なかなか賃金が上昇しないなかで、物価高が続き、実質賃金は大きく減っているのが現状だ。消費の落ち込みは顕著で、景気の先行きが不安視されている。はたして今後、景気が上向く可能性はあるのか。経済アナリスト・森永卓郎氏が解説する。

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 先行きに光明が見えないかといえば、来年早々から景気が上向いていく可能性は十分あると考えています。現在出ている経済指標は4〜6月期の統計数値なので、政府も日銀も駆け込み需要の反動などで悪いのは想定通りとして、まだ景気対策に動き出していません。だが、7月以降の統計は想定以上の悪い数値が出てくると見ているので、政府も日銀も景気対策に踏み出さざるを得ないと思います。

 その際には、必然的に景気対策の目玉と世間でいわれる、日銀のさらなる金融緩和=黒田バズーカを撃たざるを得なくなる。7〜9月期のGDP2次速報は12月中旬に出るので、私は早ければ12月にも、資金供給量を現状の1.5倍ぐらいにする強烈なバズーカを撃ってくる可能性があると考えています。

 一方で、景気回復の腰を折る懸念がある消費税率8%から10%への引き上げは、7〜9月期の悪い数字により、見送られる可能性が十分あると見ます。実際にそうなれば、為替相場は一気に1ドル=110円台の円安に振れる。株価も年末から上昇し、日経平均は2015年中に2万円超えもあると思います。

 このシナリオからいえば、そろそろ日本株を仕込み始めてもいいと思います。日銀がバズーカを撃った瞬間から株価が大きく上がるわけですから、そのタイミングまで株を売らずに待つのが得策。その際に特に注目したいのが、NISA(少額投資非課税制度)口座を活用した株主優待狙いの投資法です。

 NISAでは、枠を使い切ると新たな銘柄に買い替えることができないし、損失が出ても他の証券口座と損益通算ができません。そのため、短期投資には向かず、中長期投資に活用すべきもので、株主優待投資に最適です。中長期での運用を考えるなら、自分に使い勝手のいい優待を受け取りながら、株を保有し続けるスタイルは、賢い方法だと思います。

※マネーポスト2014年秋号