透明になれる装置を市販品で実現する方法(動画あり)

写真拡大

一般に売られている既成のレンズを使って、透明化装置をつくる方法が発表された。3次元で継続的に、多方向に対して「透明化」できるものだ。

「透明になれる装置を市販品で実現する方法(動画あり)」の写真・リンク付きの記事はこちら

ハリー・ポッターの世界に出てくるような「透明マント」を実現しようと多くの科学者が努力しているが、これまでの研究の多くは、光の反射を制御できるメタマテリアル(日本語版記事)など、ナノテクノロジーを使うものだった。

これに対して、米国のロチェスター大学で物理学を研究する大学院生ジョセフ・チョイとジョン・ハウエル教授は、一般に売られている既成の材料を使って、透明化装置をつくる方法を考え出した。

チョイ氏とハウエル教授が共同で執筆した論文によると、購入する必要があるのは、等方性(物質の物理的性質が、方向によって異ならないこと)のある、既成のレンズ数枚だけだ。

正確には、アクロマティック・ダブレットと呼ばれる複レンズが4枚必要だ。これは光学専門店で購入できるレンズで、色補正やレーザー光の集束といった画像処理や物理学研究の用途で一般に使われている(アクロマティック・レンズとは、光学特性の異なる2枚のレンズを貼り合わせ、ふたつの波長に対して色収差を補正したレンズのこと)。

実用可能な透明マントを設計するときに、気をつけなければならないことがいくつかある。まず、世界は3次元で機能しているという事実に対処する必要がある。つまり、マント、あるいはマントを見る人が動いた場合でも、マントは透明であり続けなければならない。見る人がマントに対して同じ場所でじっとしているときだけ機能するのでは不十分というわけだ。次に、マントの中にあるものを隠すのはよいが、マントが透明であり続けるには、背景が歪むことは許されない。

チョイ氏とハウエル教授はこれらの問題について、チョイ氏が説明する「完全な透明化装置の簡略版」になるように組み合わせたレンズで克服したと述べている。チョイ氏が定義する「完全」とは、光がどの方向から射すかにかかわらず、3次元で継続的に、多方向に対して透明化できるということだ(詳しくはリリースと、以下の動画で説明されている)。

なお、動画では今回構築された実験装置が紹介されているが、モデルのサイズは変更できるという。光の屈折はレンズの大きさに関係なく可能だからだ。

TAG

InvisibilityCloakLenseVideoWiredUK