界の大半ではテキスト送信は高く付く。米国におけるテキスト送信し放題(料金)プランはあまり一般的なものではない。国際テキスト送信はとりわけ高く付く。WhatsAppの様なアプリはデータプランとWiFiの利点を活かして、テキスト送信を安上りにできるというアドバンテージがある。

世界に目を転じてみると、こういったアプリの人気は鰻登りだ。今年の上期にRWでレポートした通り、位置情報からそのユーザーがどのアプリを使ってるかが分かるかも知れない。アジアではWeChat、LINE、KakaoTalkが、北米ではWhatsAppやKikがもっとも人気がある。

消えるメッセージは生き残る

Snapchatは消えてしまうメッセージというトレンドを先鞭をつけた事で高い評価を得たが、このアプリが唯一だというわけではない。Snapchatが大ヒットを飛ばすやいなや、Facebookを含む大小様々なプレイヤーたちはSnapchatの成長を支えるこの機能をコピーし始めた。

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今日、消えるメッセージは珍しいものではなくなった。たとえSnapchatでデータ自体が本当に消えてしまうわけではないのだが、それでも人々はネットに残した情報がずっと残り続けない様な選択肢を求め続けている。iCloudがハッキングを受けた一件などは、人々が一回見られた自分撮りは消えてほしいと思う理由の1つになるだろう。それがSnapchatの自分撮りであれ、Wickr上での安全なやり取りであれ、送受信したメッセージがずっと残り続けないという機能は、すでにコミュニケーションにおける中心的な部分である。

Yo効果

「Yo」は自分の秘書と簡単に連絡を取る方法として作りだされたが、やがて話題のテクノロジーとなった。現に最盛期、YoはFacebookのSnapchatの模造品であるSlingshotよりも多くDLされた。

Yoの共同設立社であるモシェ・ホジェッグは、これはユーザーが誰かにその人の事を考えているということを伝えるのに素晴らしい手段であり、「ホーダー(Hodor)」(人気ドラマ・シリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ(Game of Thrones)」で繰り返し出てくる一節)と呼ばれるものを含む多くの類似品を生んだ(RWでは、ローレン・オルシーニのチュートリアルでYoの類似品の作り方を紹介した)。

これで肝心なのはメッセージの中身ではなく連絡手段自体だ。”yo”は一杯になっている受信箱へではなくプッシュ通知の形で飛んでくる。いずれ友達ではない人達に対しても、Yoするのかもしれない。また無数にあるIETTTのレシピにより、Yoと温度計を組み合わせて暖房を入れる事もできる。

トランシーバーの再発明

子供の頃、トランシーバーをもって原っぱで遊びまわった事を覚えている。やがて大きくなった私は、Voxerを使って知り合いや家族と連絡をとっている。留守電はよく無視する私だが、このアプリを使って残されたボイスメッセージのチェックは欠かさない。

ボイスメッセージングは、SNSからスピンオフされたアプリであるPath Talkの機能だ。多くの多機能メッセージアプリでは、録音されたものを送信する機能が付いている。

Appleですらこのトレンドにのりつつある。iOS 8ではiMessageを利用した新しいボイスメッセージング機能が導入された。

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絵文字(Emoji)

今やあらゆるところで見られるこれらの小さいマンガのようなアイコンは、21世紀における洞窟の壁画だ。

絵文字は :-) スマイリーなどのAAのカラフルなバージョンとして、90年後半に日本で誕生した。やがて絵文字はオンラインで用いられる標準的なアルファベットの一部となり、文字通りUnicodeに取り込まれた。絵文字ベースのチャットアプリが現れるのは時間の問題だった。

Emoj.liは絵文字のみで連絡を取り合う手段を提供しようとしている。実の所、サインアップするアカウントにすら、名前はつけられていない。

メッセージアプリはそれぞれが他社との差別化を図っている。ひょっとするとカスタマイズされた絵文字のセットで売上を上げることが出来るかも知れない。

アンビエントメッセージング

これまでに友達に待ち合わせに遅れる事を連絡したいのにテキストを送ることが出来なかったことはあるだろうか? 周辺へのメッセージングが可能になれば、友達に直接送らなくても、連絡できるようになる。

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FacebookやFoursquareのSwarmといったSNSでは、明示的に連絡を取らなくてもお互いの大体の位置が分かるアンビエントサービスを導入している。Pathの新しいメッセージアプリはその先を行くものだ。

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スタンドアローンのメッセージアプリとしてPathが6月にリリースしたPath Talkは、「移動中」や、「音楽鑑賞中」といった様な情報を、わざわざ何か入力することなく仲間内で共有できる手段を提供する。

アンビエントロケーションは潜在的に侵略的であり気味が悪いと批判される事があるが、これらのサービスは事前にユーザーの了解を得たものである。ユーザーは誰が自分がどこで何をしているのかについて知りえるか、コントロールすることが出来る。

この次は?

どんな新機能が人の目を引くのかを、長期にわたって予想することは不可能だ。Yoの様なアプリを使うのは楽しいものだが、自分の仲間が使ってるアプリがいつの間にか別のものに変わってしまうのも以外に早いものだ。

メッセージアプリが生み出す世界で何をするかは私達次第だ。最も人気のあるコミュニケーション手段となる為に、スタートアップ企業はそれまで私達が需要があると思っても見なかったようなメッセージアプリを生み出す必要に迫られるだろう。

画像提供:Madeleine Weiss

Selena Larson
[原文]