● 広島 2 - 4 阪神 ○

<24回戦・マツダスタジアム>

 阪神は負ければ3位が確定となる大事な試合。勝負どころで詰めの甘さを露呈していた阪神が、最後の最後で強さを見せた。

 セ・リーグ2位の座を賭けた両チーム最後の直接対決。お互い譲れない一戦で、際立ったのは両先発の『経験の差』だった。広島の先発はルーキー大瀬良。阪神は立ち上がりで相手のミスに付け込む、そつのない攻撃を見せる。

 初回、二死一塁から4番・ゴメスの四球で得点圏に走者を進めると、続くマートンがきっちり適時打を放ち先制に成功する。3回にも先頭の上本が四球を選び、大瀬良の暴投で三塁まで進塁。相手のミスで得たチャンスを、3番鳥谷が適時打できっちり得点に結びつけた。4回にも広島内野陣のミスで追加点を挙げた阪神は、大事な試合で主導権をきっちり掴む。

 本来の投球が出来なかった大瀬良とは対照的に、阪神先発の能見は要所をしっかり押さえる丁寧な投球を見せた。

 点に結びつきやすいイニングの先頭打者には細心の注意を払い、6回までに先頭出塁を許したのは、2回エルドレッドに打たれた二塁打のみ。また、四球で無駄な走者を出さなかったことも大瀬良との違いだった。能見は6回を投げて87球、被安打5、無四球。失点はロサリオに打たれたソロ弾による1点のみ。負ければ3位が確定してしまう大事な試合で、チームを窮地から救う素晴らしい投球はさすがの内容だった。

 阪神は終盤に広島の反撃を受けるも、8回途中から守護神オ・スンファンを投入。イニングまたぎを苦にしない助っ人右腕は、ベンチの期待に応える好投で、広島打線に得点を与えず。逃げ切りに成功した阪神が、シーズン2位へ最後の望みをつないだ。

 この試合で阪神の今季リーグ戦の全日程が終了。75勝68敗1分で、2位の広島とゲーム差0となり、シーズン最終順位は5日の広島対巨人戦の結果次第となった。